『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫 最近、SNSが殺伐としていないか?
#3 SNSを徹底して平和にしてみせる。
寝ている以外はツイッターを見ているため、1日16時間はSNSに触れているというカレー沢薫さん。唯一無二の居場所・SNSを平和に過ごすために、今週思いついたことは…?
SNSをほがらかに長く楽しむ方法、それはSNSならではの機能を惜しみなく使っていくことではないだろうか。
「さすがSNS!リアルでできないことを平然とやってのける!」というやつだ。
リアルの人間関係において出来ないこと、それは「嫌いな奴を無視できない」だ。
「隣の席の奴が気に入らないから口をきかない」が出来るのは小学校3年の二学期ぐらいまでだ、会社でそれをやろうものなら完全にクレイジー扱いである。
「気に入らない人間でも必要に応じてそれなりにつきあわなければいけない」それがリアルの辛いところだ。
逆に言うと「SNSではそれを絶対やっちゃいけない」ということである。リアルのストレスを解消する場のSNSで、何リアルと同じことしちゃってんだ、という話だ。
世の中に、嫌い、苦手、気が合わない人間がいるのは当然だ。
SNSは、何が流れてくるかわからないガンジス河だ、気の合わない人間のどう考えても賛同できない意見や、逆カプのエレクティン・ハレンティーノな二次創作絵が突如流れてくるかもしれない。
それを見てしまったら当然イラッと来るし、メンのタランティーノ具合が悪い時だと、相手が悪いわけでもないのに食ってかかったりしてしまう恐れすらある。
つまりSNSでは「出会ってしまったら戦いを避けられぬ運命の二人」が「いかに出会わないようにして終わる」かが重要ということだ。少年漫画なら最悪の展開だがSNSにおいては重要だ。
具体的には、ブロックやミュート機能は躊躇なく使えということだ。
これを使うことによりツイッターなら、見たくない人間の発言は自分のTLには表示されなくなるし、相手からも自分のつぶやきは見えない。
また単語をミュートすることも出来るので「からあげに親を殺された」という人は「からあげ」という単語をミュート設定しておけば自分のTLにからあげの話題は表示されない。
「からあげ 唐揚げ カラアゲ からアゲ カラあげ カらアげ カラアゲ」と登録しておくといいだろう。
そう言った機能があるのに使わず、逆カプ絵が流れて来るたびに「○○は受けだろうが!目にバフンでも詰まってんか」と憤慨していては「嫌なら見るなよ(見えないようにしろ)」と言われても仕方ない。
リアルでは「見たくない物を視界から消す」「聞きたくないことを聞かないようにする」ということは出来ず、極限まで目を細めるか、耳をふさいで「アーッ!」と絶叫するぐらいしか出来ないし、それをやるとさらに角が立つ。
だが、SNSではそれが「使って良い機能」として備わっているのだから使うしかないだろう。
「ブロック」や「ミュート」を「攻撃」と捉える人もいるし、私も運悪くブロックされている人を見ると「私の何が悪かったの」と面倒くさい彼女みたいな問い詰め方をしたくなってしまうが、「ご縁がなかった人と関わる必要がない」のがSNSなのだから「縁がなかったのだな」と思って忘れるしかない。
ブロックを押したら相手の家が爆発するというわけではない(そういう機能があったらそれはそれでいいとは思う)、
むしろブロックすることにより、相手にとっても「会ったら喧嘩するかもしれない相手」が視界から消えることになる。
やる時も「あいつのことブロックしてやったぜ」などとわざわざ言わず、気づいたら二次会にいない奴ぐらい「そっ」とやればいい。
ブロックやミュートは攻撃ではなく、すればするほど自分はもちろんSNS自体が平和になると思って積極的に使おう。
次回は11月13日更新です。
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