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コラム 2020.04.13

『月曜日のお寺ごはん』青江覚峰 浅草・緑泉寺のお坊さんによる人生相談

#70 仏教の「三密」

『月曜日のお寺ごはん』青江覚峰

今回は相談をおやすみして、「三密」のおはなしです。

コロナ騒ぎの渦中にある昨今、国も宗教も関係なく世界中の人が不安の中を手探りで過ごしています。

感染や収入の減少についての不安から、今まで当たり前だと思っていた日常がガラリと変わってしまったことへの漠然とした不安もあるでしょう。いつまで、と先が見えないことも大きな不安要素です。

そんな中、行政より3つの「密」を避けることが新型コロナウィルスの集団発生防止になるとの指針が示されたことは皆さまご承知のとおりです。

この3つの密とは

・換気の悪い密室空間
・多数が集まる密集場所
・間近で会話や発生をする密接場面

を指しています。

さて、実は仏教にも3つの密、すなわち「三密」という言葉があります。

これは密教において使われる言葉で、身体、口、意識のそれぞれの働きを示しています。ただ、この身体、口、意識というのは、私たち人間のそれではなく、仏さまについて表したものなのです。もし仏さまに物理的な意味で身体や口や意識があったとしたら、その働きはこの上なく崇高で神秘的で、人間などには想像もつかないほど素晴らしいものであろうということで、「密」という表現が用いられています。

一方、残念ながら煩悩にまみれた私たち人間の身体、口、意識は、それらによる行いが常に正しく清らかであるとは言えません。行ったこと、言ったこと、考えたことが、良いものも悪いものも自分の中に積み重なっていくさまをとらえ、仏さまの「三密」に対し「三業」という言葉で表されています。

しかし、仏教ではこのようにも教えています。本来、人間も仏さまとおなじように汚れのない崇高な存在であるのだと。仏さまは素晴らしく、人間は汚れているのではなく、煩悩によって本来の素晴らしさが隠されてしまっている状態なのです。その意味では、私たち人間の身体、口、意識の働きも仏さまの「三密」と等しく同じものであり、その本来のすがたに回帰するべく修行を重ねていくのです。

様々なメディアで「3密」というキーワードを頻繁に見聞きする昨今。何かと不安を抱きストレスを感じやすい状況だからこそ、仏教の「三密」を意識しながら、自分の行い、言葉、心のあり方に向き合っていきたいものです。

次回は4月20日更新です。

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憂鬱な月曜日を過ごしている方へ、ちょっとだけ心が楽になる、料理僧・青江覚峰さんによるお悩み相談コラム。一緒に今日を乗り切りましょう。

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