トピックス 2025.12.22

コナリミサト先生、北海道で初のトークショー！「凪のお暇」の北海道編トークや裏話が満載

累計580万部を超える大ヒット作『凪のお暇』が、2025年6月発売の第12巻で完結。作者のコナリミサト先生と初代担当編集者・Sさんによるトークショーが11月3日、札幌で開催されました。親族が北海道にいるコナリ先生は、函館や洞爺湖を巡って札幌へ。クラシカルな赤レンガ庁舎の会場に「素敵すぎてワクワクしました。北海道編は暗めの描写が続いたけれど、道民の皆さんは朗らかで…今日は楽しみたいです！」と笑顔。Sさんも「物語後半の舞台が北海道なので、心待ちにしていた方が多いはず」と語りました。

慎二は高所恐怖症？！未公開の設定に会場が沸く

約80名が集まったトークショーは、連載当時の北海道取材のスライドからスタート。恵庭のトウモロコシ畑や藻岩山の幸せの鐘が映し出される中、ススキノの観覧車の写真で“慎二の裏設定”が明らかに。

「慎二は高いところが苦手。凪とのデートで乗った観覧車では毅然としていたけれど、足はガクガク。凪にはしっかりバレていた……という展開も考えていました」とコナリ先生が語ると、会場は大いに沸きました。

全12巻のうち、6巻以降の舞台となったのがコナリ先生自身も縁のある北海道。「北海道編はキャラたちが煮詰まるターンだったので、邪悪になり過ぎないように気をつけました」と振り返り、米袋ソリや雪でお酒を冷やすなど、北海道ならではのライフハックを散りばめることで、物語の重さを緩和したと語ってくれました。また、凪を追って北海道までやってきた慎二とゴンの描写については、「この作品は社会派マンガとして語ってもらうことも多いのですが、北海道での再会シーンは楽しんでラブコメを描きました」と笑顔。

凪の母・夕が東京へ向かう“お暇”のシーンが、第1巻の凪とシンクロしている点にについてSさんは「ネームを読んだ時に号泣した」と回顧。コナリ先生も「一番最初の読者である担当編集者さんの反応は励みになる」と応じ、両者の信頼関係が伝わる場面となりました。

慎二派？ゴン派？予想外の展開に

ファンの間では定番の質問「慎二派？ゴン派？」の会場アンケートは、なんと五分五分の結果に。本来は票の多いキャラと凪のツーショットを描く予定でしたが、慎二とゴンに挟まれた３ショットに変更。「後半のゴンは瞳の中に光を入れているんですよ」との裏話に、会場のゴン派が大きく反応しました。

事前に受け付けていた質問コーナーでは、「凪は白い恋人が大好きで、部屋には空き缶がたくさんある」や、慎二はザンギ、ゴンは数の子が好き、とキャラクターの北海道名物の好物も紹介。「親友になりたいキャラは？」の問いには、「一緒にいて楽しそうだからエリィ。ゴンは好きになっちゃいそう（笑）」と答え、笑いを誘いました。さらに「描いてよかったシーンは？」との質問には、「最終回で“なりたい自分になれた凪”を描けたこと」と即答。「長くなるほどキャラの人生に責任を持つ感覚が強くなった。描き切れたことに救われました」と語りました。

デビュー前夜の知られざるエピソード。サイン会も大盛況！

トークショー後半は「凪のようにフリーター時代がありましたか？」の質問をきっかけに、漫画家デビュー前のアルバイト時代のエピソードへ。

漫画賞の応募締め切りが迫っていたある日、バイトに行けば応募を断念せざるを得ない状況の中、「これは描いた方がいい！」とバイト先に向かうバスを降り、その決断が受賞につながったというドラマチックな話に、Sさんも「初めて聞いた！」と驚き、会場からも感嘆の声が上がりました。

トークショー後のサイン会でもファンとの交流を楽しんだコナリ先生。終了後、Sさんは「凪の足跡を辿るようなイベントで、終始楽しかったです。読者の皆さんの感想を直接聞けて、にこにこの笑顔を見られて、とても素敵な時間でした」とコメント。コナリ先生も「凪の出身地である北海道にある、はちゃめちゃクラシカルで素敵な建物で、Sさんとのびのび話せて嬉しかったです。併設の白い恋人ショップのコインガチャで、なぜか緑色のハートのグミが出たのもおもろかったです」と笑顔。

『凪のお暇』の世界と、キャラクターたちへの深い愛情に満ちた、温かく濃密な時間となりました。