生きがいって何ですかと単刀直入なお尋ねでしたので、まずは辞書を紐解いてみました。
いき‐がい〔‐がひ〕【生き▽甲×斐】 の解説
生きるに値するもの。生きていくはりあいや喜び。「生きがいを見いだす」
なるほど。日々を送る上での張り合いや喜びだというのが、捉えやすい意味のようです。
生きていれば、嫌なこともいいこともあるものです。
自分の人生がどんなに平凡で味気ないものに思えても、まったく、これっぽっちも、塵ほどの喜びもないというのは考えにくいでしょう。
例えば朝起きて天気が良かった。
例えば日替わりランチが好きなメニューだった。
例えば帰りの電車で目の前の席が空いた。
どれもこれも取るに足らない小さな事かもしれませんが、その瞬間は、たしかに心の中にささやかな喜びが生まれているのではないでしょうか。
けれど、それらが「生きがい」とまで言えるほどのものかというと、たしかにちょっと違うような気がしますね。
生きがいというと、もっと大きくて深い、たいそうなものでないといけないような気がしてしまいます。
しかし、果たして人生には必ずしも生きがいが必要なのでしょうか。
生きがい、即ち生きる上での張り合いや喜び。
それらは、つまり苦も楽もある人生を、つつがなく、できれば楽しく充実した気持ちで過ごすためのものです。
ということは、大きな困難に打ちのめされることなく、日々を平らかな心で過ごしていられるのであれば、生きがいなんていう大袈裟なものはなくても問題ないとは思いませんか?
もちろん、生きがいを持つのは素晴らしいことです。幸運なことです。
けれど、絶対に必要なものではない、ということです。
そもそも、年齢や環境によって自分自身の価値観も絶えず変化していく中、「これが生きがい」と思ったものだって常に変わっていくはずです。
部活で良い成績を収めるのが目標でも、部活を引退したらどうでしょう?
子供の成長を楽しみに生きても、子どもが自立したらどうなるでしょう?
ハイキングが生きがいと思っていても、老いて歩くのが難しくなったらどう感じるでしょう?
そのような刹那の喜びを拠り所とするよりも、毎日毎日繰り返す日常生活の中で、
ほんの小さな喜びに気づき、それに感謝し、温かく穏やかな気持ちで日々を送る心持ちを大切にしたいと心から思うのです。
生きがいを感じるものに出会えればラッキー。
けれど、そうでなくても人生は十分に幸福に溢れ輝いている。そんなふうに感じます。
次回は9月9日更新です。
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