「凪のお暇」の世界にひたる2日間。コナリミサトさん初トークショー&原画展に潜入してみた。
『凪のお暇』の作者コナリミサトさんが、去る9月15、16日、人生はじめての原画展、そしてトークショーを開催しました。会場は古民家で、トークショーはなんとお座敷で! 蔵出しトークも満載だったその内容を、ご紹介。
会場となった築60年の古民家の<東京おかっぱちゃんハウス>は、ほのぼのした雰囲気が居心地の良い空間。畳敷きの広いお座敷に、連載時のカラー絵やマンガ原稿などの原画、晩酌をしながらこのイベントのために描きためたラフスケッチ、さらには小学校のときに描いたという絵までズラリ。今回は、そんな中にお客さんが座布団に座ってお話を聞くという、ユニークなスタイルのトークショー。聞き手にマンガ評論家のブルボン小林さんをお招きし、12時からと13時からの2回開催されました。
あっという間に予約の枠が埋まったというこの貴重な機会に参加できたのは、それぞれ30名、合計60名のラッキーなファン。みなさんが着席しワクワク感が満ちたお座敷に、コナリさんとブルボンさんが登場! 冒頭立ち上がって絵の前に移動し、原画の解説を。鉛筆で描いたネーム(下書き)を見ながら、「実はネームのときのほうが、仕上げの原稿よりも表情がいいときがあるんですよ」(コナリさん)と苦笑いする場面も。特に盛り上がったのが、コナリさんが描く“瞳”の話。ブルボンさんが、「少女マンガの“目の中光を描”という描法は、潤んだ瞳の光加減を説明する発明だ」と語ると、「私は前作まで女の子の目はタテ線2本のみを使って描いていたんですが、この作品から瞳に光を入れるようになったんです。目の線を3本にして、真ん中の線の上に丸を入れたら、目に明かりが灯って、すごくかわいくなった。以来ときめき感を増量したいときは、丸を増やします」と、表情づくりの秘密を公開。
また、この作品は、凪のリセット&成長物語でありつつも、恋愛ラブコメ要素も強く、「みんなそこにやきもきしながら楽しんでいる」(ブルボンさん)という話になると、「三角関係大好きなんです! 男の子が2人いて、女子が真ん中、あるいは女子が2人いて男子が真ん中っていう構図、悪い気がしないじゃないですか(笑)」(コナリさん)と、“三角関係フェチ”を告白。また、鉛筆描きのラフのとき、顔には十字を描くこと(ブルボンさんに「やっぱり入れるんだ!」と突っ込まれてました)、作業のどこまでがアナログでどこからがデジタルなのか、また『Netflix』の『バチェラー』を見ながら描くと作業が進む…などなど、制限時間ギリギリまで裏話を披露してくれました。
トークショー終了後は、みなさんカフェに移動し“チョコミントハイボール”など作品に登場したドリンクを味わったり、毛糸玉(凪ちゃんが、お隣のうららちゃんに作ってあげたアレです!)を作るコーナーを楽しんだり…と、<凪の世界>を満喫していました。
終了後、コナリさんに感想を伺うと、「楽しかったです〜!! 始まる前は、30分も保たないよ…と思っていましたが、ブルボンさんの素晴らしいリードもあって、あっという間に過ぎていきました。一番の感想は、“私のマンガを読んでくれている人は、かわいい…♡”です(笑)。普段あまり、友達やマンガ家仲間には、創作に関することは照れもあって話さないんですが、今日来てくださった皆さんは、すごく熱心に聞いてくださったので、つい盛り上がってしまって…。あと嬉しかったのは、ファンの方々が楽しそうに毛糸玉を作ってくれたこと(笑)。見知らぬ方同士が会話を交わしているのを見て、ちょっと胸が熱くなりました」とのこと。ブルボンさんも、「こんなにあったかい雰囲気の原画展&トークショーは、なかなかないですよ」とにっこり。さらに「30分じゃもったいない、次はぜひ一晩トークで! もっと生で絵を描くのを見せて欲しい」というコメントをいただきました。第2回開催、熱望です!
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