「酔うと化け物になる父がつらい」松本穂香×渋川清彦対談ー | Souffle(スーフル)
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トピックス 2020.02.29

【特集】

「酔うと化け物になる父がつらい」松本穂香・渋川清彦 スペシャルインタビュー

3月6日全国ロードショーの、映画「酔うと化け物になる父がつらい」。主演の松本穂香・渋川清彦のスペシャル対談 !!

──まずは共演してのお互いの印象を教えてください。

松本穂香(以下、松本)「現場では特にお話をしてなくて、沖縄国際映画祭の時にやっとお話させていただいたくらいなんです。なので、現場では本当にサキとして、お父さんとしての姿しか観ていなかったような気がします。映画を通して見てみると、お父さんは怖いというよりも、傍から見たら面白いという感覚。だけど、サキ本人にとってはそれが辛い。そこが観ている方には泣けてくるのかもしれません」

酔うと化け物になる父がつらい

渋川清彦(以下、渋川)「なかなか話さなかったですね。彼女もしゃべらないし、俺もそんなにしゃべらない。たぶん、それぞれが思って、それぞれが演じていたように思います。松本さんの印象は、現場での佇まいがすごくよかったです」

酔うと化け物になる父がつらい

──松本さんは演じるにあたり、原作の菊池先生のことは意識しましたか。

松本「原作は読ませていただいたんですけど。先生に似せようとか、まねしていこうという考えはありませんでした。特に今回は名前も違うので、そこは別の人として、意識せずにやらせてもらいました。劇中では10年、飛んで描かれたりするので、毎日、このお父さんが家に帰ってきて、サキは何も言えなくて……と繰り返されていった時、二人はどうなるんだろう。お父さんが自分にどう影響していくんだろうという風に考えました」

──清川さんのお父さん役というのは珍しいですね。

清川「片桐(健滋)監督は以前からよく知っているので、どんな役でもオファーされたら『おう、やるよ』って感覚なんです。自分にも子供がいて、まだ4歳で小さいんですけど、いないよりはいた方がなんとなく親の気持ちはわかると思いますし、子供の接し方もちょっと変わってきたのかなとは思っています」

酔うと化け物になる父がつらい

──原作はどのように意識しましたか。

渋川「原作は撮影に入る直前に買って、読みました。撮影中は先生が書いた絵をなんとなく思い描いていました。わかりやすく言うと、お父さんの酔った時の倒れ方とか。監督が『どういう風にします? どういう格好にします?』と聞いてくれるので、“漫画ではこんな風に書かれたなぁ”と思い出してやってみました」

松本「原作は大切にしましたが、基本的には台本をベースにしていました。ただ、サキがどんどん自分の気持ちに蓋をしていく気持ちの変化は先生の体験ですから、当事者の声なので、そこは参考にさせてもらっています」

酔うと化け物になる父がつらい

──サキとトシフミに対して、「家族なんだから、話せばいいのに」と残念な気持ちになったりしませんでしたか。

松本 「サキもお父さんに『お酒をやめて』って何度も言ってるんですが、聞き入れてもらえないまま、すごく長い時間が流れているんですよね。自分を受け入れてもらえず、次第に自分のことを見てもらえていないんだ、愛されていないんだとどんどん心を閉ざしていく。話したい気持ちはどこかにあるとは思うんですけど、長い時間を通じて、なんかもう諦めに入ってしまったんじゃないかな。ちゃんと話し合わなきゃとか、頭ではわかっていると思うんですけど、それがまた受け入れられなかった時に傷つくのが怖い。それを多分、何回も繰り返してきたんじゃないかなと思います」

渋川 「俺の中での勝手な想像だけど、お父さんはすごくシャイで本当は優しいんだけど、うまく言葉にできない人なのかなと思ったりしたんです。うちの親父もすごく無口なんですよ。それに俺も似たのかな。だから、少しだけ気持ちはわかるんです。少しだけですけど」

酔うと化け物になる父がつらい

──サキとトシフミの魚の食べ方など、「親子だな」とはっとする場面がありますが、二人は自分の親と「親子だな」と実感する時はありますか。

渋川 「あんまり、ないかなぁ。お酒を飲んだらすぐ顔に出るところですかね。ただ、うちの親父は一杯でもう飲めなくなるんですけど、俺は上京してから飲む機会が増えたし、自ら飲むようにもなって、そのうち、顔には出るけど飲めるようになりました。そこは克服じゃないけど、親父を超えたかもしれません(笑)」

松本 「お酒でいったら、私は両親ともすごく強くて、私も『強いね』と言われるので、受け継いでるのかなと思います」

渋川 「印象に残ってるのがおふくろによく言われた『お兄ちゃんだから我慢しなさい』って言葉。そのせいで、弟より、俺の方がいろいろ我慢してるんじゃないかと思うんです。うちの子供にはまだ兄弟がいないから言わないけど、そんな風に交換条件みたいに言うのはよくないんじゃないかなと最近、思うようになりました。そうは言っても、『ごはん、食べないなら、遊びに連れて行かないよ』とか、つい言ってしまうんですよね(苦笑)。叱るって難しい。自分の感情で怒っちゃうから」

酔うと化け物になる父がつらい

──最後にお二人にとって、印象的だった場面を教えてください。

松本 「父が勝手に保険を解約したり、借金をしたのを知って、妹とオセロをやっている父に怒鳴っていく場面ですかね。日頃、抱えていた思いをぶちまけるんですが、お父さんはそれに対して、抵抗するどころか、否定も何もしない。すごく切ないシーンだと思いました」

渋川 「“そんな演出する?”って思ったのは、飲み屋で俺がひっくり返ってる場面ですね。足が変な形で上を向いているんですが、“それ、やるんだ!”って思いましたね。さすが片桐監督です。菊地先生と片桐監督は何か相性がいい気がするんですよ。原作で主人公はすごく重い出来事もライトに受け止めて、前に進んでる。片桐監督の作風もそう。前作の『ルームロンダリング』で俺は重い理由で自殺して幽霊になった役だったんですが、そういうエピソードをじめっとではなく、意外とポっプに描く。今回の作品もそうなっています」

松本 「お母さんの死だったり、結構、重たい内容も漫画ではかわいらしいタッチで描かれているのですが、同じ空気感を映画でも感じていただけると思います」

酔うと化け物になる父がつらい

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