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Souffle(スーフル) Souffle(スーフル) 息、できてる?
コラム 2019.02.05

『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫 最近、SNSが殺伐としていないか?

#15 フォロワー数が気になってしまう。

フォロワー数を意識して見ないようにしているというカレー沢薫さん。その理由は?SNSで一喜一憂しないための、ほがらかSNS術。

ほがらかSNSライフ担当の「不快になることがわかっていてキラキラアカウントを見るのがやめられない」という肥溜め鑑賞癖がある後輩が、今度は「私はフォロワーが増えるような面白い日常が何もない」と嘆いているそうだ。

みなさんはフォロワーの数を気にしているだろうか。

私はフォロワー数を意識して見ないようにしている、気にしていないわけではない、むしろ気になり過ぎるから見ない。

フォロワー数を正確に把握してしまうと、その増減で一喜一憂してしまうに決まっているからだ。

フォロワーが1人でも減ろうものなら、相手の家に菓子折りを持って「こちらに何か不手際がありましたでしょうか?」と問い詰めに行ってしまうかもしれない。

当コラムでは再三「目に入れたくないものは事前にブロックやミュートをしよう」と言ってきた。

それに従い、そっとブロックやミュートをしたのに、玄関に相手がひよこを持って佇んでいたらどうか、現代のホラーと言っても良いだろう。

そんなSNSが生んだ貞子や伽椰子にならないために、私はフォロワー数を正確に把握しないようにしている。相手の玄関に行ってしまうタイプの人はそうした方が良いだろう。

しかし、人気商売をしている物にとっては、フォロワー数というのは一喜一憂しなければいけないものになりつつある。

むしろ最近では仕事などを頼む際「SNSのフォロワー数○○以上」を条件として掲げているところもあるという。

よって「まずSNSのフォロワーを増やす」ことから始める人間もいるぐらいなのだ。

約10年間、人気商売である作家をやり、1日68時間ツイッターに張り付いていた者から言わせてもらうと、ツイッターでのバズりが利益に直接結びつくかは未知数であり、私の漫画もコマの抜き出しが1万リツイートされることはあっても、そこからその漫画が売れたかというと「否」である。

もちろん中には、ツイッターでバズった漫画が出版されそのまま大ヒットという、私が秒でブロックするタイプの人もいるので、ケースバイケースと言った方が良いだろう。

ただ私は、SNSで人気が出たとは言えないが「SNSがなかったらもっとひどいことになっていた」という確信はある。

何せ、売れてない作家は宣伝費もそんなにないので、SNSで自分が発売日などを知らせなければ、読者は新刊が発売することすら知らない、ということがザラにあるのだ。

特に私などは「ツイッターがなければ即死だった」というタイプの作家である。

このように商売としてSNSのフォロワーというのは軽視できないものだが、逆にいえばSNSで何かしら「儲けてやろう」と思ってない人間は完全に軽視してしまっても良いということだ。

そこから利益を得ようとしていない人間がフォロワー数を気にして、ひよこを持って相手の家に行ってしまうのは、時間とひよこ代の無駄、つまり「損」でしかない。

フォローを外した人間の玄関に佇む現代の妖怪になりそうだと思ったら、フォロワー数も誰がフォローしているかも極力最初から把握しない方が良い。

次回は2月12日更新です。

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