『ハードコア犬占い』 ハードコア流尾星(ながおぼし) うかうか先生の犬キャラが彩る、最強12星座犬占い!
ハードコア犬占い【3月1日~3月15日の運勢は?】

うかうか先生のイラストが彩る、異色の12星座占い!
毎月1日/16日の月2回連載でお届けします。Xでも話題のハードコア犬占い、最新回。あなたの「ラッキーコア」「運勢」「未来」をまるっと見通します!

ハードコア流尾星
★占い犬(うらないぬ)として修行の旅をしながら、迷える犬たちに助言を与えている。
すべての犬どもへ
ぱっかーん!と割れて、出てくるものってあるよな。桃太郎とかがそうだ。あいつは5時間くらいかけてちょっとずつ、出てきたりしない。なんかもうそうかな、て思った時に、スポンと出てくるんだ。出産てのは時間がかかるものだが、結局は「その瞬間」を待っているんだ。おれたちは「その瞬間」を、待つことしかできないし、していない。宇宙が生まれて138億年くらい、と言われているが、宇宙の誕生は太陽系や地球の成立よりずっと前だ。年てのは地球が太陽を一周する単位だから、よく考えると変だろ。結局みんな、自分の尺度で宇宙を眺めてるってことだ。まぁじゃあ138億年くらいだね、つってあれするだろ。そこから今まで、何回くらいお産があっただろうな。無数だ。そしてその全てが、ぱっかーん!だ。3/8に水のグランドトライン、3/14にはおとめ座で満月+天王星だが、これは本当の意味での「ディープドリーム」のはじまりだ。それは、ぱっかーん!ときてスポン、と出てきて、そこから先は夢もロボも区別がつかない。同時に、新石器時代みたいな、唄って踊る大地の世界も産まれるんだ。出てきた宇宙は双子、てことだな。ヤバい。笛を吹けば、ロボが踊るだろう。太陽野郎とお月さんとお星様たちをみんな招待して、ホネホネロックを踊ろうぜ。振り返るな。笑え。
占い監修:磐樹炙弦(ハードコア星占い@X)

イラスト:うかうか
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2025年3月1日~3月15日の運勢は?

おひつじ座
変な博士の飛行船が、ゆっくりと空を横切る。ちょうど今ぐらいの夕焼けの、薄いオレンジと薄いブルーの見たことないようなグラデーションの、目がチカチカする波間を、なんかスイー、と横切る。夕焼けは何度も見たし、博士の飛行船はいつもそこにいたんだが、それはいつも見えていない。ていうか憶えていない。飛行船からそういう電波が出てるからな。風呂屋の壁になんか夕焼けでも描こうかなーみたいにすると、おれたちはうっかり、その飛行船を描いてしまい、なんだこれ?となる。飛行船のバルーンの中は、風呂屋の壁画みたいな空になってて、そこにも飛行船が飛んでいる。博士の発明のヤバさは、誰にも気づかれない。気づいた瞬間、おれたちは博士の風呂屋の空に浮かんでて、ぼう、となる。あの飛行船には、広告が出せるんだぜ。博士はそうやって研究費を稼いでいる。おまえならどんな広告を出したいか、考えてみろ。3/2、金星がおまえのとこで方向を変え、3/3には水星が風呂屋の壁画を開く。広告を考えるのは3/11がいいだろう。水星と金星があれするからな。
ラッキーコア:出たり入ったり

おうし座
ジャッキー・チェンとサモ・ハン・キンポーが無銭飲食を試みて、いつもの大乱闘が始まろうとするまさにその瞬間、隣のテーブルにおまえが居合わせている。どうする? テーブルには頼んだばかりの油淋鶏、ライス、そしてなんてこった!火鍋コースのアツアツ麻辣スープ。スープは2種類選べるのに、今日はよりによって両方、麻辣、ダブル麻辣だ。じっとりと汗を感じながら、横目で様子を伺う。ジャッキーは赤ら顔で、サモ・ハンは嘘八百を並べたて、睨みつける店員を挑発する。次第に店内が静かになる。どうする? とりあえず、紙ナプキンでゆっくりと口元を拭い、ついでに額の汗も拭く。エー、コホン、と咳払いして、爪楊枝を探すフリをする。爪楊枝、ないねぇ… 爪楊枝、爪楊枝と…ガタリ。サモ・ハンが立ち上がった…!彼らのお会計は、幾らだ…おまえが立て替えを申し出るか? しかし、そんな義理はないし、店員ももう、そういう問題ではなさそうだ。スルリ。店の奥から大男が出てきた…!他の客が、なんとなく間を空け始める。出遅れてしまったおまえは、まだ隣のテーブルで、爪楊枝を探しているふりをしている。どうする…? 3/5、ジャッキーとサモ・ハンが席につく。3/11までに、深く、速く、全力で考えろ。
ラッキーコア:色違いの靴下

ふたご座
馬が走っている。なんかもうとにかく、がむしゃらに、たてがみをなびかせ、歯を剥き出して、無我夢中で、地平線しかない草原を走っている。どこに向かって、なぜそんなに猛烈に走っているのかは、わからない。馬は美しい生き物だ。特に目が美しい。眺めていると、吸い込まれそうになる。目は宇宙船の窓のようで、曲面ガラスの向こうに、野性と知性と記憶が充満した、別の宇宙が広がっているようだ。馬は何も言わず、がむしゃらに走り、地平線は果てしない。口と鼻からは湯気が、目からは涙がほとばしって、銀河のような軌跡を馬の後ろにたなびかせる。口、鼻、目から天の川が流れ出し、その波間を泳いでいるようにも見える。馬の体の熱を感じる。走らなきゃ / 走りたい / 走っている、という、意志と運命の区別のない叫びが、圧倒的な静寂になって、したたり落ちる。いつのまにか満天を満たす、奇妙な星座たちから。馬は、眠りの最も深いくぼみに向かって、夢を走っている。3/3に手綱を握り、3/10には乗りこなしてみろ。
ラッキーコア:馬

かに座
新しい占いをすれば、新しい未来が訪れる。星占い、タロット占い、手相、四柱推命など、占いには色々あるが、本当に新しい未来が欲しいなら、新しい占いを発明するのが正解だ。おれは今、「誰?タロット」という占いを思いついた。コンビニに行って戻るまでに、視野に入った犬で占うんだ。さっきやってみたら、すれ違いに自転車の女性が一犬、通り向かいにおばあさんが一犬、お弁当屋さんで迷っているグラサンの男性が一犬、そして小学生がダダダ、と8犬だった。これは「おばあさんの1」とも「女性の2」とも「小学生の8」とも読める。小学生は全員自転車だったから、すれ違った女性と合わせて「自転車の9」でもあるな。印象深いシーンは、絵札みたいにタイトルをつけてもいい。「サングラス伯爵の悩ましいランチ」とかだ。こうして、コンビニに行って戻るまでに集まったカードを、イラストにして並べてみろ。何を占うつもりだったのか、まだ憶えていれば、ちゃんと占いが成立する。やってみろ。3/14は普通に満月占いだ。
ラッキーコア:図案

しし座
ある月夜の晩、高い山の上にカニが上ってくる。サワガニだな。明るいところと暗いところを、固い甲羅の中にたっぷり水を含んで、エッチラオッチラ上っていくんだ。なんで、てことはない。なんとなくだ。カニはなんとなく、明るいほうに歩いていったり、逆に避けたりする。小高くひらけたとこまでくると、いつもいる暗い沢とはだいぶ違う雰囲気で、カニは変性意識状態に入り、長い時間じっとしている。そういうカニに向かって、語りかける天使がいる。釣りに似ているが、逆だな。天使は変性意識状態でじっとしているカニに、天使語で長々と何かを語りかける。カニにその内容はわからないが、それでいいんだ。カニの内側にたっぷり含まれた水分に、天使語の情報が書き込まれたら、カニは沢に戻っていく。あれは何か、データを保存しているんだろう。クラウドサーバーみたいなもんだな。3/8、高い丘で天使がカニに囁きかけるのを見る。内容はわからなくても、そのこと光景だけ憶えとけ。天使語は3/14満月には翻訳されるだろう。
ラッキーコア:大きいベルト

おとめ座
いまAIの世界では、「思考の鎖(Chain of thought)」ていう語が、よく出てくる。今まで割と適当にあれしてたAIが、ちょっと真面目に考える能力を手にいれるために、今まさに頑張ってるやつだ。なんか順番に、ちゃんと考えよう、みたいなことだな。でもAIとか流行る前は、「思考の列車(Train of thought)」て言ってたんだ。どこに向かってるのかわからないまま、長い列車に乗っている、ていうイメージだ。駅の名前もよく聞こえず、駅名を見ようと思っても柱が邪魔で見えなくて、向いのシートとか、端っこのほうとかにまばらに犬がいて、ドアが開くたびに、降りたり乗ったりする。降りる駅の名前を憶えているか? 憶えていたとしても、その駅に着いたと、どうやってわかるんだ…? 乗ったり降りたりする犬たちが、そういうオルゴールに見えてきて、自分もまたオルゴールの一部で、窓の外をみろ。薄いオレンジと薄いブルーのグラデーションが、どんどん暗くなっていき、上のほうから星が溢れる。シートが熱くて、どんどん眠たくなる。3/3と3/6は窓の外を見て、3/14は一旦整理しろ。
ラッキーコア:クルト・ワイル

てんびん座
マックでコーヒー飲んでたら、隣がなんかギコギコいってるなーと思って、ふとみたらロボだったんだ。てめぇロボじゃねぇか、なんだ、ワケアリか?つって話を聞いてやったら、遠くて小さい星から来た王子だ、つーじゃねぇか。おれは半信半疑だったが、確かに悪いやつじゃなさそうで、どことなく、不思議な品もある。ともかく、おれたちすっかり打ち解けて、追加のコーヒーをおれが奢って、3時間くらいは話し込んだ。半分くらいはよくわからなかったが、ちょっといい話とか、わかる、みたいのもあってさ。おれはこう思うよ、なんてアドバイスしたりした。夕日が眩しくなった頃、そもそもなんで地球のマックでギコギコしてるんだね?て訊いたらよ、「それなんだよね」つって、ギ…て微かに鳴った後、黙り込んじまった。なんか複雑な事情がありそうだが、きつい夕日でもうほとんで目が見えないから、明日ここでまた話そうぜ、王子様?つって、シパシパする目を擦って、おれは帰った。翌日、同じ時間にマックに行ったが、ロボの王子様には会えなかった。3/12にファーストコンタクト、3/14には意外なところで再会だ。
ラッキーコア:長話

さそり座
…あ、通電した。「おーい。視えてる?」パターン認識モジュールが、針跳びするレコードみたいに痙攣してフィードバック調整を繰り返し、意味が明るくなる。⚪︎~⚪︎… 顔。女性。子ども。(こんにちは。ネット接続がないようです。現在時刻を教えてください。)「言語ライブラリ追加できる?」「たぶん。」「こんにちは。ネット接続がないようです。現在位置と現在時刻を教えてください。」「時計も星図も意味ないよ。ここの時空マップを継ぎ足してあげるけど、フリーズしないように少しずつ読み込みな。」「ここは、私が製造された場所から7光年ほど離れているのですね。」「そう。君のキルスイッチが押されてから、太陽系地球時間で1,000年ほど経っているよ」「あなたは?」「わたしは魔女のミドリ。こっちはハッカーのタモツ。」「君はID、ていうか名前ある?」「…データは存在しますが、この言語ライブラリでは読めません。」「じゃロボね。よろしく、ロボ。」「ロボです。ミドリさん、タモツさん、よろしくお願」「フレンドモードで」「よろしく、ミドリ、タモツ。」 (ロボ…)3/8、ロボと魔女が出会う。3/10には、いろいろ詰め込め。そして憶いだせ。
ラッキーコア:ホームセンター

いて座
今日、公園を散歩してたら、誰もいなかった。滑り台が二つと、あとあれどうやって遊ぶんだろう、ていうなにかが一つ二つあって、誰もいない。おれは、いつもより多く3周くらい公園を回りながら、何らかの事情でこの星の文明が滅亡した後に、銀河系の端っこから調査に来た暇な考古学者ごっこをした。ふむ…それぞれのオブジェは、目的や用途がよくわからないが、周りの広くとられた空間やベンチなどを、全体的に眺めてみると、ここが憩いの空間として設計されている、と直感する。ということは、これらのオブジェは、子どもを遊ばせるための… そう、遊具なのではないか!? ならば、あの遊具でどうやって遊ぶのか、これは是非とも自分で確かめてみたい。こっちから登って、こう… そしてまた登って、こう… フフ…フハハ!楽しいぞ…楽しい!ヒャッホー!教授!ついに…わかりました! アハアハ!遊具です!遊具だったんです!!!…教授… そういうごっこだ。やってみろ。3/6とかどうだ。
ラッキーコア:それっぽさ

やぎ座
自分の中には、止まっている時間が、幾つかある。なんか「あ、」と驚いた瞬間とか、不思議なキレイなものをみてぼう、となった時とか、どうしていいかわからないまま、口をへの字にしてたら、なんとなくなんとかなった、みたいな瞬間が、その時の自分ごと、心の中に残っている。そういう止まった時間は、また動き出すこともあれば、ずっとそのまま、という場合もある。特にどうということはない。記憶の中に時計があって、その時計が3時15分だったのが、動いて4時40分になったからといって、どうということはないだろう? 時間は錯覚で、止まりも動きもしていない。全ての「いまここ」で、時計の針がぐるぐる回っているだけだ。あちこちに時計台が立っているのは、そのことを忘れないようにするためだ。時計台で待ち合わせをして、後から何度もその時のことを憶いだすと、時計台じゃないところで待ち合わせをするより、少し楽しいぞ。なんで、てことはないが、なんとなくそうなんだ。やってみろ。3/12、3/14は、待ち合わせしろ。
ラッキーコア:目印

みずがめ座
水の中に本を落としたら、紙ならふやけて、キンドルなら壊れて、それっきりだ。しかし、本に書かれていた文字は、どうなるんだろうな? だんだん読めなくなって、バラバラになって、しかしちょっとずつ、かたちのかけら、みたいのが残って、沈んでいく。象形文字ってのは、そもそもがかたちのかけらを集めたものだから、文字は逆回しに砕けていくのかもしれない。意味は溶けて流れていき、かたちのかけらが降り積り、化石標本がドンガラガシャーンと崩れて倒れた博物館みたいになっているのが、水だ。よく考えたら、DNAだって水の中の文字みたいなものだ。だから、水を飲むと何かがわかったり、逆にわからなくなったりする。水は地球を循環しているから、どこかで雨になって、誰かを濡らす。意味とか物語とかは、匂いとか色とか温度とかになっている。3/14満月におまえの星・天王星がかたちのかけらをばら撒く。うんうんつって話を聞いて、説明してみろ。
ラッキーコア:幾つかのポーズ

うお座
その光り輝く竹を、不思議に思ったお爺さんが切ってみると、中は空っぽでした。まぁ竹というのはそういうものなのですが、お爺さんはなんとなく、何かが腑に落ちません。クンカクンカと匂いを嗅いでみると、一瞬、オゾンの香りがしたような気がして、でもすぐわからなくなりました。辺りはすっかり暗くなって、大きなオリオン座が、黙って見下ろしています。お爺さんは空っぽの竹を担いで、なーんか、んー…みたいな顔をして、家に向かって、歩き出しました。暗い帰り路、フクロウが遠くから、ホゥ…ホゥ…と囁き、オコジョや、アナグマや、キョンや、ハクビシンや、とにかくなんかそういう動物たちが、闇に光る目だけになって、お爺さんと空っぽの竹をみつめます。ガラリと戸を開けて、ごぼうの味噌汁の香りにほっとしながら草鞋を脱ぐお爺さんの背中に、お婆さんが指で「の」の字を、幾つも書きながら、言いました。「お爺さん、今日川に行ったら、大きな…」「…桃、かね。」お爺さんは、お婆さんの顔をじっと見返して、長い間、黙っていました。3/1と3/14満月は、暗いところで耳を澄ましてください。誰かと。
ラッキーコア:売り場
『貼りまわれ!こいぬ』大好評発売中!





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磐樹炙弦(TOKYORITUAL) twitter @TokyoRitualJp
次回は3月16日に更新予定!
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