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コラム 2019.05.21

『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫 最近、SNSが殺伐としていないか?

#30 最悪のネタバレ。

最悪のネタバレってなんですか?

ほがらかSNSライフ過去最長のGW(ガッデムウイーク)私は無職なのでもちろん平常運転だったのだが、唯一したことと言えば、超大作「アベンジャーズ」の完結編「エンドゲーム」を見たことぐらいだ。

しかし私はこれを見る前に大きな過ちを犯していた。

「犯人はヤス」レベルのネタバレを踏んでしまっていたのである。

海外では、エンドゲームのネタバレを叫んだ男が集団暴行にあったそうだ。

おそらく暴行した方は無罪で、ネタバレした方が有罪で無期懲役になるだろう。そのぐらいネタバレが許されない映画なのだ。

映画自体は良かったのだが、事前にネタバレを見てしまったせいで、鮮度が落ちたことは否めない。

このことから、我々はもっとSNSをはじめ、ネットで目まぐるしく流れてくる「情報」との付き合い方を考えなければいけない。

確かに「情弱」は、損をするし騙されやすい。

例えば、知らないおじさんにたくさん殴られて金を取られた時「警察」もしくは「病院」という施設があることを知らなければ、泣き寝入りか、最悪死ぬしかなくなる。

情報の有無というのは時に生死に関わるのだ。

しかし、命に関わらない情報の場合、必ずしも「情強」の方が豊かな人生を送っているとは限らないのだ。

現に、私がエンドゲームのネタバレを踏んだのも「事前情報をちょっと集めておこう」と思ったからである。その結果、何にも知らない「情弱」より、エンドゲームの衝撃が落ちてしまったのだ。情報を集めたせいでQOL(クオリティオブライフ)が下がったと言える。

また情強ほど「自ら体験する機会」を逃しているとも言える。

インターネットには、趣味か仕事か、そういう病気なのかわからないが、漫画や映画、ゲームなどのあらすじを全部文字起こししている人が存在するのである。

それを見てしまうと「もう見る必要ないか」となってしまったりする。

また情報を集め過ぎると、情報の方に行動を左右されてしまう場合もある。

私が「エンドゲーム見るぞ」と思っていても「エンドゲームは3人以上登場人物が出るので、キツイ」という情報を見てしまったら「私には向かない映画だ」と思って、見るのを止めていたかもしれない。

掃除機を買うとかなら「全然吸わない、むしろ吐く」という情報は仕入れてから買った方が良いが、映画なんて、見た人間によって感じ方は違う。
安室透を好きにならない女だってもちろん存在するのだ。

見てみなきゃわからないものを、事前情報だけで見るのをやめるというのは「機会損失」でしかないだろう。

誰もがインターネットを使い、大量の情報を目にする現代だからこそ、情報を取捨選択する以前に「あえて情報をシャットダウンし実際体験してみる」という選択もしていかなければならない。

さもないとネット知識のみで構築された「女体のことなら何でも知っている童貞」のような人間になるだけである。

私はことあるごとに「映画デビルマンはクソだ」と言っているが、正直私の言葉などいくら聞いても実際見なければ、そのクソぶりを「理解した」などとはとても言えないのだ。

ネットで情報を得れば得るほど中身のない人間になる恐れがあるのだ。

今一度、実際体験してみること、そしてデビルマンのクソさをその目で確かめることの重要性を考えてみよう。

次回は5月28日更新です。

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