『ムーちゃん通信』赤沼美里 発達障害と自閉症がもっと身近になるコラム!
ムーちゃん通信#31「療育ってどこで受けられるの?」
「ムーちゃんと手をつないで~自閉症の娘が教えてくれたこと~」最新コミックス7巻発売記念!!
大人気コラム「ムーちゃん通信」を5週にわたってお届けいたします。
通う場合の療育サービスは4つ
療育とは、発達に偏りのある子どもが抱えている困りごとを減らし、家族や周りの人とのかかわりのなかで、その子が生活しやすくなるために行われる支援のことです。ムーちゃんのように療育サービスを受けるために通う場所には、以下の4つがあります。
特徴 | 対象年齢 | ||
①医療機関 | 障害のある子どもの医療と療育を総合的に行う |
・医師による診断と療育の指示が必要 ・医師と各種専門職が連携しながらチームでの療育が受けられる |
概ね18歳まで(医師の判断による) |
②児童発達支援センター(福祉型) | 地域の児童発達支援の中心的役割を担っている |
・療育の必要があると市区町村が認めた子どもがサービスを受けられる ・通所受給者証の取得が必要 ・受給者証の申請には、療育手帳・医師の診断書・医師の意見書などが必要になる |
就学前まで |
③児童発達支援事業所 | 障害のある親子が通いやすいように、地域内に数多く設置されている療育施設 | 就学前まで | |
④放課後等デイサービス | 放課後や長期休みに療育を提供する | 小学1年生~18歳まで | |
ムーちゃんの場合は、多摩小児療育病院(①医療機関)、星のうた学園(②児童発達支援センター)を主に利用していますね。いずれの施設でも、施設に所属する臨床心理士(公認心理師)や作業療法士、言語聴覚士などの専門職が在籍しています。それぞれの療法で、子どもひとりひとりの状態にあったオーダーメイドの療育を行います。
発達障害の診断がなくても療育を受けられます
医療機関以外での療育サービスを受けるためには「通所受給者証」が必要です。受給者証は、住んでいる市区町村に申請し、市区町村が療育の必要があると認めた場合に交付されます。申請には、必ずしも発達障害の診断は必要ではありません。3歳児検診や保育園などで療育を勧められている、我が子への接し方がわからなくて疲れ果てている、子どもの発達に漠然とした不安を抱えている、診断を受けることにはどうしても抵抗がある……悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。悩んだら診断はひとまず置いておいて、まずは保健センターや児童発達支援センターに相談してみましょう。療育を受けることで、毎日の困りごとが少しでも解消され、子どもへの理解も進むと、親子で笑顔が増えて、子育てもちょっと楽になるかもしれません。療育を受けながら子どもの発達を見守る方法も考えてみてくださいね。
ムーちゃんからひとこと
障害のある子への支援とともに、子どもを育てる保護者への支援もとても大切なんだよ。困りごとを聞いてくれる、一緒に解決方法を考えてくれる……家族以外で自分を支えてくれる専門家に頼ろう! ひとりで悩まないで!
【参考文献・サイト】
・原哲也/著『発達障害の子の療育が全部わかる本』(2021年、講談社)
・厚生労働省『児童福祉法の一部改正の概要について(平成24年)』
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsushien/dl/setdumeikai_0113_04.pdf
・厚生労働省『児童発達支援ガイドライン』
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000171670.pdf
(Webサイトは、すべて2022/08/30参照)
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