ドラマ「西荻窪 三ツ星洋酒堂」主演・町田啓太さんインタビュー TVドラマ、MBSドラマ特区枠にて絶賛放送中!!
月刊ミステリーボニータで大人気連載中の浅井西先生「西荻窪 三ツ星洋酒堂」がTVドラマに。ドラマ第1話がTwitterのトレンド入りを果たし、TVerなどの動画配信サイトのランキング上位に輝くなど、大きな話題に。ドラマ本編もクライマックスへ向け、さらなる盛り上がりを見せる中、雨宮涼一朗役の町田啓太さんにお話を伺いました。
インタビュアー:橋本学 カメラマン:藤本和典
──原作を読まれた時の感想として“雨宿りのような物語”というコメントをいただきましたが、実際に撮影をされていかがでしたか?
町田:原作を読んで、柔らかい空気感や人に寄り添っていく過程が描かれているのが、すごく魅力的だなと思ったんです。改めて撮影に入ってみると、それが目の前で起こっているのがとても新鮮でした。しかも、店員の三人の関係性にもすごく面白みがありました。ただの同級生ではなく、近いようで少し遠い存在でもある三人が一つの場所に集まっていて、アンバランスな感じもするんですが、どこかまとまりもある。そういうお芝居をやっていくのも面白く、現場では毎回新鮮な気持ちを味わえました。さらに、来店されるお客さんによって空気感が毎回ガラッと変わるところも楽しかったです。そういう空気は観ている方たちにも楽しんでいただけるんじゃないかと思います。
──店員三人のキャストさんを含めた、撮影現場の雰囲気はどのような感じですか?
町田:実は撮影に入る前にリハーサルだけをやる日を1日いただけたんです。その日にみんなでいろんなことを試しながら、お互いにコミュニケーションを取っていきました。役柄もその日に少しずつ掴めたかなという感じです。そこから本番の撮影に入ってみると、またそれぞれ新しい感覚を持ち込んでくるので、新鮮味が増した場面もありました。中内役の藤原季節さんも小林役の森崎ウィンくんも本当に温厚な方なので、なんでも気兼ねなく話すことができて、現場に入ってすぐに冗談を言い合えるような関係性になれました。それは雨宮の今後を演じる上でもすごく大事になってくるので、二人といることで自分が救われているような感じがありました。なので、二人にはとても感謝しています。
──物語の舞台となるお店の雰囲気はいかがですか?
町田:実際に営業されているバーを貸していただいて撮影しているので、とても趣のある店内になっていますね。しかも、このドラマのために新たに飾り付けなどもしてくださり、照明の色もすごく柔らかい雰囲気になっていて居心地の良い空間になっています。
──原作の中で特に印象に残っているエピソードはありますか?
町田:やはり第1話の仕事で落ち込んだ女性が、雨宿りのようにバーに入っていくお話は特に印象に残っていますね。そこから雨が上がり、彼女が少し前を向いて歩けるようになる感じが、すごくこの作品を表しているように思います。あと、定年退職を迎えたサラリーマンが店に来るという回もすごく心温まるし、素敵だなと思いました。雨宮が最後に「素晴らしいです」と彼を抱きしめるんですが、ああいうところも雨宮だからできてしまうんですね。雨宮のそういう魅力も出てくるので、あのエピソードも印象的です。コワモテの男性がいらっしゃる回もすごく面白かったですし、毎回、新鮮さがあるのが原作の素敵なところだと思います。
──雨宮というキャラクターの魅力はどんなところにあると感じていますか?
町田:“人に寄り添える”ところが素晴らしいと思います。しかも、それが決して押し付けではない。ちょっとした気遣いや気づきから相手の大事な部分に土足で踏み入らないように寄り添っていき、少しだけ良い影響を与えるんですね。そんなところがすごく魅力的だと感じました。ただ、お芝居をする時はその部分をいかに作り上げるかが難しくて、課題の一つでもありました。
──ご自身と似ている部分はお感じになりましたか?
町田:人に丁寧に接し、それによって相手の気分が少し晴れたりするのは、僕自身もすごくいいなと感じましたが、なかなか自分でできることではないですよね。なので、似ているわけではないですが、雨宮のそうした行動にはシンパシーを感じました。
──ちなみに漫画の中で、雨宮はよく「as you like」と言っていますね。
町田:ドラマでは、「as you like」ではなく日本語の「お気に召すまま」というセリフになっています。実際に口にする時は、その言葉が成立するよう雨宮のキャラクター性をきちんと構築しないといけないなと思いました。いきなり「お気に召すまま」と言われたら、相手は「えっ?」となりかねないし、タイミングもすごく重要です。そうした難しさもあるセリフでしたが、言葉自体は「どういう形でもいいので何かご提供させていただきます」という、すごく綺麗な言葉だと思います。
──「三ツ星洋酒堂」のバーとしての魅力はどういう部分に感じましたか?
町田:様々な人が抱えている悩みを吐露できる、素敵な場所だと思いました。あの空間だからこそ、そういう気持ちになれるんじゃないでしょうか。そこにバラバラな個性を持った三人がいるのも面白いですね。その中で、いろいろな価値観や考え方が描かれていくんですが、「それでいいじゃないか」と感じさせてくれるんですよ。その点は“多様性を認める”という、今の時代にもマッチしたものだと思いました。それぞれにいろいろな価値観があるけど、それを無理に世の中に合わせる必要はない。自分の良心に照らし合わせて「そうあるべきだ」と思えれば、それでいいんですよね。そんなことを感じさせてくれる、本当に特別な場所だなと思いました。
──町田さんには、そういった落ち着ける空間や行きつけのお店はありますか?
町田:地元にはありますね。バーではないんですけど、同級生たちで集まって気兼ねなく話せる、お店があります。今はコロナ禍ということもあり、なかなか行くことができませんが、僕にとってはそのお店が特別な場所ですね。
──町田さんご自身が手料理をふるまうとしたら、誰にどんなものをふるまいますか?
町田:実は母の退職祝いの日に、家族みんなにビーフストロガノフを作ったことがあるんです。評判も上々で、その後、エプロンをプレゼントされました(笑)。なので、今後も機会があれば家族に手料理をふるまおうと思います。あと、このドラマではお酒をふるまうシーンがあったので、今度は母にお酒も作ってあげられるといいなと思っています。急にシェイカーを降り出したら、多分びっくりするでしょうが(笑)。
──では、最後に読者の方に向けてメッセージをお願いします。
町田:今回、素敵な原作を実写化させていただける、しかも主人公の雨宮涼一朗を演じさせていただけるということで、僕自身もすごく楽しみにしていました。原作ファンの皆さんにも楽しんでいただけるよう、原作の良さをしっかりと反映させつつ、僕なりの雨宮涼一朗を演じさせていただいています。ドラマもぜひ楽しんでください!
「西荻窪 三ツ星洋酒堂」待望のコミックス第1巻は、3/16発売!!
漫画の試し読みURL:http://arc.akitashoten.co.jp/comics/3boshi/1
ドラマ公式URL:https://www.mbs.jp/3boshi_youshudo/
浅井西先生公式ツイッター:https://twitter.com/asai_sai_
今後の最新コンテンツが気になる方は、ぜひSouffle公式Twitterをフォロー!