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Souffle(スーフル) Souffle(スーフル) 息、できてる?
コラム 2019.01.07

『月曜日のお寺ごはん』青江覚峰 浅草・緑泉寺のお坊さんによる人生相談

#11義理の弟のことが苦手で顔をあわせても会話もありません。

『月曜日のお寺ごはん』青江覚峰

今週の相談:義理の弟のことが苦手で顔をあわせても会話もありません。どうしたら関係改善ができるでしょうか?

義理の弟さんがあまり好きではないとのことですが、それに対して「関係改善」をしたいとあります。さて、それ、本心ですか?

人間、生きていれば楽しいことばかりではありません。嫌な目にもあうでしょうし、嫌な人とも出会うでしょう。その嫌な人とそれなりにつきあっていかなけれないけないとなれば、それはもう気が重いことこの上ないですね。

四苦八苦という言葉があります。仏教で言われている8つの苦しみを示したものです。その八苦の一つに「怨憎会苦」というものがあります。これは「自分が怨んだり憎んだり嫌っている人とでも、社会生活を営む中で顔を合わせなければならない苦しみ」のことでです。

私達は、学校、会社、地域など、自分ではコントロールしきれない様々な枠組みに縛られながら暮らしています。その中では、どうしても好きになれない、むしろ大っきらい、できれば一生顔も見たくないという相手と出会ってしまうかもしれません。そうは言っても、私達は良くも悪くも社会の中で生きている、社会に生かされている生き物ですから、そんな人とでもそれなりにつきあっていかなければいけません。その苦痛と言ったら、仏教の言葉として2500年も前から言われているのですからよっぽどです。それが家族、親族の中で起きているとしたらなおさらですね。それほどの苦痛です。すんなりと解決しようなんて土台無理ではないですか?

例えば食べ物の好き嫌い。皆さんにこんなお説教をしている僕にだって好き嫌いはあります。出されたものは全ていただきますが、好き嫌いがあること自体はどうにもなりません。だからと言って、それが嫌いだと宣言して歩くことはありません。選べるのであればそれが入っていないものを注文したり、自分の皿に置かれてもあまり噛まずに飲み込むとか、他のものと一緒に口に入れるなど、それとつきあっていく工夫をしています。「これ嫌い!食べない!」と駄々をこねることもありません。

嫌いなものは嫌いでかまわないと思います。仕方ないじゃないですか。ただ、嫌いは嫌いと受け止めた上でどのようにつきあっていくかです。必ずしも関係改善、つまりもっと距離を詰め、今より仲良くしていく必要はありません。

24時間365日顔を突き合わせる相手でもないのです。時々のことなら、無理せずあまり気に病まず、自分の気持ちにちょうどよい距離感でを保っていけばいいと思いますよ。

次回は1月14日更新です。

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憂鬱な月曜日を過ごしている方へ、ちょっとだけ心が楽になる、料理僧・青江覚峰さんによるお悩み相談コラム。一緒に今日を乗り切りましょう。

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