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Souffle(スーフル) Souffle(スーフル) 息、できてる?
コラム 2019.01.29

『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫 最近、SNSが殺伐としていないか?

#14 「いいね!」がもらえなかったらどうしよう

インターネットという大事な居場所を地獄にしないために、カレー沢薫さんが提案する、SNSとのほがらかな付き合い方。

ほがらかSNSライフ担当の友人が犬を飼っているそうなのだが、その写真をSNSにあげて万が一「可愛くない」とリプがついたら正気ではいられないので、載せられないのだという。

その発想はなかった。

何故なら今まで、私はツイッターに流れてくる他人のおキャット様の写真を見て「尊い」以外の感情を抱いたことがないからだ。

よって自分がおキャット様を飼ったら、迷いなくその写真をSNSに載せると思っていたので、まさかこのような葛藤を持っている者がいるとは夢にも思わなかった。

確かにSNSというのは誰が見ているかわからない、自分の畑でとれた見事なエロ大根の写真にトランプ大統領が「いいね」しないとも限らないのである。

どんなに可愛い子ポメの写真でも、両親をポメラニアンに食い殺された人の目に触れてしまったら、暴言リプを返されないとも限らない。

そいつが「ポメラニアン」をミュートワードにしてないのが悪いとも言えるが、SNSにいるのは犬猫を可愛いと思える人間だけではない。

ただ、ホームランもあれば三振、時にはデッドボールもある人間の顔面などに比べ、おドック様やおキャット様は極めて打率の高い安打製造機なので、物言いがつき辛いだけなのである。

そのようなツイッター球界殿堂入りであらせられる可愛いお動物様の写真ぐらいならまだ良いが、それ以外のものを「自分の好きな物は他人も好き」「自分の感覚こそが世界のスタンダード」と思って何の注釈もなくSNSの湖に何でも投げ込むとツイッターの女神が現れて、金の斧と銀の斧で頭をカチ割られる恐れがある。

そもそもネットに顔出しをしない人間は、安全性の問題もあるが、自分の顔を衆目に晒し、他人に美醜をジャッジされたくないという自己防衛心が少なからず、あるはずだ。

自分はそんな守りに入っている癖に、愛猫愛犬の写真は遠慮なく他人のジャッジの場に晒しているというのは人間のエゴでしかない。

つまり、オラのおドッグ様をそんなおっかねえ場所に立たせるわけにはいかねえと、愛犬の写真をSNSに載せられない担当の友人は、変わり者に見えて実は「すごく正常」なのである。

しかしそんな人間のエゴや異常性によって、我々おキャット様を飼ってないおキャット好きはSNSの「こぼれおキャット様」にあずかれるのだから、SNS、そして世の中というのは、正論と理屈だけでは成り立たない、ということがわかる。

SNSに何か写真を載せる時は、本当にこれを誰が見るかわからない所に貼って良いものなのか今一度考えて見た方がいいだろう。

全員に好かれるものなどこの世に存在しないがせめて打率8割、それを割りそうな場合は「注意してから見てください」と一言添えた方が良い。

ただおキャット様の写真に関してはそこまで神経質にならなくていい、人間のエゴと異常性丸出しで、何も考えずに貼って良い。

そうしてもらわないと、我々猫を飼ってないおキャット好きが餓死する。

次回は2月5日更新です。

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『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫

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