『セックスレス沼から抜け出したい』 〜「レス婚」に見る実録奮闘記〜
セックスするのに理由が必要になる
セックスレスになると、セックスの話題以外でも話せないことが増えていく……という話を前回しました。さて、なんでそうなるかというと、セックスを拒否されることで、自分自身まで否定されているようで、死ぬほど傷つくから。そもそも、セックス以外でも、就活で不採用の「お祈りメール」を連続してもらっただけで「私って、いらない人間?」と落ち込むわけです。拒否されるって大きなダメージですよね。
相手の性欲スイッチを探る日々
そんなわけで、いきなり「しようよ」と持ちかけて断られると立ち直れない。もちろん「なんでしないの?」なんてハッキリ聞けない。だから、相手はどうしたら「したくなる」のかをひたすら考え、セックスレス解消のために、誰もがそろーりそろーりと様子をうかがうのではないでしょうか。
『レス婚』のみどりさんの場合は、セックスに興味がない夫の田中さんの性の扉を開こうとします。好みの下着を聞いて、着てみたり、自分がこんなHをしてほしいと思っている……という「スローセックスの本」を買って、相手に渡したりもします。それでも、相手は特にセックスに誘ってくる様子がない……。
そんなにほしくなかったはずなのに……妊活?
この遠回しな方法がきかなかったらどうするか……。ということで浮上するのが「子づくりとしてのセックス」と理由をつけることです。これも、「曜日を決めた習慣化セックス」と同じくらい、よくあるレス解消方法のひとつな気がします。
これなら「子供を作る」という理由があるので「セックスしたい」と言うよりも、相手にも言い出しやすいし、夫婦であれば断られにくい。月に1度の排卵日には、とりあえずセックスすることが確約されるわけです(ちなみに、男性によっては、この「妊活セックス」が原因でレスになる人もいるというのはよく聞きます)。
『レス婚』のみどりさんも、そこまで子供が欲しかったわけではありませんが、年齢的なリミットもあって、子づくりに取り組むことにします。しかし、その子づくりのためのセックスは以前にもまして、作業的なもの。虚しい……。
「性欲のためじゃなくて、子づくりのためにセックスしたいだけ」
「子づくりのための作業だから、ムードがなくても仕方ない」
たくさんの理由をつけて、自分の中にあるセックスへの不満を抑え込みます。
みどりさんはお互いの年齢が30代後半ということもあり、精子チェックなどの検査を受けようとするも、協力的ではない田中さん。そして飛び出した「自然でいいじゃないですか」という言葉に疑問を抱きます。そもそも自然にセックスすることがないから、計画的に子づくりをしているのに……?
セックスの一番の意味は子づくりですが、子供を産み、育てるにはお互いの努力となによりも「愛」が必要なわけで、心の距離がある中では難しい。結局「セックスのために子づくりする」では、セックスも満たされないばかりか、子育てへの不安も感じることになり、またも傷つくことになるのです……。
次回は11月6日更新です。
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