『「もえこと畑とお寺ごはん」がもっと楽しく! 萌飯コラム』青江覚峰 料理僧として活躍する緑泉寺住職の美味しいコラム!
4話 「厚揚げと夏野菜のみぞれ煮」と味の計算式

「食べる」ということは「味わう」こと。料理の知恵というものは、おいしさと、栄養の工夫があることを教えてくれます。
「もえこと畑とお寺ごはん」4話作中で作った「厚揚げと夏野菜のみぞれ煮」ですが、さっと作れて美味しいおすすめレシピです。
入れるものは、夏野菜であれば何でもかまいません。大切なのは、「野菜×油×酸っぱしょっぱい」という掛け算です。
油の部分は厚揚げがあるから十分じゃないか、と思う方もいらっしゃるかもしれません。あえて野菜を素揚げしているのには理由があります。それは、精進料理の特徴に由来するものです。
皆さんご存じのとおり、精進料理では肉や魚を使いません。そうすると、タンパク質と同時に油・脂が不足しがちになります。
現代の一般的な食卓では、肉や魚を取り入れるのはもちろんのこと、調理法や味つけの面でも、脂ののったコクのあるものが好まれる傾向にあります。それに慣れている人が精進料理を食べると、どうしても物足りなさを感じてしまいがちです。
それを補うために、あえて野菜を素揚げにして味に奥行きを加えているわけです。さらに、そこに大根おろしとすだちが合わさることで、油のコクを足しつつ重たさを打ち消して、さっぱりと召し上がっていただくことができます。
そういったところを意識してみると、野菜中心であっさりしていると思われがちな精進料理には、意外と脂っこいものも多いことに気づきます。
例えば、精進料理といって多くの方が連想される「ごま豆腐」と「精進揚げ」。ごま豆腐の素材はごまですから、たっぷりと油分が含まれていますし、精進揚げは天ぷらですから、こちらもしっかりと油がとれる料理です。

「ごま豆腐」

「精進揚げ」
もちろん、青菜のお浸しのように、油分のないさっぱりとした料理も多くあります。それでも一回の食事の中では、揚げ物などでしっかりと油を摂取できるように調整されている場合がほとんどです。
今回の料理も、野菜にあえて油を加えてコクを足しつつ、重たさを消すために大根おろしや柑橘を添えるという工夫をしてみました。
レシピを作るときには、こんなふうに頭の中で「味の計算式」を組み立てながら考えています。
第4話作中で穂高くんの作っていた厚揚げと夏野菜のみぞれ煮のレシピを紹介!
【作り方(2人分)】
茄子 1本
絹厚揚げ 1/2枚
ししとう 4本(以前使ったピーマンでも可)
すりおろした大根 100g
すだちの搾り汁 大さじ1/2
サラダ油 揚げ油・適量
A
みりん 大さじ2
酒 大さじ2
醤油 大さじ1.5
1 茄子を乱切りに切り、塩水(分量外)に5分程浸しておく。ししとうは半分に切り、大葉は千切りにする。
2 鍋に揚げ油を入れ、170度に熱し、水気を切った茄子とししとうを入れ、2分素揚げする。
3 別の鍋にAを入れ、中火にかける。沸騰したら一口大に切った厚揚げと2を入れ、一煮立ちさせる。その後大根おろしをいれ、落し蓋をして弱火で3分程煮る。
4 火を止めて、そのまま冷まし、すだちを入れる。粗熱が取れたら盛り付ける。

「厚揚げと夏野菜のみぞれ煮」
次回は2月26日公開です。
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