『木曜日のシェフレラ通信 うこぎんの相談室』杉田真也 スクールカウンセラーによる子どもの心と向き合うコラム
第2回 どうする?思いがけない学校でのトラブル
エレガンスイブで連載中! Souffleでも公開中のマンガ「木曜日のシェフレラ スクールカウンセラー五加木純架」がもっとよく分かる。臨床心理士、公認心理師の杉田真也さんによるコラム連載です。
子どもが小学生になり、手がかからなくなったと思ったら、学校で思いもよらないトラブルが起きてしまった。これは一体何が原因なのだろう…。いじめ? 先生のせい? それとも親の育て方…? そうやって、何が原因なのかと悩まれている保護者の方は少なくないのではないでしょうか。
原因探しがうまくいくとは限らない
こんなとき、大人が「○○君に影響されたんでしょ?」「○○ちゃんに何か言われたんじゃないの?」などと決めつけて話してしまうと、うまくいかないことがあります。事実と違うのについ肯定してしまったり、逆に反発して何も話さなくなったりと、かえって子どもの本音がわからなくなってしまうのです。
大人が思っているよりも、子どもの心は複雑で繊細です。自分の悩みをうまく話せないことは当たり前、それどころか、自分が困っていると自覚できていないことだって、決して珍しくないのです。
スクールカウンセラーの役割
子どもが親や先生にうまく話せないとき、スクールカウンセラーが力になれることがあります。
もちろん、子どもがすぐにスクールカウンセラーに悩みを打ち明けられるわけではありません。むしろ、話したこともない相手に警戒することだってあります。その中でスクールカウンセラーは、遊びや会話を通して少しずつ子どもとの信頼関係を築いていきます。
スクールカウンセラーは子どもに評価を与える人ではありません。子どもの話がどんな内容であっても決して良い悪いで判断せず、しっかりと耳を傾ける姿勢を大切にしています。
話を聴いてもらうことの意味
必ずしも子どもが大きな悩みを抱えているわけではありません。いつも明確な原因があるとは限らないのです。
何となくうまくいかないことが続いているのかもしれません。そんなとき、日常の何気ない話を聴いてもらえる体験が、子どもの自信を育てることがあります。
「こんなことを話したらおかしいと思われるかな」と、不安な気持ちを胸に秘めているかもしれません。そんなとき、どんな話でも真剣に聴いてもらえる体験が、子どもに勇気を与えることがあります。
相談することを無理強いする必要はありません。ただ、学校にはそんなスクールカウンセラーがいることを、子どもたちにも保護者の皆様にも知っていただきたいと思います。
次回は8月3日更新です。漫画「木曜日のシェフレラ スクールカウンセラー五加木純架」ためし読みはこちら▶▶
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