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Souffle(スーフル) Souffle(スーフル) 息、できてる?
コラム 2019.05.07

『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫 最近、SNSが殺伐としていないか?

#28 目の前の事より、SNSに夢中になってない?

10連休後、スマホを手にして思うこと。

ほがらかSNSライフこれを書いているのが4月27日、GW(ガッデムウイーク)の第一日目である。

私は無職なので、世俗の休みなど関係ない。
むしろ月給じゃない奴というのは、世間が休むと収入が激減してしまうため、怖くて布団からも出れなくなるのが連休というものだ。

これから、SNSには続々と「GWエンジョイ写真」がアップされることだろう。
それを見て、私のような「今穴から出たら餓死する」冬眠生物や、この10日間何の予定もなかった人間は、焦りと苛立ちが隠しきれないだろう。

しかし冷静になってほしい。特に月給の奴は冷静になれるはずだ。
SNSに写真をたくさん載せ、リアルタイムで逐一何をしたと投稿している奴ほど、現地が楽しくないのだ。
現地が楽しければ「スマホをいじる」という発想すらないはずなのである。
私だって推しのDB(ドスケベブック)を読んでいる時は読了までスマホは触らない。

真に恐れるべきなのは、GW(ガッデムウイーク)が終わった後で「実はハワイに行ってました」とか言いだす奴だ。
それも、いかにもSNS用な写真がついていればまだマシである、それが「写真全然撮ってない…(汗)」みたいなことを言っていたら、最悪である。
猫カフェのおキャット様が可愛すぎるあまり原始人になってしまい、脳から「スマホ」などという文明が消失し、写真を1枚も撮ってなかったのと同じだ。

つまり北京原人になるほどGWが楽しかった、ということである。
QOL(クオリティライフ)の高低差がありすぎて、鼓膜爆発四散不可避だ。

こいつは不倫旅行で写真を載せることは出来なかったが、どうしても禁断の恋をしていることを臭わせたい不倫女に違いないと思い込むしかない。

このように、予定がないにしても、SNSにかじりつき、人のGW(ガッデムウイーク)に一喜一憂するほど無為なことはない。
そういう状態に陥るぐらいなら無理にでも出かけた方がマシだろう。

しかし、出かけた先でもSNSとの付き合い方は要注意である。
もちろん、GWをエンジョイしていることをSNSに投稿するな、ということではない。せっかくなら、エンジョイしていると他人にも示したいのは人情である。
そんな気は一切起きないというのなら、逆に貴様はなんでSNSをやっているのだ、という話だ。

ただ外出の目的を見失ってはいけない。
もし、目的がインスタに載せる良さげな写真を撮るため、と決まっているならそれで良い。
そんなの「良い風景写真を撮るために山に登る」のと同じでメチャクチャ目的がはっきりしている。

良くないのは「デート」など、他に目的がある外出なのに、SNSを気にし過ぎることだ。

相手そっちのけで、映える写真を撮ることばかりに時間を使ったり、投稿したら「いいね」の数が気になり、気がついたら相手の顔より、スマホの画面を見ていた時間が長かった、ということにもなりかねない。

SNSの出現で「旅の楽しさ」を簡単に記録、共有できるようになった。
しかし逆にSNSのせいで台無しになっている旅も多くあるのではないだろうか。
出かける時は目的を見失わないようにしよう。

次回は5月14日更新です。

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