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Souffle(スーフル) Souffle(スーフル) 息、できてる?
コラム 2019.07.16

『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫 最近、SNSが殺伐としていないか?

#38 インスタ映えはもうやめだ

最新話更新!

ほがらかSNSライフ別の仕事で「女性向け写真雑誌」をもらった。

写真と言ってもアート系ではなく、明言はされてないが、どう見ても「インスタ映えしたいお前ら」に向けられた雑誌である。

インスタ含むSNSをやってない人間の方が少ない昨今である、映える写真を撮るための専門誌があって何らおかしくはない。

私は「インスタ萎え」と呼ばれるほど、SNSに載せる写真がクソだが、これでも最初は映える写真を撮ろうとしていた。

しかし、何をどう撮ろうが、まず部屋の汚さを指摘されると、いうことが続いたため、最近では、逆にどれだけ映える被写体をクソに撮るかに命をかけはじめた。

だが、それが本当に自分のしたいことなのか、という話である。

そんなのは、ブスが周囲に期待される「ブスキャラ」を受け入れ、ブスいじりに「もう~ブスビームでお前の体64分割しちゃうぞ~」と道化を演じているのと何ら変わりないではないか。

そんなことをする必要はない、ブスが自分のパーソナルカラーを意識して生きて良いように、ツイッタラーだって映えを気にしても良いのだ。

よって、この雑誌で、自分の写真の萎えも45度ぐらいには角度回復するのでは、と期待して読み始めたのでは、と思ったが正直甘かった。

この雑誌は「インスタ映えしたかったらまずインスタ映えする場所に行きましょう」という「生きたかったら息をしよう」みたいな方針なのである。

道具や技術は二の次だ。

そしてこの雑誌が推薦する「インスタ映えする場所」というのは主に「海外」なのである。

また、この雑誌は映える海外の風景に「自分が映る」ことも重要視しているのだが、写っているのがほとんど「金髪美女」なのだ。

つまり、インスタ映えしたければまず「金髪美女になれ」ということである。

また自撮り棒を使って撮っているような写真はほとんどない、明かに「撮影者」がいるものばかりだ。

つまり己の「インスタ映えする写真が撮りてえ~」というだけの欲求に海外までついて来てくれる、人間の一人や二人確保できていない人間は映える資格がないということになる。

もうこの時点で、汚い部屋を汚いまま、むしろ汚さを生かして映える写真が撮りたいと言っている奴はお呼びではない。

もはや誰に向けている雑誌なのかナゾだが、これを見て、本当に金髪美女になって海外に行った人間がいるなら、ガッツがある。

インスタなどのSNSには様々な写真が流れてくる、時にはこういったとても真似できないセレブの写真も流れてくるだろう。

それに対し少なからず「嫉妬」を覚えてしまうこともある。

それに対し「ア、アタシももやる~」という向上心に変える人間もいれば、自分が上がるのではなく、相手を下げようと「良く見たら部屋汚くね?」粗を探して足を引っ張ることを考えてしまう人間もいるのだ。

同じツールを使い、同じものを見ても、正の感情を出す人間と負の感情を抱く人間に別れてしまうのだ。

当然負の感情を持つと、延々画面の向こう側の人間と脳内でケンカすることになり、向上どころか、時間を無駄にするだけだ。

SNSを見て嫉妬心を抱いても、相手をどうにかしてやろう、などとは考えず「とりま金髪にするか」など「じゃあ自分はどうする」を考えた方が良い。

次回は7月23日更新です。

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『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫

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