ハードコア犬占い【2024年犬半期（7月〜12月）の運勢は？】

イラスト：うかうか

おひつじ座

インカ帝国の市民ホールで、星占い師が水盤を見つめている。「インカすこやかフェスティバル2024」の開催日程を、考えてるんだ。インカの暦は独特で、2024といっても642億年前で、なんならこの地球の話ではないんだが、星占いはまぁ、だいたい似たようなものがある。どんな惑星のいつの時代でも、星ってのは円軌道を描いて、くるくる回ってるからな。複雑に見える動きや形も、つまりは円軌道の組み合わせで、要するに1種類しかない。原子から銀河団まで、この原理が貫かれている。文明がそれに気づくと、星占いが生まれる。

まぁともかく「インカすこやかフェスティバル」の日程を決めなければならない。円周上の点というのは、どれも同じで、区別がつかない。つまり、日程なんていつでも同じだ。しかし、複数の円が同時にくるくる回っていると、それぞれの円周上の点は、離れたり近づいたりする。そんなのが10も20もあると、すごく複雑に見える。水盤の波紋を見つめる星占い師の額に、汗がにじむ。憶いだせ。どれも同じだ。星占い師、つまりおまえが「ここだ」と指差したところから「インカすこやかフェスティバル」は始まり、今年は今これを読んでいる、今日がその初日だ。凄い偶然だが、まぁそんなもんだ。どっちかというと、凄い偶然の結果、今ここにおれたちがいる、てことだからな。

7月：おひつじ座の支配星・火星がふたご座にはいる。話し合え。
8月：火星と木星が重なる。大きな円を描け。
9月：円の内側だ。なんかそういう遊びがあったよな。
10月：三角形と線、つまり矢印だ。10/31、視線を向けろ。
11月：全部身につけろ。つまりおしゃれだ。
12月：一休みして、大晦日だけ起きていろ。自然に目が覚めるだろう。

ハードコアおまじない：ポコペン占星術

おうし座

世の中が大きく変わる時、最初に変化するのが味付けだ。甘くなったり、スパイシーになったり、薄味や濃い味になったりして、おれたちは季節や時代の変化に同調する。味と匂いは、変化しないとわからなくなるから、いつも揺れているんだ。星てのはこんぺい糖に似てるから、甘いのかな、と思うが、ペロっといけば甘いのも辛いのもある。だから星座はいろんな味がするし、なんなら毎回、味が違う。カレーもそうだろ。世の中には、びっくりするようなカレーレシピが存在し、つくる度に味が違う。一皿のカレーはどれも、一夜限りの花火大会だ。スパークしてるんだよ。カレーが、ていうより、おまえがな。

甘いんだか辛いんだかわからなくなったら、水を飲め。味の花火が打ち上がるたび、冷たくも熱くもないガンジス川が流れ込み、その都度、全てが化石になって、何億年も向こうに、流れ去っていく。7/12におうし座の支配星、金星がしし座に入ると、おまえは化石博士になって、活断層をじっと見つめる。金星はぐるっと半周回って、世界の半分の味を確かめる。もう半分は、未知のままだ。昼の裏には夜があり、そこで花火が上がるだろう。違うということ、新しいということを、背中を照らす月のように、味わうんだ。9/2には新しいレシピが、10/31には今までで最高の水が、スパークする。味は変わらない。おまえが変わる。

7月：自分を味わえ。舐めてみないとわからない。
8月：水を飲め。水だけ飲むでもいいくらいだ。
9月：いよいよスパークだ。カレーは魔法で、比喩でもある。
10月：味変だ。調味料を揃えとけ。
11月：水と化石だ。その辺の石を濡らしてみろ。
12月：すっかり新しくなっている。やっぱりおまえが最高だ。

ハードコアおまじない：味変

ふたご座

ラジオドラマの収録が、気が遠くなるほど、続いている。今日も声優がブースに入り、台本の新しいページをめくる。長寿番組というか大河ロマンというか、とにかくラジオドラマは続き、毎回、最終回のようでもあり、序章のようでもある。ロボ、変な博士、三人娘、ソングバードなど、数えきれない程のキャラクター達が登場したが、全ての役を、一人の声優がこなしている。ページをめくる指。マイクチェック。テープが回る。何かがわかってきた気がするが、またすぐにわからなくなる。ストーリーが溶けだして、UFOの窓から見える海底大観音に、夢中になる。ドラマというより、チャネリングに近い。

全ての役がおまえで、脚本家も監督もおまえだ。ラジオドラマはプレアデスの電波塔から送信され、白鳥座Xに吸い込まれる。番組へのお便りを書いてみろ。なんならリスナーも、おまえだからだ。それは8/29以降、白鳥座Xからぽんと飛び出して、コーヒーと甘いお菓子と一緒に、スタジオに届く。そしたら一曲挟んで、一休みだ。秘密の伏線に、気がつくかも知れない。11/3から、新キャラクターが登場する。そいつは天使みたいなやつで、12/19には綺麗な羽をくれるだろう。まぁ、おまえなんだけどな。大晦日に向けて、ラジオドラマは静かになり、最後は無音の映像になる。綺麗だ。さすが、長寿番組だな。

7月：新しい台本をチェックしろ。全ての役に共感するんだ。
8月：テストだ。テープは回さなくていい。
9月：本番だ。いい声を出せ。あとはキャラクター達が勝手にやる。
10月：コーヒーブレイクだ。ストーリーを振り返り、味わえ。10/31に再開だ。
11月：白鳥座Xを想え。番組へのお便りはこちらから。
12月：授賞式だな。何着ていくか考えろ。

ハードコアおまじない：いい声

かに座

図書館が点滅している。あることないこと書いといて、全部ここに収めました、てやれば、そりゃ点滅もするだろう。分厚い歴史の本が何冊もあるから、その重みで、最終的には光るんだ。綺麗だな。歴史の重みってのはそういう意味で、内容はどうでもいい。この図書館には、誰にも、一度も読まれたことのない本がたくさん収蔵されていて、その全てが、重く光っている。読んでも読まなくても、その価値に変わりはないんだが、時々、司書さんがあくびしながらうっかり落とした一冊の、とあるページが開く。読んでみろ。そこには、こんなことが書いてあるはずだ。「あらあら、まぁまぁ。」誰かが挟んだ、ユリ化古代植物のしおりがふわりと舞って、いい匂いがする。

7/11に、かに座の太陽が魚座の土星を照らし、点滅図書館が少しクッキリする。本を借りにいくなら、あるいは返しにいくなら、チャンスだな。9/5には、火星が蟹座に入るから、本の香りも強くなる。読まずに吸い込め。本は文字よりも、香りとして吸い込むんだ。SFもあるにはあるんだが、歴史書と区別はつかない。重さが少し違うだけで、そういうのをライトノベルって言う。10/31には映画化決定で、11/2にはグラミー賞だ。タイトルは「あらあら、まぁまぁ。」で、内容もそれだ。大晦日は、おまえが最優秀主演賞だろう。よく寝て、うるおいを保て。

7月：重くて甘い夢をみろ。それは光る。
8月：読まなかった本を憶いだせ。それも光っている。
9月：全部忘れるかもだが、それでいい。元気だ。
10月：そろそろ映画化のことを考え始めろ。映画も要するに点滅だ。
11月：シネコンいこうぜ。帰りにお茶して帰ろうぜ。
12月：大晦日は、やぎ座で新月を迎える。あらあら、まぁまぁだ。

ハードコアおまじない：質量保存の法則

しし座

どっしり厚い曇り空と水たまりは、合わせ鏡のような関係だ。水たまりを覗き込めば未来が視えて、曇り空を見上げれば雨が一粒ずつ、落ちてくる。水分もおれたちも、ここでムワッと温まり、昇ったり降りたり溜まったりして、循環している。水たまりも雲も、灰色というよりは、銀色だ。熱と光と水分が、絶え間なく乱反射して、おれたちの映画がそこに映っている。しばらくすると雨が止み、雲が途切れて、ビカー！とした野郎のおでましだ。ウヒョーつって日陰に飛び込み、シロップでめちゃくちゃ甘くしたアイスティーをストローで飲むだろ。その後は、風が吹いて、ひんやりしてきて、星が光る。雨は、どこか遠くで降っている。

どっしり重くキラキラ光る雨粒は、汗とか夢とか香りになって、ぐるぐると循環する。生命、いわゆるおまえは、つまり湯気だ。沁み込んで、蒸発し、憶いだすだろう。7/12に金星、7/23に太陽がおまえに入ると、おまえは動かなくなるとこまで、走っていける。9/8に突き当たり、9/21に魔法をかけろ。その後は、決めたとおりに動いていく。11/4に、火星がおまえに入ると謎に元気で、12/19には天使の一瞬が訪れる。遠くに降る雨の匂いを嗅げ。新しいおはなしが始まる前に、おまえが何を感じて、どんな時に涙が出たのか、もう一度、憶いだしておくんだ。水は循環し、映画は終わらない。いつもどおり、てことだ。

7月：何も考えるな。おまえが最高だ。
8月：喋っても喋らなくても暑いだろう。涼しい音を聴け。
9月：重たくて大きいものを押して、9/21に笑ってみろ。
10月：お喋りするしかない。気候がいいからな。
11月：元気でデタラメだ。それでいい。
12月：大人っぽく。大晦日には成長が感じられるだろう。

ハードコアおまじない：湯気

おとめ座

わっしょい、わっしょい… 遠い地平線からお神輿がやってきて、犬がそれを追いかけている。よく見ると、イヌマノイド型のドローンで、ちょっと地面から浮いている。お神輿は、橋に差し掛かる。この先は表参道で、シネコンが入ったショッピングモールがある。丸く盛り上がった橋を、お神輿とイヌマノイドが昇っていく。一番高くなったところで、お神輿はわっしょい、わっしょい… と足踏みをする。そのまま夜になり、朝になり、銀河が生まれて消滅し、目が醒める。イヌマノイドのカメラアイを通して眺めたその風景を、夢日記に書いておく。

世の中もおまえも、全く新しい局面に入っていくが、それは夢日記に書いておくようなことで、それ以上でも以下でもない。シネコンの上映スケジュールみたいに、繰り返し、新しいんだ。7/26におとめ座の支配星・水星がおまえに戻ってくると、お神輿は足踏みし、イヌマノイドはそれを録画する。8/5に金星が、8/23に太陽がおまえに入り、8/29にはお神輿が、再び進み出す。その後は、夢も夢日記も透明度を増し、すごく綺麗な写真が撮れる。ロボも夢をみるし、誰がみてようが、おまえが夢だ。なにかやりたいことがあるなら、ロボがみる夢みたいにやってみろ。10/31に夢をみて、12/16以降、クッキリするだろう。

7月：変でいい。落ち着いて、変でいろ。
8月：聞き流せ。どうせ大したことは言ってない。
9月：お神輿かロボか、もしくは両方だ。進めろ。
10月：透明感だ。すっきりしてろ。
11月：プランを立てて、ちょっと寝かせろ。
12月：あれを始めろ。それでいい。

ハードコアおまじない：写真術

てんびん座

新しい言葉。新しい音楽。新しいショッピングモール。新しい時代。新しい犬。朝、目が醒めたら、だいたい新しい一日が始まるから、なんならおれたちはいつでも新しい。しかしあんまり、そうは思わない。結局、新しさってなんだろうな？ 一言ごとに新しい言語で喋ったら、全く意味がわからない。世界がせーの、で、全て同時に新しくなったら、何が新しいのか、誰にもわからない。日々、生まれている新しさのうち、明日も残るのは、美しさだ。黄金律つって、「美しいバランス」の比率があり、それはアンモナイトの化石からアリアナ・グランデまで共通している。黄金律を美しいと感じる理由は、星占いが当たったり当たらなかったりする理由と、関係がある。

てんびん座の支配星・金星は、ヴィーナスつって美の象徴だ。美しさは、バランスだ。しかし、バランスが完全に取れている状態は、動きが生まれず、新しさも生まれない。新しさは、アンバランスな状態から生まれ、未来のバランスに向かって、伸び上がる。その途中で感じられるのが、新しさ、なのだろう。12/7、みずがめ座に入った新しさを、真っ先に見つけて、それが美しい、と指差すのが金星、つまりおまえだ。それは奇妙で、少し恐ろしく、わざと気づかないふりをするやつもいるが、おまえは違う。「なにこれ！」つってガバリといって「いいね！」つって撫で回せ。だんだん、バランスがとれてくる。この犬半期、おまえの仕事は、他には大晦日くらいで、あとは寝てていい。

7月：自分を美しく。
8月：リズムを美しく。
9月：ルールを美しく。
10月：明らかに美しく。
11月：よし、揺らせ。
12月：世界が新しくなり、おまえが最初に気づく。それが美しいからだ。

ハードコアおまじない：美しさ

さそり座

この犬半期、さそり座の支配星・冥王星が、みずがめ座に入っていく。こないだも、ちょっと入っていたんだが、一回でてから、弓矢みたいにぐいー、と引いて、ドゥン、つって今度こそ、本当に深く、入っていくんだ。まぁこういうのは、個人というより時代とか、世間の空気に関係するが、おまえにとっては新しい服、新しい髪型、新しいランチ、そういう何かが一つ増える、そんな風にも感じられる。せっかくだから、おまえの星を鏃（やじり）につけて、ぐいー、と引いてシュッと放ち、みずがめ座に向かってビュン、と飛んでいく遊びをやろうぜ。次は20年後だしな。

逆行する冥王星が9/2に、やぎ座に戻っていく。弓術でいう「引き分け」だ。次に10/6に、逆行が止まる。「会（かい）」だな。そして10/12に、順行が始まる。「はなれ」だ。そして11/20に、再びみずがめ座に入る。「中（あた）り」だ。その後12/31に、冥王星がノード、セドナと弓矢の形になり、消えていたおまえ自身が、現れる。「残心」だ。この一連のプロセスを、何か願掛けしながらやってみろ。何も望まず、ただ無心に星の矢を射る、でもいいだろう。中ったな、と感じられても、なんかよくわかんなくても、まぁいいじゃないか。すごくオシャレなんだから。

7月：7/22にさそり座の二つの支配星（冥王星・火星）が角度をつくる。精神統一だな。
8月：8/15に木星と火星が重なり、射手座の月が照らす。弓術っぽいな。
9月：いよいよ「引き分け」が始まる。カッコよく。
10月：「会」そして「はなれ」だ。おまえの意志を放て。
11月：中ったかどうかなんて、考えるな。無心だ。
12月：大晦日に、なにかしら結果がわかる。残心だ。おめでとう。

ハードコアおまじない: 残心

いて座

昔、アフリカの真ん中の下のほうで、日蝕を見たことがある。周りは360度の平原で、大きな樹が1本あって、鳥がたくさんいたんだが、日蝕が始まりどんどん暗くなると、鳥はあれー？みたいに慌てて、どっかに飛んで行った。太陽ってのは凄いエネルギーで、完全な蝕になるまで、肉眼で見れない。ダイアモンドリングになり、最後の光がふっと消えると、おれは頭で判っていても、体は激しく動揺して、なんかもう全てを諦めた。もうだめだ、と思ったんだ。その瞬間、おれはとっさに何かを祈ったんだが、何を祈ったのかは、もうわからない。思い返すとあの祈りは、どこにもない的に向かって放たれた矢のように、真っ暗な何かに吸い込まれていった気がする。しばらくして、またビカー！つって明るくなって、みんな猿みたいに叫んだ。鳥たちがあれー？みたいに、帰ってきた。

いて座の守護星・木星は、8/15にふたご座で火星と重なり、いて座の月に照らされる。壮大すぎて誰にも理解できない、祈りのような設計図を描いたら、ゆっくりと、しかしいつでも、説明するんだ。最初はふーんて言ってても、10/28からだんだん、皆がその気になってくる。11/3に水星がいて座に入ったら、そこからコスト計算だ。息切れしないで、回していけるプランを考えろ。11/22には大筋決まるが、そこからもう一回、寝かせろ。焦るな。12/19には天使の一瞬がある。その時、全てが収まるところに収まるだろう。設計図が虚無へと溶けていったなら、それで完成だ。

7月：何も考えないかのように考えろ。考えなくていい。
8月：すごくいいことを思いつく。それは遠いが、見逃すな。
9月：太陽と月とおまえの契約が確認される。9/11(水) 17:00頃だ。
10月：ゆっくり、静かに喋れ。黙るな。
11月：決めていけ。決めたら、寝かせろ。
12月：喋るな。祈るんだ。

ハードコアおまじない：おまかせ

やぎ座

2008年11月からやぎ座にいた冥王星が、11/20にいよいよ、みずがめ座へと完全に移動する。詳しくはさそり座のとこに書いといたから、読んでくれ。ここ16年ほど、うっすら満ちていたムードが、変化する。とはいえ、冥王星のエネルギーは深く、遠すぎて、個人の人生では特にこれ、とは感じられないだろう。自分でもわからないくらい、深くて暗い所に、知らない誰かが16年間いて、いつの間にかまた、いなくなる。そんな感じかもな。弓術では、引き絞った弓を離す瞬間を「はなれ」と言う。それは離そうと思っうのではなく、正しい時に自然に「はなれ」が起こるらしい。どこのどなたか存じませんが、さようなら。またいつか。そんな「はなれ」が起きるべき時に起き、お茶でも淹れて、ぼんやりしながら、さて… と思う。

やぎ座の支配星・土星は今、魚座を逆行している。夢の卵を温める、静かで熱い期間だ。7/11には一度、卵の様子をみろ。9/2には、みずがめ座に少しいた冥王星が、再びやぎ座に戻ってくる。10/12に冥王星が順行になり、いよいよ「はなれ」、つまり孵化が始まる。11/12に金星がやぎ座に入り、11/15に土星が順行に戻る。12/22に太陽もやぎ座に入ると、なんだか懐かしく、ずっとここだった場所で、一息つけるだろう。12/31大晦日は、山羊座で新月を迎える。「はなれ」たものが何かはわからないが、ずっとここにあったものが、にょきっと出てくるだろう。

7月：卵の重さを感じろ。それは重くて、温かい。
8月：一回引き締めろ。重たいものを担いで、よいしょ、て感じだ。
9月：溜めていくぞ。突き当たりまで、静かに引き絞れ。
10月：10/6から10/12までが「会（かい）」だ。無になり「はなれ」が起こる。
11月：卵が転がりだす。祝おうぜ。
12月：大晦日は新月だ。新しいなにかを迎え入れろ。

ハードコアおまじない：掃除

みずがめ座

ひとつ前の星座、やぎ座のテーマが「はなれ」なら、みずがめ座のテーマは「あたり」だ。何が、何にあたるんだろうな。おまえは気にしなくてもいい。なんか竹筒の、水がトトトと入って、カコン…てなるやつ、あるだろう。あれが月の裏側で、カコン…てなる音を想像しろ。16年前にも一度鳴ったが、その時おまえは気が付かなかった。今回おまえは気が付くが、前回それを聴いたのは、248年前だ。懐かしくて新しい「あたり」だな。静かにして、耳を澄ませろ。音としては聴こえないが、「あたり」を感じることができる。その後は、ベートーヴェンのレコードを聴いても「あれ？こんな音だっけ…？」と感じられる。レコードは、溝に針があたっているからな。世界の全てが、そんな風に微妙に、決定的に変化して、誰かが気づいたり、気づかなかったりする。

みずがめ座の支配星・天王星は、7/16におうし座で水星と重なり「もうすぐですよ」と耳打ちする。9/2から天王星は逆行を始め、来年1/31まで、そのままだ。9/21は、誰でも魔法が使える日だ。耳掃除でもしとけ。10/9には、木星も逆行を始める。世界全体が、ぐいー、と弓を引き絞るようだ。10/28には、海王星-火星-天王星の会議があり「さて…えーコホン」とか囁く。大丈夫だ。10/31も魔法の日だから、なんでもいいからプレゼンしろ。11/20には、冥王星がみずがめ座に「中（あた）り」、新しい時代が始まる。12/7に金星がみずがめ座に入り「あた〜りぃ〜」と言う。めでたいな。大晦日はお疲れさん、つって癒せ。

7月：何かが変わるなら、どんな風に変わって欲しいか、想像しろ。
8月：意外と誰もが関係しているし、感じている。アイコンタクトだ。
9月：大きく、広く空間をとってみろ。「あたり」の準備だ。
10月：ストレッチとリラックスだ。耳を澄ませろ。
11月：どこかにきれいな石か貝殻が、落ちてないか。
12月：全てが新しい。秘密にしておけ。

ハードコアおまじない：キョトン顔

うお座

重くて気持ちよい「おもちよい」夢が、ふっと軽くなる。どこか遠くで、カコン…ていう音がしたような、しないようなで、まぁ、いいかつって大判焼きを食べる。どっしり重たいこのあんこが… 軽い！？ こんなにふわっと、してたっけ…？ まぁ、いいか。ガムラン聴こうぜ。竜宮城からこぼれ聴こえる、遠くて眠たいヘヴィーメタルミュージックが… キラキラだ！？ なにこれ。知らない間に重力が弱くなると、こんな感じかもな。どう違うのかはうまく言えないが、拡がり、響き、輝き、全てが違う。まぁ、またすぐ慣れるけどな。よし、あいつの瞳をみてみよう。思った通り、キラキラしている。ということは、おまえの瞳も、そうなってるってことだ。服も靴も髪型も、変えるしかない。ほんの少しでいい。メロディもな。

うお座の支配星・海王星は、12/8まで逆行を続ける。夢の海底を探索しているんだな。7/22には、太陽が海王星を照らし、なんか大丈夫かも、て気分になる。9/21はどんな魔法を使うか、考えておけ。10/9から、もうひとつの支配星・木星も逆行を始め、弓がぐいー、と引き絞られる。10/31は、思ったことをそのまま言え。11/15に土星が順行に転じたら、蛇口をひねるように夢が溢れ出す。びしょ濡れで、爆笑だ。12/8に、うお座海王星も順行に転じる。12/19の天使の一瞬は、フワッとキラーンとするべきだ。

7月：結構喋っていけ。声の響きを確認しておくんだ。
8月：結構体動かしていけ。重さとスタミナを確認しておくんだ。
9月：9/21は魔法が使える。備えあれば憂いなしだ。
10月：声も動きも、ゆっくり静かにしていけ。空気感を感じろ。
11月：蛇口は一気にひねれ。めっちゃ遊びにいこうぜ。
12月：12/19は、なんならおまえが天使をやってもいい。キラーンとしろ。

ハードコアおまじない：反重力