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Souffle(スーフル) Souffle(スーフル) 息、できてる?
コラム 2018.12.11

『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫 最近、SNSが殺伐としていないか?

#8 やっぱり私にはSNSしかないんです。

SNSから抜け出して美容室に行ったカレー沢薫さん。そこで起きた、SNSへの想いを新たにする事件とは…?

ほがらかSNSライフ私事だがこの「ほがらかSNSライフ」は前回で一度終焉を迎えた。

何故なら前回「SNSとかに他人の発言とかを書くのはほどほどにしとけよ」と言ったその日に、自分が他人の言動をツイッターに書くと言う快挙を成し遂げたからだ。

年金問題担当が年金を払っていなかったという、懐かしの国会議員ギャグをまさか平成最後にやるとは思わなかった。

これは辞任か切腹以外ありえない、と思ったが、これはSNS神が貴様らに「SNSの極意」を授けるものではなく、一依存症者が1秒でも長く健康的にSNSに依存し続けるために試行錯誤するコラムである、今回の件でわかったことも「学び」として書くべきだろう。

まず何があったかというと、私がSNSやネットに依存している理由は対人スキルが極端に低いからである。

だから無職だし、その分画面や壁とコミュニケーションをとっているのだが、それでも人と接しなければ時はある。私以外にも、実はゴリラだけど生活のためにOLのコスプレをして下界で働いているという人はいるだろう。

私もその日、人間の仮装をして「美容院」に行った。容姿を気にしてではない、毛というのは伸び過ぎると動作に支障がでるのだ。

私は、ゴリラであることを隠し、あたかも人間のように美容師に「毛の量を減らしてくれ」と伝えた。

すると美容師は「美容室とか緊張するタイプですか?」と聞いてきた。何だその質問は、と思いながらも「え、はい…まあ」と答えたところ「ですよね!そういう感じしますもん」とほがらかに答え、大丈夫ですよ、リラックスしてください、的なことを言った。

想像してみてほしい。一生懸命人間のコスプレをして行ったのに、席について3分で「お客さんゴリラですね!でもうちはゴリラ差別とかしないんで大丈夫っすよ!」と言われたゴリラの気持ちを。

一言で言うと「傷ついた」。
俺はどれだけ人間の真似をしようとゴリラであり、人間のフリが出来ていると思っていたのは自分だけだったのだと思い知らされた。

またこの美容師に完全に悪気がないのがさらに辛い。一撃で私を撃ち殺す気で言ったなら彼は美容師に向いてない、暗殺者とかになった方がいい、多分「伝説のアサシン」と呼ばれるまでになれる。

一撃で撃ち殺されたまま、毛を刈られ、外に出た私は心から思った。「誰か今私に起こったことを聞いて欲しい」と。

もちろん、それはツイッターしかない。私の中の山田勝己が「俺にはツイッターしかないんです!」と泣いている。

しかし、まさにその日「他人の言動を勝手にSNSに書くな」という記事が公開されたばかりだ。

結局、4時間ぐらい耐えた末に書いた。

結果として絵に描いた朝令暮改をしたわけだが、書いたらスッとしたし、逆にその4時間は地獄のように辛かった。

以上の事からわかったのは「SNSに厳密すぎるルールを作るな」ということだ。

「SNSに他人のことを書くな」を絶対破ってはいけないルールにすると、ここまでSNSは苦しく不自由になってしまうのだ。

つまり個人情報を載せるなど「絶対にやっちゃいけないこと」以外は「心がける」程度にしておかないと私のように自縄自縛に陥るはめになる。

「言っていたことと違う」と言われようとSNSはある程度「都合の良い俺ルール」でやっていかないと続かないということである。

次回は12月18日更新です。

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『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫

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