【酒と恋には酔って然るべき】ボイスコミック主演・斉藤壮馬さん×青山吉能さん対談インタビュー!!
はるこ先生の『酒と恋には酔って然るべき』10巻発売を記念したボイスコミックで、松子を演じた青山吉能さんと、今泉を演じた斉藤壮馬さん。以前から本作ファンだと公言してくれていた斉藤さんと、出演をきっかけに読んですっかりハマってくれた青山さんに、アフレコ直後に対談していただきました! プライベートでも日本酒を愛するお二人による、読んでいるだけで気持ちよくほろ酔いできそうなトークです。
取材・文/篠崎美緒
──ボイスドラマのアフレコが終わりましたが、感想を伺えますか。
斉藤:まだ2巻くらいまでしか出てなかった時期にWebの広告でたまたま拝見したことが、『酒と恋には酔って然るべき』との出会いでした。絵柄が素敵だったし、日本酒を題材にしていることに惹かれて読み始め、折に触れて「好きな作品です」と言い続けてきました。「やはり言霊はあるんだな」と感じるというか、好きと言い続けたらこういうご縁もあるんだと実感しながらアフレコをさせていただき、とても幸せな気持ちです。
青山:私は、本作との出会いはオファーをいただいたことなのですが、原作を読む手が本当に止まらなくなりました。「大好きな日本酒にまつわるラブコメなんて最高じゃないか」と思いつつ、最初は松子を演じることを肝に銘じながら読んでいたんですけど、途中からただの読者になっていました(笑)。途中で「はっ、私は松子を演じるんだ」と思い出し、また読み直すという作業がすごく楽しくて。収録も楽しくやらせていただきました。
──お二人が演じたのは、今泉が松子にプロポーズする場面でした。
青山:まさかあんなに美味しいシーンを味わわせていただけるとは、という感じです(笑)。
──スタッフさんからのディレクションで、印象的だったことは?
斉藤:今泉くんは表情の変化が非常に細やかというか、「もしかしてそうなのかな?」と想像を掻き立てられてしまう絶妙なニュアンスの表情を浮かべる人です。「その塩梅を音として、どの程度表現できるかな」と思っていました。特に今泉が車の中で松子にキスをして「オレのこと、好きでしょ?」と言うシーンは、声のトーンを細かく調整していただきました。「もう少し抑えた表現でいいのかな」と考えていたんですけど、彼の小悪魔感というか(笑)、人を翻弄してしまう感じがほんの少しだけ出ても大丈夫とのことで、数ミリレベルで調整するかのようなディレクションをいただけたことが印象的です。
青山:松子は今泉とは対照的にかなり表情が豊かなんですけど、豊かにしすぎるとどうしても幼くなってしまう部分があるんです。“あくまで30代の女性が年下に翻弄されていく様”をどうやったら描けるんだろうな、と思いながら演じていました。プロポーズという一世一代の大イベントを受けた経験がまだないので、「どんな気持ちなんだろう」と自分の中で模索して。ディレクションしていただいたことで、喜びだけじゃないというか、これまでの複雑な経緯や感情の動きがあった上での「……はい ……します」なんだろうなと新たな気持ちに気づけて、すごく印象に残っています。
──人間模様に加えてお酒とグルメも満載な『酒と恋には酔って然るべき』ですが、お二人が感じる作品の魅力は?
斉藤:はるこ先生の描くキャラクターたちが、すごく好きです。どのキャラクターにもすごくユーモアがあって、やり取りがテンポよく描かれているので、ぜひお酒を飲みながら読んでもらいたいんですよね。自分も飲みながら読むことが多いですし、心をギュッとわしづかみにされます。
青山:悪い人がいないところが、魅力的です。ラブコメだと共通の敵……「みんなでこの人を嫌いになろう」というポジションのライバルが出てきがちなんですけど、この作品には1人も悪い人がいなくて、全員をちゃんと愛せるんですよね。ちゃんと全員に共感できるところが、すごくハートフル。さらに日本酒の教科書としても読めるところが、いろんな側面があって素敵だと思いました。
──演じた今泉と松子の魅力は、どんなところに感じていますか?
斉藤:今泉はちょうどいい年下感というか、清廉潔白な王子様キャラクターでは決してないところが心をくすぐられると思いますね。不思議なもので、最初は誰かの視点で読んではいなかったんですけど、今泉が松子の気持ちをずらしてくるときは松子の視点になってしまうくらい、心を掻き乱されるんです。本当は何を考えているのか知りたくなってしまうつかみどころのなさと、たまに酔ったら人懐っこくなるギャップが魅力的だと思います。
青山:松子は人間としてできすぎているというか、本当に人がいい。人のことをちゃんと思いやれるし、失敗も反省できるし、それを他人にアピールしすぎることもしないし、料理もできる。人間力があって素敵だな、と思いますね。
──斉藤さんが思う松子の魅力、青山さんが思う今泉の魅力は?
斉藤:青山さんもおっしゃっていましたけど、松子はまず人がいい。物語の序盤で新政No.6を飲んでツーっと涙をこぼしていましたが、そういう人が大好きなんです。一緒にお酒を飲みたくなるし働きたくもなる、いるだけでその場を温かい雰囲気にしてくれる朗らかな人ですよね。
青山:今泉は……、一見人との距離をすごく保っていそうな人が、「さみしいなら泊まっていきましょうか?」とかキュン台詞を狙わずに言えてしまうところが魅力でもあり、罪深い点でもあり(笑)。そういうところの出し引きが上手で、うらやましいですね。基本的には登場人物全員に「うらやましいな」と思ってばかりですけど(笑)、そのくらいみんないい人だと思います。
──前回、斉藤さんに『酒恋』に関してインタビューした際、
(1)主人公のお酒大好き・のほほん系の松子
(2)松子の友人で頼れる白石
(3)今泉の元恋人で自分を持っている美森
(4)伊達の同僚でサバサバ系女子の最上
で誰が一番好きかを聞いたところ、白石とのことでした。10巻まで読み進めて、その後変わりましたか?
斉藤:変わらないですね。基本的に、最上さん以外なら(笑)。
青山:そんな!(笑)
斉藤:白石さんのクールビューティーなところが好きだし、松子の魅力は先ほど言ったとおり。美森さんはクレバーで計算ができる人なので、そういう人と仕事や生活をともにするのは非常に助かるな、と。最上さんは人としては魅力的ですけど、恋愛の相手としてというよりは、気の置けない友人として付き合っていきたいですね。
──青山さんがもし『酒恋』男子から選ぶとしたら、
(1)生意気だけど憎めない系男子の今泉
(2)日本酒マニアで気遣いができる元カレの伊達
(3)女性遍歴に問題あり、口説き上手な名取
(4)白石に片思いしていたけど大崎と結婚する、ウブな新庄
の中で誰ですか?
斉藤:メンズは全員、なかなか個性的ですよね(笑)。
青山:伊達さんは「悪い奴になれ」と思いながら読んでいたんですけど、最後まで志がまっすぐないい人で、「最上と何かあれ」と思っていたのに何もない。憎みたかったんですけど……、愛憎は同じ世界にあると私は思っていて。憎めば憎むほど好きになってしまうという観点では、伊達さんですかね。でも……名取もいい!(笑)ああいう人が同期でいてくれたら、助かると思います。ああ、でもやっぱり伊達さんかもしれない。日本酒バー店長の奥さんの席を狙って、頑張っていきたいと思います(笑)。
──お二人は実際に日本酒がお好きだそうですが、好きな系統は?
斉藤:どういう系統でも好きなんですけど、県でいうと新潟のお酒が好きですね。「どんなタイプが好きですか?」と聞かれた時は、「久保田の萬寿みたいな感じが好きです」と答えています。久保田の萬寿と出会ったのは10年ぐらい前かな、たまたま祝ってもらえる機会があって、友人が「お祝いにお寿司を食べに行こう」と誘ってくれたんです。そこに通うようになり、お店の方に教えてもらいました。今でもよく行くお店なんですけど、それこそ10巻の表紙になった開運も初めて飲ませてもらいましたし、いろいろ教えてもらっています。
青山:もっぱら日本酒しか飲まないので、今から日本酒の話をするんだと思うと緊張します(笑)。私も何でも好きなんですけど、人と飲むときは飲みやすくてフルーティーなものをいただくことが多いですね。ずっと好きで買っているお酒は、山形の楯野川。居酒屋さんに『楯野川飲み比べ3種セット』があり、頼んでみたら「おいしすぎ!」となって、そこからハマりました。
──好きなおつまみは?
斉藤:塩ですね。特に魚のカマ焼きのヒレや尻尾についている、飾り塩。
青山:カマ焼きを最後の最後まで食べ尽くすんですか?
斉藤:むしろ身は少しだけいただいて、残りは友達に「どうぞ」と勧めます。そのあとはお塩だけで飲むのが幸せです。
青山:私はあん肝、白子、ホタルイカ。この三つがあれば、もう満足です。白子は季節的に最近見なくなっちゃったので、「早く夏が終わってくれないかな」と思います(笑)。
──本作に出てきて飲んでみたいと思ったり、思い入れのあるお酒は?
斉藤:それこそ僕、カップ酒をあんまり飲んだことがなくて。カップ酒でこんなに楽しめるということを、この作品で教えてもらった気がします。お燗のつけ方もそうですが、レンジで熱燗を作る方法を本作で知り、試しました。巻末にもいろんな知識を書いてくれているので、『酒恋』と出会ってカップ酒の印象が変わりましたね。
青山:松子たちが大事にしているお酒を、自分も大事にするようになって。先日、お店に十四代の本丸があった時は、「うー、飲むべきか飲まざるべきか」と葛藤しました(笑)。結局いただいたんですけど、美味しさがやっぱり変わるというか。この作品と出会ったことによって、知識の面でもそうですし、いろんな人の中にお酒の思い出があるんだなと感じました。
──最後に、『酒と恋には酔って然るべき』ファンへメッセージを!
斉藤:折に触れて「『酒と恋には酔って然るべき』が好きです」と言ってきた結果、ご縁がつながって素晴らしい機会をいただけて、役者としても読者としてもうれしいです。自分も人生において、重要な局面に日本酒が隣にいてくれることが多くて。大学卒業の際に後輩たちが上善如水をくれたり、大学時代に和歌山の祖父のもとへ一人で遊びに行き、祖父が大好きな黒牛というお酒を二人で飲み交わしたり。自分にとって日本酒は特別なもの、かつ身近に寄り添ってくれるものでもあるんです。好きなものが全て詰まっているこの作品に役者として関わることができて、とても幸せです。物語が今後どうなっていくのか、僕自身も楽しみなので、ぜひ本編と併せてお楽しみいただければ幸いです。
青山:私にとって日常になくてはならない存在の日本酒と、自分の仕事であるお芝居という、好きと好きがつながる瞬間に立ち会っていると思うと不思議な気持ちです。作中でも描写がありますが、「日本酒ってツウの人しか飲んじゃいけないんじゃないか」「刺身としか合わせちゃダメなのでは」など、日本酒の周りにはいろんな考えがあります。『酒と恋には酔って然るべき』はそういう考えを変えるきっかけになると思いますし、「日本酒のことをもっと好きになっていただけたらうれしいな」と、一読者ながら考えております。これからも「WE LOVE 日本酒」! 頑張っていきましょう!
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