SNSで良い友達を作るには|ほがらかSNSライフ|カレー沢薫 | Souffle(スーフル)
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コラム 2020.01.21

『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫 最近、SNSが殺伐としていないか?

#66 SNSで良い友達を作りたい。

『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫

つながるのって難しくないですか?

ほがらかSNSライフSNSは、情報収集のツールだったり、表現を発表する場だったり、愚痴や誰にも言えない性癖を灯籠に乗せてそっと流す川だったりと、まさにオマージュ元のガンジズ川と同じように、様々な用途で使われている。

当然、ドストレートにコミュニケーションツールとして使っている人も多いと思う。
むしろ、私のように誰とも絡まず、延々自分の名前でエゴサしている奴の方が少数派だと聞いて驚いたぐらいだ。

それも、既存の友人とのやりとりではなく、SNSを通じて新しい友人を作りたいと考えている人もいるだろう。

そういう目的で使っても良いが、注意は必要である。
ネットで知り合う人間なんて、全員追いはぎだから近づくな、という意味ではない。
確かにネットには、ほぼ異常性欲者と、反社会勢力しかいないが、リアルにも猟奇殺人鬼しかいないではないか。
ネットの人間と関わるな、というならリアルの人間とも関わるべきではない、全員敵だ。

問題はどうSNSで友人を作るか、である。
結論からいうと、時間をかけて自然に作ったほうが良い。
つまり「こいつ生き別れの姉妹のようにワイと性癖が同じやんけ」と言う人がいても、いきなり「お姉さま!」と声はかけず、少し様子見をしたほうが良い。

そして相手が無害なタイプの異常性欲者であることを確認してから、「前から見てました」と若干気持ちの悪いことを言いながら近づき、徐々に親交を好かめた後「お姉ちゃん!」と言った方が良いということだ。

ならば貴様は学生時代、そういう感じで自然に友達が作れたのか、と言われると、3年かかっても無理だったので、何も言い返せないが、これが一番安全だとは思う。

逆にネットで「お友達募集!」「○○な人と繋がりたい!」と呼びかける友人の作り方はあまりお勧めしない。
そういう募集の仕方が完全にダメで、集まってくるのはサイコパスばかりというわけではないが、こちらの方が面倒が起こりやすい。

何故なら「おキャット様好きな人と繋がりたい!」と言うのは、逆に言えば「おキャット様が好きなこと以外は不問」と言ってしまっているようなものである。
例えおキャット様好きの猟奇殺人鬼が来ても「繋がりたい!」と言ってしまっている以上繋がらざるを得ないのだ。

必ずヤバい人が来るわけではないが、単純に「合わない人」が来ることもある。
そういう人と、無理に「繋がる」のはストレスでしかないため、結局そのアカウントは捨てることになってしまったりする。

学生時代、クラスには「同じ学校」「同じクラス」「人間」という少なくとも3つは共通点のある人間ばかりだったはずだが、全員と気が合っただろうか?

逆にオタクなんか、同じ作品やキャラが好きなはずなのにケンカばかりしているではないか。
○○が好きという共通点1個だけで全員と気があうわけがない。
「○○好きは全員集合!」というような、広すぎる呼びかけは面倒なことになりやすいのである。

当然「お友達募集!」などと何一つ条件を指定しなければさらに混迷を極める上「とにかくこいつは寂しがっている」と思われ、さらに追いはぎが寄ってくる率が高まる。

友人募集のみならずSNSで「呼びかけ」をするのは注意した方が良い。
呼びかけが、思いがけない広がり方をして、対応しきれなくなることもあるのがSNSだ。
呼びかけた以上、対応しなければ「無責任」ということになってしまう。

どちらかというと、「繋がりたい」と言っている人に自分が声をかける方がまだリスクが少ない。
ただ自分が声をかけた途端、その人がSNSにあまり浮上しなくなった場合「繋がりたくない奴が来ちゃったんだな」ということである。

次回は1月28日更新です。

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OL兼マンガ家から専業作家になったカレー沢薫さんが気づいたのは、「SNSにしか居場所がない」という事実。しかし、唯一無二の居場所のSNSには炎上、マウンティング、キラキラ女子など、闇も広がっているのです。インターネットという大事な居場所を地獄にしないために、カレー沢薫さんが提案する、SNSとのほがらかな付き合い方コラム。

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