『ムーちゃん通信』赤沼美里 発達障害と自閉症がもっと身近になるコラム!
ムーちゃん通信#28 「特別支援学校と特別支援学級ってどんな風に違うの?」
最新話更新! 支援学校と支援学級の違いを詳しく解説します。
特別支援学校では、生活上の自立が目的
特別支援学校の授業の大きな特徴は、「自立活動」があることです。障害があると生活や学習のいろいろな場面で困りごとが出てきてしまいますよね。自立活動では困りごとを減らして暮らしやすくするために、その子にとって必要なことを学びます。自立活動は特別支援教育の重要な位置を占めており、特別支援学校で行われる教育のすべては自立活動と関連づけて行わなければなりません。さっそく、特別支援学校の小学部の一日をみてみましょう。
特別支援学校の1日(例)
朝の会 |
活動着へ着替える、手洗い、トイレ、一日の予定を把握する |
朝の運動 |
|
個別の課題学習 |
リボン結び、字を書く練習、時計の学習など、その子に合わせた課題に取り組む |
給食 |
自分で食べる練習、配膳、お箸の練習、エプロンの脱ぎ着、食前食後のあいさつなどの練習をする |
生活単元学習(手洗い) |
手洗いができるようになるための練習をする |
帰りの会 |
登下校服に着替える、トイレ、帰りの準備、下校方法の確認をする(バス・デイサービスお迎え・保護者お迎えなど) |
(知的障害のクラス)
※このほか図工や音楽の教科学習、買い物や公園まで歩いて遊びに行くなどの校外学習も行われています。
<参考:毎日の持ち物>着替え袋(ズボン、トレーナー、ハンカチ)・給食袋(エプロン、お手拭き、お箸)・ループタオル・歯ブラシ・連絡帳・スモック(図工用)・カッパ(校外学習用)・オムツなど
特別支援学級は学習+自立活動
特別支援級は特別支援学校の指導要領を参考にして、カリキュラムが組まれます。
・自立活動を取り入れる
・各教科の目標と内容を下の学年のものに替える
・知的障害のある子は、特別支援学校の各教科に替える
特別支援学校では「生活上の自立」を目指しているのに対し、特別支援学級では「子どもに合わせた学習」を目指しているのが大きな違いです。
特別支援学級の1日
朝の会 |
準備、トイレに行く、手洗い、一日の予定を把握する |
国語 |
在籍する学年より下の学年の内容と目標に替える |
算数 |
|
体育(交流学級) |
通常の学級(交流学級)で、障害のない子とともに学習する |
給食(交流学級の場合もある) |
エプロンを身に着ける、机を拭く、配膳、手洗い、食前食後のあいさつなどの練習をする |
生活単元学習(畑で野菜を育てよう) |
栽培、収穫祭の計画や準備をする |
帰りの会 |
トイレ、帰りの準備、下校方法の確認をする(バス・デイサービスお迎え・保護者お迎えなど) |
(知的障害のある子の時間割)
※図工や音楽、総合学習なども交流学級で過ごすことが多いようです。
■特別支援学校・学級ともに使用される教科書は、子どもの発達や理解に合わせて以下の3つから選ばれます。
1.文部科学省が検定した検定教科書(通常の学級で使用される教科書)
2.文部科学省著作教科書
3.絵本などの一般図書
ムーちゃんからひとこと
特別支援学校は、通常の学級とは授業内容や持ち物がかなり違うんだね。もちろんランドセルで通ってもOKなんだよ。本人やママやパパが「いいな♪」と思うものが一番だと思うんだ。ランドセルでもリュックでも、みんなが笑顔で学校に通えますように!!!
【参考サイト】
愛知県教育センター『特別支援学校(知的障害)の時間割例』
https://apec.aichi-c.ed.jp/soudan/hiroba/shiengaku/2018/id/idcul-25.html
島根県教育センター教育相談スタッフ特別支援教育セクション『特別支援学級の教育課程について悩んでいませんか?Q&A ver.1』
https://www.pref.shimane.lg.jp/matsue_ec/index.data/kyouikukateiver1.pdf
(すべて2022/02/07参照)
次回は11月11日更新です。
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