自分の状態が悪いと、ダメな男が寄ってくる
−お話を伺っていると、とてもはっきりしているので「空気を読んでしまって自分の意見が言えなかった」ということはほとんどなさそうですね。
柴田:そうですね。嫌なことは「嫌」と言えるし、「やめて」とかもハッキリ言えるほうですね。
3巻で凪の暮らす部屋のお隣に住むゴンさんが、凪に向かって「嫌いなことを口に出して言うと楽になることってあると思う」というシーンがありますよね。「そのとおり!」とすごく共感しました。
−「嫌い」という感情を自分の中で認めるのも結構大変なことですもんね。友達も同じようにはっきり言える人が多いんですか?
柴田:そうですね。まさに「類は友を呼ぶ」だなと。
クラスの中でよくある、派閥とかも苦手でした。「そういうところで気を使ってつらくなるくらいなら、一人のほうがいい」と思っていましたね。揉め事には巻き込まれないよう早々に離れる、という感じでした。そういうときだけ、「空気を読む」感じだったかもしれません。
−そんなふうに自分のスタンスを貫けたら、楽になれる人も多そう。じゃあ、人間関係で悩むようなことはあまりないんでしょうか?
柴田:そんなことないですよ! 初対面の人でもグイグイ距離を詰めてしまうし、かなりフラットにいっちゃうので、「大丈夫だったかな?」ってあとで悩むこともあります。
「失敗したなぁ」と思うときもあるんですけど、そういう時はあえて一度ちゃんと落ち込んで、友達に電話して、それでスッキリしてます。友達がいないと生きていけないですよ。
−お仕事のことも話せる友達がいるのってすごく素敵ですね。
柴田:長い付き合いの女友達が多いんです。周りから「昔の友達とずっと仲良くできてすごい」と言われることもあるんですけど、お互いがリスペクトし合えていれば、環境が変わっても、縁が切れることはないと思っています。だから、一生仲良くしていきたい女友達が何人もいます。
本当になんでも話すんです。嫌なことがあったら、悪口を聞いてもらうこともある。「女って裏でいろいろ言ってて怖い!」とか言う人がいますけど、みんながいるところでベラベラと人の悪口を言うより、裏で関係ない相手と話して消化しちゃったほうがいいと思いません?
−なるほど……!(笑)大人になるにつれ友人関係を維持するのは難しいと感じることもあるので、すごく素敵な友人関係が築けているのが羨ましいです。
−恋愛で悩むことはありますか? 好きな人とうまくいかないとか、少し欠点のある男の人にばかり引っかかってしまう、とか。
柴田:
わたし、世間的に「ダメ男」って言われる人と付き合うことはないと思うんです。だらしない人につけ込まれたり、ずるずるとあまり良くない関係を続けてしまうのって、自分が何かしら不安を抱えていたり、何かに逃げたくなってしまうときなんじゃないかなと思うんです。
つまり、自分がダメな時には、ダメな人が寄ってくる。自尊心がない時には、そこにつけ込む人がでてくる。そんな風に、自分の状態が関係するんじゃないかなって。
たまにわたしにも「ダメ男」が寄ってくることはありますけど、そういうときは「自分の状態が悪いんだな」と考えるようにしています。だからどんなに魅力的に見えてもすぐに断ち切って、自分を整えますね。
−すごい!「この人は、世間でいうダメな男だ」とわかっていても、一度好きになってしまったらなかなか抜け出せず、未練を持ってしまうという話をよく聞くので……
柴田:たとえば「浮気されたら、その男の人を見返すために綺麗になって、そのあとで振る」みたいな話を聞くことがありますけど、「なんで?もったいない!」って思っちゃいます。だって、まだその人を意識して行動しちゃってるってことですよね? 心機一転、新しい恋を頑張ったほうがよくないですか?
−切り替えが上手ですね。めっちゃ辛いことがあった時は、どうやって乗り越えるんですか?
柴田:うーん。極端ですけど、めっちゃ辛いことがあっても「50年後までは悩んでないだろうな」って思うようにしてます。「死んだら何も残らない」って思ったら、目の前のことに囚われないでいられる。考え方はちょっとネガティブかもしれないですけど(笑)。