ハードコア犬占い【4月16日～4月30日の運勢は？】

イラスト：うかうか

おひつじ座

4/20の新月は、「からっぽ」であることの大切さをおまえに教える。息を深く吸って、ゆっくり吐いて、吐き切ってみろ。これでからっぽだ。おまえの中にはなにもない。そしたらまた息が入ってくる。これもまた、からっぽだ。必要な息だけで、胸が満たされている。しばらくすると記憶や期待が湧いてきて、からっぽの体をまた満たし始める。それがいっぱいになると、またからっぽにしたくなるんだ。時々からっぽにしろ。大掃除をして家具全部捨てました、てことは滅多にない。安心して吐き切れ。

ラッキーコア：出たり入ったり

おうし座

4/21に太陽がおうし座に戻ってくる。だからどうだということはないが、まぁ誕生日が近いから、いい気分だな。大人になると、お互いに誕生日を知っている仲というのは貴重だ。それはよっぽど仲がいいってことだ。SNSで通知が来たりするが、あまり覚えてないだろ。誕生日はプライバシーだ。訊けば教えてくれる訳でもないし、訊かれたから教えなきゃいけない訳でもない。ちょっと秘密くらいがいいんだ。そして秘密は、誰かと共有してこそ面白い。他愛もない秘密を、慎重に、覚悟を決めて、誰かと共有してみろ。そして、誰かの秘密も尊重しろ。

ラッキーコア：台所でのスクワット

ふたご座

犬は独自のネットワークを持っていて、それはインターネットみたいな仕組みになっている。おれはそれを犬ターネットと呼んでいる。公園とかで、なんとなく犬と目があうだろ。おれはそんな時「犬メール」が届いたぞ、と思う。どこかで偶然、犬と目があった誰かが、その瞬間におれのことを憶いだしたのだろう。そういうのが犬メールになって、おれまで届く。だから、おれも誰かのことを憶いだして、犬メールを返信する。メールの内容は大したことはない。だいたい「ハロー」くらいだが、実用上、それで不便さを感じたことは、おれはない。慣れてくると、月メールや風メールも送受信できる。4/23は、公園にいってみろ。

ラッキーコア：近くの公園の木の友達

かに座

適当に集めました、ていうのがよかったりする。なりゆきで、なんとなくいい感じになるものだ。お菓子の詰め合わせとか、花束とかがそうだな。特にこうしたい、ていうイメージがなくても、なんとなくこうなった、という風にポンと置くと、なんかいい感じだったりする。自分でなんとかしようとするな。宇宙にやってもらえ。おまえはその手伝いをするだけでいい。なんならおまえもまた、なんとなく、そこにポンと置かれているだけだからだ。ふと見ると、近くにもう一人二人、なんとなくポンと置かれている人がみつかる。それは、いい感じだ。

ラッキーコア：タコの遊具

しし座

季節感だ。春から初夏に向かう今の感じを、強めにアピールしてみろよ。風が通り抜けるシャツ、予感や期待としての帽子やサングラス、地面にうつる木漏れ日の模様、ちょっと先の予定、とかだ。季節感には、今こんな感じだよね、というのに加えて、そろそろこうだよね、という予感もまた含まれている。過去の記憶と未来の予感は、事実上同じものだからだ。過去数年の夏の、それぞれ最も暑かった頃を思い出してみろ。あんまり区別がつかないだろう。過去と未来の区別がはっきりしないまま、大した違いのない夏を、おれたちは何度も経験する。それがもうすぐ、またやってくる。革ジャン着るなら今だな。

ラッキーコア：そうめん

おとめ座

おれたちはいつでも、特に理由なく立ち止まって「ん？」みたいな顔をして、周りを見回してもいい。周りの人も「ん？」と思い、周りを見回したりする。「おや？」ていう顔をして上を見上げれば、周りの何人かがチラッとそっちに目をやるだろう。特に何もなかったら「いや、なんでもない」ていう顔をして、またスタスタ歩き始めればいい。誰も何も憶えちゃいない。それは句読点みたいなものだ。それ自体に意味はないが、リズムを生み出す。リズムが生まれれば、出来事が起こる。理由に先行する予感、意味に先行する無意味だ。美しさってのは、意外とそんなものだ。

ラッキーコア：年配女性の美しさ

てんびん座

遠くで起きていることを感じる。距離があるってのはありがたいことだ。近過ぎると、全体が見えなかったり、直感が効かない。遠ければ遠いほど、直感で捉えるしかない。星とか月とかがそうだな。遠くのものをみようとする時、目を細めたり、つま先立ちしてぐーっと背伸びをする。嗅げない香りを嗅ごうとし、聴こえない音を聴こうとする。それが体にいい。遠くのものに向かって手を伸ばす時、距離感が生まれ、自分がどこにいるかがわかる。届かないものに向かって、ぐーっと伸びて、笑うんだ。

ラッキーコア：靴の慣らし履き

さそり座

冷たいカレー。詩人のお腹の鳴る音。知らない誰かの肖像画。街は騒がしく、ここは静かだ。いろんな矛盾や問題が、矛盾や問題のまま時間が止まり、博物館みたいに並んでいる。ここに解決はない。解決しないからこそ、ずっと眺めていたくなる。問題や矛盾には、そういう工芸品のような側面があるんだ。解決にこだわるな。矛盾を矛盾のままに展示し、なにか詩的なタイトルを添えてみろ。ぐっとステキ感が強まる。ものは言いよう、てことだ。遠い未来に、それを眺める誰かが、何かを閃くかも知れない。4/26に博物館にいくと、矛盾と詩のどちらか、あるいは両方が得られるだろう。

ラッキーコア：ピエールバルー

いて座

タイムマシンが発明されたら、それはたぶん折り紙みたいなものになるはずだ。一枚の紙を折って重ねて、立体になる。開くとまた元通り、一枚の紙。それは一枚の紙を二枚にするような技術ではない。変わらないひとつのものが、思いがけない接点で触れ合うんだ。バロウズってやつがいて、それをフォールドインと呼んだ。最初はハサミで切ってカットアップつってたんだが、そうじゃない、てわかったんだろうな。切り刻む必要は、なかった。折って重ねて、新しいなにかが見える。それが一番ヤバくて、最高だ。

ラッキーコア：キレイな包装紙をとっておく

やぎ座

ストーンヘンジってあるだろ。なんかでかい岩を並べたやつだ。あれは春分や夏至を測るカレンダーだ、という説もあるが、どうもそうでもないらしい。じゃあ何なんだ。なんとなく並べただけかも知れないな。ピラミッドくらいになると、あれはかなり精巧に設計されているが、まぁお墓かな、くらいのことしか判っていない。大きくて重いものが並んでると、よっぽどの理由や意味があるのだろう、とおれたちは想像するが、案外そうでもないかもな。なんとなく積み上げてるうちに、だんだん上手くなった、みたいなことかも知れない。おまえも石を積んでみたらどうだ。なんとなくでいい。

ラッキーコア：石

みずがめ座

高速で回転する白い立方体が、キラキラと輝いている。そのキラキラは、よくみると反重力の天使たちで、白い立方体から飛び出しては、また戻っていく。それ以上でも以下でもない。どうだ。この風景は、おまえには何の関係もない。関係ないが、そういうことが宇宙のどこかで起きているとしたら、少し愉快な気持ちになるだろう。ならないなら、もっとリラックスしろ。自分に全く関係ない、なにか愉快なことが、どこかで起きている。宇宙てのは実際、そんな感じだ。リラックスして確信すれば、肌がツヤツヤしてきて、小躍りしたくなる。おまえの周りに、反重力の天使たちが見えるだろう。

ラッキーコア：遊覧船

うお座

準備ができたら、入ってくる。準備ってのはつまり、カタチだ。カタチが整えば、中身はいつのまにか入っている。腹減ってる時にレシピとか見てると、それを食べたくなるだろ？ 食べようと思ったものを食べてしまうように、人はなろうと思ったものになってしまう。だから気をつけろ。夢見心地が大切だ。キレイなカタチをまず整えるんだ。ミニチュアみたいに小さくて、昔のバーチャファイターみたいにカクカクしたのでいい。それが時間をかけて大きく、複雑になる。カタチを整えて、未来に自分を投げ入れると、そこに時間の道が通じるんだ。歩け。

ラッキーコア：幾何学模様