ハードコア犬占い【9月1日～9月15日の運勢は？】

イラスト：うかうか

おひつじ座

遠くのものにひっぱられてみろ。今すぐどうこうってわけではなく、ここでそうだというわけでもない、何らかの事情や予感や出来事が、おまえの手足にダンスのような雰囲気を付け加える。わざと遠回りして家に帰る時、いつもと違うコンビニに寄る時、すぐに返事をしないで言葉を選びながら見つめ返す時、嬉しいことを敢えて触れずに目を逸らす時、おまえはミツバチみたいにダンスを踊っている。なんなら重力は地球の中心がおまえをひっぱっていて、地球はめっちゃでかいから、おまえは遠くのものにひっぱられている。おもしろい夢をみてすぐ忘れてしまっても、おまえは遠くのおもしろさを味わっている。今ここにいない誰かを想像してニヤニヤすれば、おまえは遠くのそいつをくすぐっている。どこかに繋がっている糸を握って、それをピンと張ったまま動いてみるんだ。意外と窮屈さはなく、むしろ遊びの要素が増えるのがわかるだろう。扇風機にア〜て言うだろ？ ああいう感じだ。 やってみろ。

ラッキーコア：珊瑚

おうし座

予定どおりにこなすのは、気持ちいい。頼りになるしな。しかし、いつでも「思った通り」ばっかりだと、飽きてくる。不思議だな。まぁ実際、すべてが完全に「思った通り」であることは、ほとんどない。本当は細かく、最初の予定とは違っているが、「まぁ、よし」としてるんだ。つまり、過去に遡って、最初に思ったことの方を、微妙に修正しているんだ。それでいいなら、まぁいいんだよ。そうやって少しずつ、思ったこととは違う世界にずれていくことで、メキシコや火星にもいける。大切なのは、タコスが美味いか、火星人に会えるかどうかだ。テキパキちゃちゃっとこなしつつ、最後のジャーン！を楽しみに待て。思ってたのと全然違ってても、とにかくパーティは始まる。目的地が決まっているなら、その旅はもう終わっている。9/13は、誰かに何かを見せて、ジャーン！と言ってみろ。おまえも一緒に驚けばいいんだ。

ラッキーコア：ジャーン

ふたご座

誰かと二人でショッピングモールにいる時の、遊びを一つ教える。楽器屋にいって、一人がピアノをデタラメに弾いて、もう一人が「素敵でしょ？ 彼、ピアニストなの」と言うんだ。長くて3分間ほど、次に何が起きるのか誰にも想像できない、不思議な時空が生まれる。ショッピングモール全体が、ゆっくり微かにぐんにゃりと湾曲していくのが、感じられるだろう。最後の一音の余韻を充分に響かせたら、二人腕を組んで立ち去れ。ショッピングモールが、またいつもと同じに戻る。誰もが通り過ぎ、店員は忙しさへと帰っていくが、そのうち何人かはその夜、変わった夢をみるだろう。おれたちが現実と呼んでいるものも、その本質は夢だ。おれたちはそれぞれにショッピングモールの夢を見ていて、誰もが数分間だけ、コンサートマスターにもなれる。おまえのピアノ協奏曲「謎」を、いつでも練習しておけ。慣れてくれば、それは即興曲となり、無音になり、宇宙の渦になる。9/5がリハーサルだ。笑いをこらえろ。

ラッキーコア：映画音楽

かに座

なんとなくその辺をうろついて、出会う全てに「ご機嫌よう！」と声かけすると、ご機嫌よう伯爵、あるいはご機嫌よう伯爵夫人になった気分だ。実際、その辺のなにかしらに、なにか言いたいことがあるとすれば、機嫌よくあれ、くらいしかない。あなたが機嫌よくしていてくれれば、きっと私にもよいことが巡ってくるであろう。そんな静かな楽観が、ご機嫌よう伯爵家の血筋に流れている。そういう気分でその辺をうろつく時、そこは御所であり、荘園だ。現代は身分制度はないことになってるから、ご機嫌よう伯爵（夫人）は、あくまで演劇的な存在だ。逆を考えると、なんだてめぇ公爵（夫人）だな。会うもの全てに「なんだてめぇ！」と突っかかる、厄介な存在だ。でもそれも、その辺のなにかしらになにか言いたいことはそれしかない、という意味では、ご機嫌よう伯爵と大した違いはない。では、そんな二人がうっかり道端で出会ってしまったらどうだろう？ その謎は、おまえが解け。9/15新月はもちもち系スイーツとフリージャズで盛り上がれ。

ラッキーコア：アルバート・アイラー

しし座

好きとか嫌いとかない。重力と放射があるだけだ。大好きななにかがあるなら、おまえがいなくなった後の世界で、おまえの大好きななにかが、何か巨大な重力源の周りをゆっくり回転している様子を想像しろ。大嫌いななにか、てのはない。それはただの放射だからだ。おれたちは互いにしがみつくが、遊びにしてしまえば、それはおしくらまんじゅうだ。ぎゅう、とくっついているのに、反発しあってもいる。おまえもあいつも、熱になる。それがまんじゅうになるなら、美味しそうだな。誰も何も覚えていないし、おまえもいつか、全てを忘れる。だから、よく見るんだ。実はおまえは全てを覚えている。おまえが忘れてしまうのは唯一、おまえ自身なんだ。それでいい。おれは、どうしようかな。白玉粉とあんこ、欠けてゆき、見えなくなる月。風が秋っぽくなったら、おまえを誘うよ。団子食おうぜ。ところでおまえ、9/12はラブラブで、9/13はギラギラだ。何がどうってことはない。よく見ろ。それでいい。

ラッキーコア：チベット体操

おとめ座

シェフってのは気まぐれなものさ。うらやましいよな。あいつらの気まぐれサラダは喜ばれるのに、公務員の気まぐれ会計、てのは怒られる。水星が逆行しているから、今週おまえは冴えている。冴えてはいるが、間違ってもいる。おまえは自分がシェフなのか公務員なのか、わからなくなるかも知れないが、大丈夫だ。誰も本当は、何もわかっちゃいない。冴え冴えで、全部間違ってるなら、それが未来だ。おまえはカッコいいポーズをキメろ。速度と永遠が混じり合った視線で、気まぐれな未来を予言するんだ。どんな気まぐれランチも、メニューにそう書いてない、てことはない。書いてないなら、AかBかCか、選べ。ランチを選ぶ時は、わざと「間違える」ように選ぶのがコツだ。ウェイターの眉が微かに上がり、おまえは無表情で、シェフは何かを察する。おまえと今年最後の花火を見たいんだ。また来年見れるって？ そういうことじゃない。もう一回、最初から読め。わかるだろ？ 9/8は気まぐれランチ、9/15は全て間違った冴え冴えの未来を、予言しろ。

ラッキーコア：ポン酢

てんびん座

パラグライダーで、ゆったりと大空を散歩したいな。岡山にはパラグライダーの名所があって、おじさんたちがゆったりと大空散歩を楽しんでいる。その傍らにはオシャレなカフェがあって、ゆったりと大空散歩を楽しむおじさんたちを眺めてコーヒーが飲めるんだ。時々、猪もでる。こないだ、結構大きいの、みたぜ。空も地面も、大盛況だ。もしもおまえが、パラグライダーにも猪にも興味がないなら、それでもいい。おれたちは空と地面の間で、コーヒーを飲むだろう。コーヒーが飲めなくても、何かは飲むはずだ。おれは岡山で、おまえは空と地面の間のどこかで、何かを飲み、星占いをする。それは電子の束になって、星座みたいにチカチカ光る。歌をつくってくれよ。短いのでいいんだ。9/2とか、9/12には、ふと何かを口ずさむはずだ。そしてもし可能なら、その歌詞に「パラグライダー」「猪」「岡山」のどれかを入れてみてくれ。出来た歌は、誰に聴かせても、聴かせなくてもいい。星占いってのは、そういうものだ。

ラッキーコア：風にあたる

さそり座

みぞおちのあたりに、アマゾン川が流れている。想像しろ。目を瞑って、鎖骨と胸骨の隆起を指でなぞって、見えるものと見えないものの全ての生態系がそこにあるのを、感じてみろ。おっちょこちょいの小鳥や、仮面をつけたインディオたちが、寝たり起きたりしている。写真を撮りたいな。後で絵に描いてもいい。途中で仕事のことが気になったり、ケーキ食いたいとか思ったら、いつでも仕事やおやつに戻っていい。そんなことは関係なく、全ての生態系がおまえのみぞおちで、寝たり起きたりしているのは、事実だからだ。タイムマシンを発明する唯一の方法は、タイムマシンを発明するぞ、と心に決めることだ。もし、未来のおまえがタイムマシンを発明したら、過去のおまえに会いに来るに違いない。そして、何かを伝えようとする筈だ。おまえに、必ずわかる方法でな。待ち合わせ場所を決めておけ。例えばそれはアマゾン川だが、まぁどこでもいい。9/2に印象的だった風景、とかでいいだろう。

ラッキーコア：仮面

いて座

お相撲さんたちよ、決起せよ！ と唐突に言い放ち、何も起きないってことはない。たまたま近くでそれを聞いたお相撲さんや、お相撲さんの友達が、おまえの謎めいた宣言について話し合うだろう。恋に必要なのは行司ではなく、土俵だ。最近ちょっと及び腰だったかも、と思ったら、粘り腰でいってみろ。ちゃんこの秘密はフォンドボーだ。フランス革命はバスティーユ監獄襲撃から始まり、そこにはマルキ・ド・サドもいた。味、栄養、そして革命だ。つみれ、春菊、えのきだけ。おまえに降り注ぐ愛の栄養に濡れそぼり、まじで熱いが不思議とやる気がでる。食わなきゃダメだ。食って出せ。フルスロットルで、それだけやってても別にいい。ここはそういう場所だ。おれたちは既に、手繰り寄せるようにしか、出会えない。それなら、沁み込むしかないだろう。その他の一切を忘却し、味と光の神殿を上昇しろ。なるほど！と思ったら、一番近い古墳に行って、何かを感じてこい。あいつを誘え。

ラッキーコア：うどん

やぎ座

インターネット、もう飽きた！ 早まるな。際限のない情報の流れは、確かにおまえを疲れさせるが、要は気にしなければいいんだ。おまえの体は、結構な長さの毛細血管、神経、消化器官を備えていて、おまえが寝てる間も、そこを何かが流れている。静かな場所で、自分の呼吸の音を聴いてみろ。結構な爆音だ。しかしおまえは、もう飽きた！とはならない。気にしてないからだ。耳の内側の音や、目の内側の光も、聴いたり見たりすることができる。しかし、気にするな。おまえは流れであり、爆音であり、閃きだ。誰かと話す時は、なるべく静かに、言葉少なく話してみろ。そのほうが、流れ、爆音、閃きが際立つんだ。おやつとデタラメ、眠気と狂気、沈黙と忘却が、おまえの代わりにおまえをやってくれるだろう。ノイズ聴け。なるべくうるさいやつだ。だんだんラブソングみたいに聴こえてきたら、一回休め。その後、全体になんかよくなるだろう。そんなもんだ。

ラッキーコア：メルツバウ

みずがめ座

崩壊した博物館跡地で、むきだしの恐竜標本が、欠けてゆく月を眺めている。ここまでくるのに色々あったが、説明すると長くなる。そもそもおれは恐竜なんだが、化石になって掘り出され、今じゃこうして標本野郎だ。おれを標本にしたやつら、あいつら誰も、もういない。そうしてここで、風が吹いてて、なんならあいつがお月さんだ。今、宇宙人の考古学者がやってきて「これは一体どういう次第ですか」と訊かれても、説明するのも億劫だ。おれはそういう存在に今、なっている。そんな恐竜標本に比べれば、おまえの状況は比較的、シンプルだ。昨日のことを覚えているし、明日の予定もなくはない。連絡帳を整理して、次の休みのアポをとろうぜ。それ以上先の過去も未来も、おれたちには必要ないんだ。おれたちはそこまで、複雑な存在ではない。映画、パフェ、フリスビー、UFO、恋バナ、地下格闘技、そして一番大切な、沈黙。目をみろ。愛を告げるな。愛よりも運命のほうが、ずっといい。バッハ聴けよ。なんでもいいんだよ。

ラッキーコア：姿勢のよさ

うお座

占い的に言うと、いいぞ。これは占いだから、占いぽく言って問題ないし、占いの結果が「いい」なら、それ以上の説明は必要ないはずだ。どのサインにどの惑星が、みたいなことを説明してもいいんだが、今までおれはそんなこと、殆どしてこなかっただろう。なぜかと言うと、説明しても、おまえは覚えてないからだ。おれたちは占い結果を殆ど覚えていない。それは幸せなことだ。ただ、出来事が起こる。おれたちは、出来事の連なりだからな。泣いたり笑ったり、美味しかったり気まずかったり、いろいろだ。おれは今回、それらを指して「いい」と言い、おまえはそれを忘れる。宇宙全体がいつものように眠りに落ち、なんか巨大な夢が渦を巻く。とても大きくて、おれはおまえの手を離してしまいそうで、怖くなる。しかし、多分、大丈夫だろう。おれは渦が好きで、信頼してるんだ。おまえが輝いていて、魔法みたいに美しく、おれはそれを覚えている。おまえもきっと、同じだろう。9/8に、おまえが覚えていたいことを、誰かに伝えてみろ。ちょっとしたことでいいんだ。

ラッキーコア：ワンネス