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Souffle(スーフル) Souffle(スーフル) 息、できてる?
コラム 2019.01.15

『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫 最近、SNSが殺伐としていないか?

#12 なぜ私たちは100万円が当たらなかったのか

RT数世界記録となった、ZOZO前澤社長の100万円プレゼントつぶやき。賛否両論あったこの企画にカレー沢薫さんが見出したSNSの地獄とは?

SNSライフ新年早々、私のような餅の代わりにツイッターに鼻まで浸かって窒息死している系じゃないライトユーザーでも、1度は見かけたであろう、ツイッターを使った大きな催しがあった。

簡単に言うと、ZOZOTOWNの前澤社長が自分をフォロー&リツイートしてくれた人から抽選で100名に個人的に100万あげる(総額一億)という企画である。

そして結論から言うと私はフォローしてリツイートした。

穿った見方をすれば、金持ちがばらまく金に群がっているに過ぎないのだが、100万あったらソシャゲのガチャで諦めなくて済む推しが何人いるんだ、貴様の小さなプライドと推しどちらが大事なのだという話である。

この企画には色んな反応があった。

私にように何でもいいからとりあえず100万欲しい人間もいれば、100万は欲しいが前澤社長が気に入らねえからフォローしない人、自分は前澤社長の体を狙っているのに、それを100万目当てと勘違いされてはたまったもんじゃねえので、抽選が終わるまであえてフォローを外し、終わったらフォローし直そうと今待っている人、または「この行為は違法では」と専門家の立場から意見する人など様々だ。

結果としてこの前澤社長のこのつぶやきは560万以上RTされ、これは世界記録となったそうだ。

しかし注目すべきは560万RTの方ではない、リプライが「39万」ついている、という件だ。

自分の一つのつぶやきに39万コメントがつくということ自体想像がつかないが、39万全てが「よっ太っ腹!」という賛美の声ではないのは確かだ。

むしろ苦言の方が多く、中には罵詈雑言や、何らか怪電波を受信中の方からの熱いメッセージも含まれているはずだ。

見てないので確かなことは言えないが、見に行くつもりはない、むしろ「これだけは見まい」と書初めに書いたぐらいだ。

ツイッターの地獄の神髄はリプ欄にあり、なのだ。

反論リプに反論を返しそこから論争がはじまるのはまだ良いが、それを無視したことで行われる「謎の勝利宣言」や、本人は返信してないのに、他の人間が反論リプに反論し、自分のリプ欄で赤の他人同士がケンカをはじめ、さらに見物人がどんどん参戦し始め「俺の領地で他国が戦争を始める」という世界史的状況になってしまう。そしてそういう状況を見るのは「疲れる」。

どれだけ気をつけていても、SNSをやっていると「出会い頭の事故」は避けられないものである。

不意に役立つ情報や好みのイラストを見つけるという「食パンをくわえた美少女」とぶつかることもあるが、普通に10トントラックと正面衝突することも多く「このツイートを見る前の俺に戻してくれ」となってしまうのは仕方がないことなのだ。

しかしこの「一次災害」は防げないものだが、そのリプ欄までわざわざ見に行ってしまうのは「防げた二次災害を自ら起こした」に等しい。

「ツイート自体に不穏なものを感じたら、そのリプ欄は絶対見るな」

見に行ってさらに不快になったとしても、それは火事を野次馬しに行って巻き込まれて焼死したようなものである。

もちろんSNS上で他人の意見に意見するなということではない、ただ意見する時でも相手が人間であることは忘れてはいけない。

確かに前澤社長級になると、100億以上の絵を買ったり、月に行こうとしていたり、剛力彩芽さんとつきあっていたりと、全く人間感がないが、万が一彼が人間だというなら他も全員人間である。

例え、相手が歩きたばこのような確実なモラル違反をしていても、その注意の仕方が「突然特殊警棒で殴り掛かる」では、逆に逮捕されるのはこちらだ。

リアルでもSNSでも「突然人間に殴り掛かってはいけない」ということを忘れてはならない。

次回は1月22日更新です。

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