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Souffle(スーフル) Souffle(スーフル) 息、できてる?
コラム 2019.04.23

『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫 最近、SNSが殺伐としていないか?

#26 休日、他人の楽しそうなSNSを見る。

10連休の前に、他人の幸せ投稿にイラだたない心を作りたい。

ほがらかSNSライフインスタアカウントを作った時「facebookのアカウントでログインするか」と言われて、「貴様フェイスブックの手の者か!」と手裏剣を投げた後、久々にフェイスブックを見に行った。

一応私もフェイスブックのアカウントを持っていはいるのだ。しかし全く使っておらず、最後の投稿は5年ぐらい前だった。

フェイスブックはツイッターと違い、学生時代の同級生などいわゆる「リア友」をフォローしている。

久々にフェイスブックでリア友たちの近況を見ると、一様に楽しそうであり、みんな上手くいってそうである。
そもそも、フェイスブックというのは楽しいことや上手くいったことを披露する場所なので、みんな楽しそうに見えるのは当たり前なのである。

むしろ何故ツイッタラーの方が「おじいちゃんが大学の金持ち野郎のセグウェイに轢かれた」みたいな、普通なら黙っておきたい、肩に落ちた鳥のクソみたいな話を喜々として投稿するのかと不可解に思われているだろう。

良くも悪くも、ツイッターより水が良いのがフェイスブックやインスタである。
景気が良い事があれば書き、なければ書かない、もしくは「景気よく見える写真」を作って投稿する場所なのだ、
つまり私のフェイスブック投稿が5年ないのは5年間フェイスブックに書くに値する景気の良いことがなかったということである。

それに引き換え、楽しそうに見えるリア友たちの投稿を見て、昔の私ならイラついていたと思う。
SNSの悩みでもこの「SNSでリア友のドヤ顔ダブルピース投稿を見るのが辛い」というのは特に多い。

では私はどうやってこのリア友の好景気投稿にイラつかなくなったかというと、今は同業者の「アニメ化決定!」などのサクセス情報に怒りが全振りしているので、リア友の小さな幸せ投稿にムカついている暇がないのである。

もちろんサクセスした同業者というのは、多くの場合会ったこともない人であり、まさに「実在するかどうかもわからない画面の向こうの人にマジギレ」というツイッタラー特有の病気に罹っている状態だ。
しかし、私はこっちの病気に罹ったことにより、リア友の投稿にイラつく症状が治まって本当に良かったと思っている。

腹痛の痛みを紛らわすために、首の骨を折ったみたいな話に聞こえるかもしれないが、画面の向こうの実態不明の何かにキレちらかす方が、リア友にモヤモヤするよりよほど楽なのである。

「友達の幸せ投稿を見るのが辛い」というのにはまず「嫉妬心」そして、友達の幸せを祝福できない自分への「自己嫌悪」が含まれているのだ。

画面の向こうの巨大な何か、と戦っている時はこの自己嫌悪がないのである。
ZOZOタウンの社長に腹を立てている時に「なんで俺は友作の成功を喜べないんだ…」と自己嫌悪に陥る人はあまりいないだろう。

「お前は何と戦っているんだ状態」というのはSNS特有の病理のように言われるが、私は何かよくわからないものと戦うことにより、良く分かっている友達の幸せを素直に受け入れることができるようになったのだ。

アンガーマネージメントとして、SNSに流れてくる自分に何の関係もないものに激怒して他に怒りがいかないようにする、というのもありかもしれない。

次回は4月30日更新です。

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