『ムーちゃん通信』赤沼美里 発達障害と自閉症がもっと身近になるコラム!
ムーちゃん通信#30「男性の育休制度を教えて!」
少しずつ取得する人も増えてきた「男性の育休」について調べました。大事な妻と子供のために、ぜひ取得しよう!
男性は育休を取りづらい
育児休業制度は、出産から子どもが原則1歳になるまで、休業を取得できる制度です。「育児・介護休業法」に基づく国の制度のひとつで、会社ごとに規定されているものではありません。もし会社に育休の規定がなくても、申し出れば育児休業を取得できますし、育休中には雇用保険から育児休業給付金が支払われます。
1992年に育児休業法が成立して以来、介護休業の制度も盛り込まれて「育児・介護休業法」に名称が変わったほか、社会情勢に合わせて数年ごとに法改正が行われています。
残念ながら、法律ができても男性の育休の普及は思うように進みませんでした。10年前の2012年当時は、男性の育休取得率はわずか1.89%・・・2020年には、12.65%まで上昇しているものの、まだまだ男性が子育てに主体的に関わっているといえません。普及を阻む背景には、企業の理解不足や同調圧力などのために、男性がいくら切望したとしても育休を取得しづらい社会環境があったからなんです。
男性版産休が創設!
そこで、2021年に育児・介護休業法が改正され、2022年4月から順次施行が始まりました。政府は2030年に男性の育休取得率30%達成の目標をかかげ、環境整備をすすめています。今回の改正でもっとも大きなポイントは、以下のふたつです。
1. 育児休業にかかわる各種義務化
→育休制度の存在を、従業員に直接伝える義務
→育休を取りやすい職場環境整備の義務
→大企業は、育休取得率を公表する義務
2. 男性版産休制度(出生時育児休業)の創設
出生時育児休業制度※ | 改正後の育児休業※ | 改正前の育児休業 | ||||
対象期間 | 子の出生後、8週間以内に4週間まで |
原則、子が1歳まで (最長2歳まで) |
原則、子が1歳まで (最長2歳まで) |
|||
申出期限 | 原則2週間前まで | 原則1か月前まで | 原則1か月前まで | |||
分割取得 | 2回まで | 2回まで | 原則分割不可 | |||
休業中の就業 |
労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲で可能 (就業日数等の上限あり) |
原則就業不可 | 原則就業不可 | |||
※いずれも2022年10月1日より施行
従来の育児休業の改正にくわえて、男性の産休制度も創設されたことで、最大4回の「男性版産休・育休」を取得できるようになりました。「妻にとって一番いい取得方法はどれか」の視点を大切に、休み方を考えてみてくださいね。
ムーちゃんからひとこと
男性版産休がつくられたのは、「産後うつ」が深刻化していることも理由のひとつだよ。もちろんママが専業主婦でも、育休を取得できるからね。パパ、応援してるよ!!!
【参考文献・サイト】
・日経xwoman/編集『男性育休義務化の基礎知識 男性育休の教科書』(日経BP、2021年)
・厚生労働省『育児・介護休業法のあらまし』
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000355354.pdf
・厚生労働省『育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律の概要(令和3年法律第58号、令和3年6月9日公布)』
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000788616.pdf
・厚生労働省『育児・介護休業法の改正経過<育児に関わる制度>資料2』
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000136911.pdf
(Webサイトは、すべて2022/05/31参照)
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