3月頭にXに「妻が3人の子育てと家事程度で弱音を吐くのですが、自分なら余裕だし、皆さんどう思いますか、僕もご意見参考にさせていただきます」という旨のポストが投下された。
それに対し、本当に忌憚なきモラハラ野郎に対する罵倒が集中したため「何もわかっていない低能のくせに」と、投稿者が土日の間中レスバを繰り返し子育てに全く関与していないことを示すという、X民ですら「頼むからインプレ目当ての嘘だと言ってくれ」と神に祈りだす事件が起きた。
だが、その時の我々は、ほんの数日後に「娘の新品のランドセルを勝手に背負ってギャン泣きさせる父親」が話題をかっさらっていくことなど、まだ知る由もなかった。
このように、Xはオジ界隈が地獄過ぎる魔の3月になっているのだが、その裏で3月3日に「ミクシィ」が20周年を迎えたそうだ。
これもまた、オジとオバしか盛り上がらない話だが、今でもサービスは続いているし、20周年イベントが開かれるなど、今なお愛されSNSと言える。
しかし、単に懐かしいというほのぼのした理由のみで我々はミクシィのことを忘れられないわけではない。
20周年イベントの壇上で「(ミクシィには)うかつな自分が冷凍保存されている」という言葉が出たようだが、言い得て妙である。
ミクシィは現在15歳以上から使用可能らしいが、当時は18歳以上からだったと思う。
つまり、少なくとも現在30代後半以上の者の多くが、若いころに使っていたのがミクシィということだ。
つまり、今の我々の若かりしころの、イキリ、やらかしが大量にコールドスリープしているのがミクシィという遺跡である。
もし、我々の自意識が何らかの燃料になるのなら、ミクシィを発掘することで世界のエネルギー問題が解決してしまうだろう。
しかし、残念ながらミクシィに埋まっているのは、本人の顔を真っ赤にさせ暖房がいらなくなる程度のものでしかない。
「1日外出録ハンチョウ」でも、昔書いていたミクシィの日記を十数年ぶりに読み返して悶絶する回がある。
20歳前後というのは、恋愛や仕事を下手に経験し、世の中のことを全てわかったふうになっている年頃なので、ある意味中二なんかよりよほどヤバいダークマターを残してしまいがちなのだ。
そんな爆弾を埋めた場所のことを忘れるなど不可能であり、おそらく我々世代はことあるごとにミクシィのことを死ぬまで思い出すのだろう。
しかし、SNSに痛々しいことを書いてしまうのは若いころ特有の過ちと思っていること自体油断であり、人間はそう簡単に賢くなれない。
現に、今もXに痛々しいことを書いているのは、いい年をした中年であることも少なくない。
これからもネットで発言するときは、「10年後悶絶しない発言」を心がけなければいけない。
次回は4月2日更新です。
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