『月曜日のお寺ごはん』青江覚峰 浅草・緑泉寺のお坊さんによる人生相談
#6 仲の良かった友達との関係が変わってしまいました。
今週の相談:学生時代から仲の良い友人がいます。毎月遊んでいたのですが、最近友人が忙しいようで遊ぶ回数が減ってきてしまいました。仕方のない事なのでしょうが、今後もお互いの環境がどんどん変わって行ってしまって、昔のような関係性が薄れて行くのがとてもさみしいです。
前回は、落ち込んだりイライラしたりする気持ち、煩悩をコントロールするには、まず自分の気持ちに向き合って煩悩に気づくことが大事だというお話でした。
今回は、仲良しだと思っていた人との関係が薄れていくのが寂しい、というお悩みですね。
これはもう、ずばり諸行無常、この一言に尽きます。すべてのものは移りゆきます。どんなものでも、いつまでも何も変わらないということは決してありません。時間が経てば季節も変わる、世情も変わる、人間だって成長があったり老化を感じたり、体が変われば、環境が変われば、心の有り様だって変わります。仲が良かった、楽しかったという記憶は幸せを感じさせてくれますが、その記憶だって永遠に続くわけではありません。変わってしまった結果であるように見えている今の関係にもまた、いずれ変化が訪れます。そしてそれはある日突然やってくるのではなく、毎日毎日、気づかないくらい少しずつ様子を違えているのです。
その変化が自分にとって悲しいものでも、あるいは好ましいものだったとしても、人の気持ちなどお構いなしに、すべての物事は絶えず変わり続けるのです。そして人は、それに振り回され、心乱される。
私たちにできるのは、その変化をただ受け入れることです。今ある、持っていると思っている物事に生じる変化は、つまり、その出会いや記憶を手放すこと、失うことです。それをただ受け入れるというのは、決して簡単なことではありません。もちろん、それができなくとも、変化が止むことはありません。
であればこそ、どうしたって私たちにできるのは、やはりただ受け入れるということ以外にはありません。時の流れには決して逆らえないのです。
次回は12月3日更新です。
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