『セックスレス沼から抜け出したい』 〜「レス婚」に見る実録奮闘記〜
セックスレスになると言いたいことも言えなくなる
コラム:御花畑マリコ 漫画:武蔵野みどり
いきなりですけど、セックスってただ単純に子孫繁栄とか、快楽追求以上の効果がありますよね。セックスする前と、1度セックスした後では、ふたりの互いの間に流れる空気感が全然ちがう。裸を見せ合って、肌に触れ合うことで、お互いかなり気を許せるようになる気がするんですよね。不思議と普段の会話も、前よりも突っ込んだ内容になるし。
回数決めてやればいいのか?
レスに悩む側からすれば「ただ挿れて出すだけ」じゃなく、求められる喜びとか、セックスにコミュニケーションの要素を求めているからこそ、問題解決が難しいように思います。
たとえば、よくある折衷案的な解決方法が「曜日やタイミングを決めてセックスする」だと思うのですが、そんなゴミの日みたいにシステムを決めてもね……。逆に他の日にしたくなっても「今日はする日じゃないでしょ」なんて、おやつを欲しがって叱られた犬みたいな気分になったりして。コレジャナイ感がハンパない。
『レス婚』でも、みどりさんの「セックスが何より大事」という発言を受けて、土曜の昼、週に1度の掃除タイムのあとにセックスすることが決まります。そりゃしないよりするほうがいいに決まってるけど、夫の田中さんの超淡白なセックスは相変わらず。
さらに、みどりさんは「田中さんの過去のセックスのトラウマを解消すればきっとセックスが好きになるはず!」と思いつき、多少アブノーマルなプレイにも応じます。このどうにかしたい感じ、分かる……。
しかし、愛あるセックスには程遠く……ついに本格的なレスになるきっかけがやってきてしまうのです。たった1度で、みどりさんのこれまでの努力が無になるなんて。これがきっかけになるとか、そんなのその場ではわからないし……。うーん、レスを解消したい側って、耐えに耐えて耐え続けなきゃいけないんでしょうかね?
セックスの話題がタブーになり、話せないことが増えていく
裸になってベッドでくっついて寝たり、肌に触れ合うことで、気持ちがほぐれて話せることも出てくる……と冒頭で話しましたが、逆にレスになると、そういう時間が持ちづらくなります。
まず、セックスに関する話題は普段からお互い避けるようになりますよね。もしセックス以外のことが上手くいってたなら、なおのこと避けると思います。だって、この話をして、気まずくなるのも嫌だし、相手から「またその話? そういうことしか考えてないの?」と軽蔑されて傷つくのも怖いから。
そして、次第にセックス以外のことも聞きづらくなります。みどりさんも一緒に暮らしているのに、知らないことが多い……と気づき、意を決して田中さんの寝室に向かうのですが、寝室にはカギがかかっていたのです。
この寝室に隠されたヒミツはどうも、セックスに意欲的ではないことにも関係ありそうですが、とにかく絶対に聞いてくれるなオーラを出されてしまいます。
これも、裸であられもない姿をさらけ出すセックスというコミュニケーションがあれば、もっと相手に踏み込めるし「実は……」と話せる気もするのですが。こういうやり取りを見るにつけ、なんだかやっぱり、心と体はつながっている……と思うんですよね。お互いに話せないことが増えていけば、関係もギクシャクしていき、心も離れていってしまいます。
次回は10月30日更新です
今後の最新コンテンツが気になる方は、ぜひSouffle公式Twitterをフォロー!