『木曜日のシェフレラ通信 うこぎんの相談室』杉田真也 スクールカウンセラーによる子どもの心と向き合うコラム
第6回 不登校 (2)
エレガンスイブで連載中! Souffleでも公開中のマンガ「木曜日のシェフレラ スクールカウンセラー五加木純架」がもっとよく分かる。臨床心理士、公認心理師の杉田真也さんによるコラム連載です。
子どもに非はない
不登校になると、どうしても子どもに弱さがあるのではないかと考えがちです。
しかし、不登校は決して子どもに非があるわけではありません。つらい状況、苦しい場面に対して、そこに行くことを回避したり、緊張のあまり腹痛や吐き気が出てしまったりすることは、人間として正常な反応です。大人の皆さんだって必ず経験したことはあるはずです。「学校は行くものだ」という大人の常識が子どもに重くのしかかっていることを、まずは知っておく必要があります。
休むことの意義
子どもの欠席が始まった当初は、保護者は何とか学校に行かせなければと焦ってしまうものです。しかし、まずは家を安心して休むことができる場所とすることが必要です。リラックスできる環境があって初めて、外へ出る力が溜まっていきます。
家にいる時間が増えてくると、自然と家族と過ごす時間も増えてきます。もしかすると、保護者が知らなかった子どもの一面を知る機会かもしれません。手始めに、子どもが見ているアニメや漫画、ユーチューバーなどをチェックしてみてはいかがでしょう。
また、日中は学校のことが頭に浮かびやすい時間帯です。特に登下校時間の外出は同年代の子に出会ってしまう可能性があるため、本人が嫌がるなら避けましょう。逆に、絶対に同じ学校の子に会わない市外であれば出かけたがることもあります。あくまで本人の希望に応じてですが、学校を休んでいることに後ろめたさなど感じず、学校を休んでいるからこそできることを探してみても良いのではないでしょうか。
「明日は行く」に注意
休んでいたはずの子どもが突然「明日は学校に行く」と言い出したとしても、保護者があまり喜び過ぎないほうが良いと思います。子どもは自分が学校に行けば、保護者が安心することをよく知っています。もちろん、子ども自身にも行きたい気持ちがあるかもしれませんが、保護者への気づかいである可能性を考慮しておきましょう。
ちなみに、夜に「明日は学校に行く」と言い、当日朝になって行けなくなることはよくある現象です。また、何日か学校に行けて一安心、と思ったらまた行けなくなることもざらにあります。不登校は一進一退で経過していくものです。焦る気持ちはあると思いますが、長い目で見ることが大切です。
家族以外の人とのつながり
休ませることは大切である一方で、細々とでも良いので家族以外の人とつながりを持てると良いと思います。先生との関係が良好なら、電話や家庭訪問をしてもらうなどで時々連絡を取り合います。もし学校のことを考えるだけで体調が悪くなってしまうなら、地域の教育相談センターなどにお話をしに行くこともできます。エネルギーが溜まってきたようであれば、教育支援センターやフリースクールなどの選択肢もあります。不登校の子どもへのサポートは、思ったよりもたくさんあるのです。
次回は、このサポート資源についてもう少し詳しくご紹介します。また、進路についても触れたいと思います。
次回は9月28日更新です。次回は10月19日更新です。 漫画「木曜日のシェフレラ スクールカウンセラー五加木純架」ためし読みはこちら▶▶
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