『月曜日のお寺ごはん』青江覚峰 浅草・緑泉寺のお坊さんによる人生相談
#74 外出自粛の中、だらしない人を見て腹が立ちます。
今週の相談:自制できない人を見て、苛立ちが募る一方です。「行列の店に並ばずに入れた!」という知人からのメッセージに怒りで返信ができませんでした。怒ってもしょうがないことは分かっているのですが、この憤りを解消したいです。
外出自粛のこの時期に「行列の店に並ばずに入れた!」というメッセージが来たら……。
モヤッとしますね、間違いなく。腹だって立つでしょう。
実際の報道でも、自粛中にも関わらず出歩いて、結果的にクラスターを呼び起こす行動をしているととられても仕方ないような行いをする人達が取り沙汰されています。
自分は自粛しているのに。あれこもこれも我慢して、せっかくのGWも家でじっとしているのに。その努力が、こういう人達のせいで無駄になってしまう。世の中に危険が蔓延してしまう。
そんなふうに苛立つのは当然のことです。
でも、ただでさえストレスの多いこの状況です。余計なことでさらに心を波立たせてしまう前に、少し立ち止まって考えてみてください。
どれだけ憤っても愚痴を吐いても、状況は変わりません。
行政からのアナウンスは言うに及ばず、きっと身近な人々も口を酸っぱくして自粛を呼びかけているでしょう。周りを見ればお店も閉まっています。今は辛抱のときだと誰だってわかるはずなのに、お構いなしに行動してしまう人がいる。つまりコントロール不可能だということです。
であれば、それについてどのように対応すればいいのか、わたしたちは既に知っています。
それは、物理的に距離をとること。ステイホームと同じです。人との接触をしないのと同じように、怒りの元になる情報が目に触れぬようにシャットアウトするのです。SNSは友人知人の近況を知るためだけのツールではありません。節度を持ち工夫しながら使えば、自分にとって本当に必要な情報だけを入手し、負の感情を招くものを退けることは十分に可能です。
自粛続きで不便もありますが、今回のコロナ禍は自分にとって何が重要で何がそうでなかったのかを見極めるいい機会だったのではないかとも感じています。
SNSを通したお付き合いに関しても、自分にとって苦のない状況を保つにはどうあるのが適切なのか、今一度向き合ってみたいものです。
次回は5月18日更新です。
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