『ハードコア犬占い』 ハードコア流尾星(ながおぼし) うかうか先生の犬キャラが彩る、最強12星座犬占い!
ハードコア犬占い【10月16日~10月31日の運勢は?】
うかうか先生のイラストが彩る、12星座占い!これからは毎月1日/16日の月2回連載でお届けします。twitterでも話題のハードコア犬占い、最新回。あなたの「ラッキーコア」「運勢」「未来」をまるっと見通します!
ハードコア流尾星
★占い犬(うらないぬ)として修行の旅をしながら、迷える犬たちに助言を与えている。
すべての犬どもへ
雨の日の空は灰色で、たいらだ。晴れている時は雲が美術館みたいだったり、星空は立体的でゼリー神殿みたいだが、雨の日は、べたっと灰色一色で、奥行きも枠もなく、鬼ヶ島名物「たいら餅」みたいだ。手の届くすぐそこに永遠があって、それっきりみたいな、エラー画面みたいでもある。メンテ中です、しばらくお待ちください的な。じゃあってんで地面を見ると、こっちはアスファルトがヌメヌメ光ってて、クジラみたいだ。水たまり、盛り上がり、なんか追加でくっつけたとこ、みたいのがあって、結構ぐにゃぐにゃしてるんだな、とわかる。普段はたいらだなーくらいにしか思わないのに、面白いな。おれたちは普段、クジラの上でウヒョウヒョしながら、それに気づくこともなく、頭の上の雲美術館の新しい展示やゼリー神殿の無限回廊を、フムとかいって眺める。雨の日は、空が「お待ちください」画面になって、クジラがウネウネ動く。水たまりは全てが映るインターネットで、SNSみたいに退屈だが、まぁいいだろう。「お待ちください」画面は、いつのまにか直って、雲美術館とかゼリー神殿にしれっと戻る。その時、どんな顔をするか、だ。決定的な何かを知ってしまった後の、いつもの微笑み。しれっとな。10/17おひつじ座の満月の後、10/18に金星がいて座に、10/23に太陽野郎がさそり座に移動する。たいらなところにすいーと入っていくクジラ型宇宙船の、ワープ中の窓に映る「お待ちください」画面をデザインしようぜ。提供は「ワンネス」だ。
占い監修:磐樹炙弦(ハードコア星占い@X)
イラスト:うかうか
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2024年10月16日~10月31日の運勢は?
おひつじ座
近所の教会でやってたクリスマスの劇の、お月さんとかお星様とか上から吊るした舞台の印象が、おれにとって本当の「夜空」だったりする。大犬になった今でも、お星様は糸でぶら下がってて、満月は銀紙、もしくは穴に見える。こういうのは拭えないし、拭う必要もない。クリスマス劇よりはめちゃでかくて遠いことは、大犬のおれは重々承知だが、それでもなお、おれの宇宙はいつでも、糸で吊ったり穴を開けたりすることができる。そうする時、おれはその時一緒にいた犬たちを憶いだす。子供のときに大冒険して出会ったもの、発見したものたち、そのうち幾つかは大人たちが見せてくれたものだ。あのクリスマス劇だって、裏方には大犬たちのディレクター陣、製作陣が走り回っていたはずだ。おれに宇宙の秘密をこっそり教えた大犬たちと、ぽかーんと口を開けて劇をみつめた子犬たち、そのうち何犬かは、もうここにいない。糸で吊った星のシャンデリアの中、玉だと思ったら穴だった満月の向こうに、彼らはいる。大犬が、子犬に何をみせとくか、てことだな。10/17の満月はおひつじ座で起こる。あれは穴だ。飛び込んでみろ。
ラッキーコア:ギラギラ
おうし座
「まなざし写真館」が閉館して、だいぶ経つ。高高度軌道を周るスタジオは、次に誰かが借りる時に整理すればいい、と放置したまま忘れ去られ、おかげでメロディの小さい時のポジフィルムもプリントも、ほぼ無重力で温度変化もない環境で、完璧に保存されている。これは予想外の出来事だ。未だかつて、これほど鮮明に生育史を映像記録として保存された犬は、誰も気づいていないが、メロディが初の存在だ。博士とおばあちゃんが時々、スタジオの整理にやってきて、地球の日の出を眺めてジャスミン茶を飲んで、毎回、何も片付かなかったねぇ、そりゃそうですよ、何を片付けるというんですか、ねぇ、と言って、ハハハといってエレベータで帰る。昔、ここでウェディングを撮るのが少し流行って、雑誌にも載った。今は、ドローンで冥王星に新郎新婦をプロジェクションマッピングして撮るのが流行だ。このスタジオ衛星は少しづつ高度が下がっているが、誰も気にしない。まだ200年くらいは落ちないはずだ。博士はニヤニヤしてるし、おばあちゃんは知らん顔をしている。10/18におまえの星・金星がいて座に入る。遠くに置いてあるものを触りにいけ。
ラッキーコア:ふさふさ
ふたご座
なんかすると、あれする。おれたちはいつも反応するからな。びっくりしたり、笑ったり、怒ったり、お腹がすいたり、眠たくなったり、いつもしている。しかもそのスピードは、速くなる一方だ。おれたちはものすごいスピードで、びっくりして笑って怒って腹減って眠くなり続けている。ちょっと待て。なぜそんなに急ぐんだ? 時間がないから、ていうかもだが、地球が太陽に落ち込むまであと50億年くらいはある。そのだいぶ前に暑くなって、おれたちだれもいなくなるとは思うが、そんな今日明日って話ではない。おれたちが生きてる時間は短いから、できるだけ詰め込むんだ!ていうなら、わからんでもない。しかし、なら何を詰め込むんだ? 猛スピードでびっくりして笑って怒って腹減って眠くなってれば、詰め込めるのは主に「スピード感」だろう。なんか変だなと思ったら、ゆっくりしろ。びっくりして、笑って、怒って、お腹が空いたら食べて、味わって、お茶飲んでふーつって、うとうと、つって寝落ちして、そういう感じがどかーとどこかに積み上がって、化石になったやつを数億年後の考古学者にみせつけてやるのは、どうだ? 10/21にふたご座でセレナと木星と月が重なっていく。一つを味わい切って、それから次だ。眠たくなるまで食え。
ラッキーコア:昔のやつ
かに座
シパシパしたオーロラ色の座布団の上で、水牛のツノ付き頭蓋骨がゆっくりコナコナになっていく。もうだいぶキレイな白色で、なんだか楽しそうだ。ほんとのコナコナになって、オーロラ色の座布団だけになって、なんかのトンチみたいな光景になるのは、まだだいぶ先だろう。立派で威厳があり、お店に並べとけばあらいいわね、なんてすぐ売れそうな水牛のツノ付き頭蓋骨だが、こうして眺めている今この瞬間も、ゆっくりコナコナになり続けている。いい匂いのような風に微かについた甘さのような、そういうコナコナが少しづつ、おれたちの目や鼻や肺に入り、涙や鼻水やしゃっくりになって、それが星座になる。すいぎゅう座、とかいって、ある星のある時代に、星占いに使われたりするだろう。このコナコナを、瓶に集めて売ったらどうだ? 同じことだ。瓶もコナコナになって、しゃっくりになって、星座になるからな。びん座だ。ところでこのオーロラ色の座布団は、誰がつくったんだろうな。誰かがオーロラ色の座布団に、水牛のツノ付き頭蓋骨を置いて、いかがですか、みたいにおれたちに見せている。洒落者だな。10/24にかに座で火星と月と重なる時、おうし座天王星もあれだ。激しく奇妙に、やってみろ。
ラッキーコア:ピチピチした服
しし座
さっきスーパーのセルフレジで並んでたら、おっかさんが赤ちゃんをおーヨシヨシつって揺すって、レジしてたんだ。赤ちゃんは揺られて、なんか全てを受け入れていた。赤ちゃんの納得にも、おっかさんの揺りテクにも、「フムフムなるほど」つって論文書いて学位とりました的なノリはない。フムフムの対義語はヨシヨシかもな。フムフムすれば発明とかなんかあれして、凄いですねみたいになるが、ヨシヨシの凄いやつ、てのもあるはずだ。神のようなヨシヨシを繰り出す凄いおっかさんが、大谷翔平みたいな高給取りになっても、全然いいと思うぜ。まぁしかし、高給のためにヨシヨシできるかというと、あれだろう。誰に対してもヨシヨシできる、わけでもないしな。一つ確かなのは、赤ちゃんをヨシヨシしながらスムーズにお会計できるセルフレジシステムを、フムフム勢は命かけてつくれよ、てことだ。誰もがヨシヨシされて、フムフムして、誰かをヨシヨシする。わかったような気になるな。わかんねぇんだよ、そもそも、こんなのさ。10/17満月の時、おまえの星・太陽はてんびん座にいる。ヨシヨシとフムフム、両方やれ。
ラッキーコア:どうでもよさ
おとめ座
後でいいことがあるかも知れないが、あるよと言い切れるやつは一犬もいない。後ってのは今じゃない、てことだから、そのときおまえもおれもいないかも知れない。いいとか悪いとか決めるのはおまえだけなんだから、おまえがいない世界について、いいも悪いもない。おまえもまだいるくらいの後だよ、と言われると、なるほどそうかつってあれするし、それも大切だが、「今じゃないし、おまえがいるかいないかわからない後」の話だ、ていう原点は、変わらない。いいか。おまえがもういない未来を想像する、ていうのは、飛躍する、てことなんだ。すでに存在しないおまえが決めること、と言ってもいい。そのあたりは、すでに存在しないおまえがやっといてくれるから、すでに存在しているおまえは、気にするな。おまえは徹底的に「今」にいろ。納得するもしないも、おまえ次第だ。おまえはそういうタフな「今」に存在しちゃってるくらい、元気だ。それを疑うな。10/28、おとめ座の月がうお座の土星と対面する。いいも悪いもない。羊羹食え。
ラッキーコア:マシュマロ
てんびん座
いい魔女とわるい魔女と親戚の魔女が、ハロウィーンの予定について話し合っている。いい魔女は、渋谷に行こうと言う。わるい魔女は、お家に皆を呼ぼう、という。親戚の魔女は、どっちでもいいらしい。受験だからな。こういう組み合わせが、一番決めにくいが、いい魔女とわるい魔女は、こういう話に慣れている。今まで何千回も、ハロウィーンをやってきたからな。こういうのはどうだ。昼のうちに渋谷にいって、いいものをたくさん買ってくる。美味しいものや、仮装グッズとかだ。そして夕方から料理を始めて、19:00くらいからぽつぽつと、仲間の魔女がお家に集まる。親戚の魔女は2Fの部屋で、ケーキでも食ってればいい。パーティがいい具合に盛り上がったところで、皆で写真を撮ろう。その後は、魔女たちの秘密会議だ。来年やることについて、おおっぴらには語れないことを話し合う。3人くらいは泊まれるようにしておこう。結局毎年、こんな感じにまとまるが、仮装には流行がある。同じことをしてるのに、写真は毎年違ってて、いつ眺めても、憶いだす。10/17満月は、写真をとっておけ。バカバカしいやつと、スンとしたやつだ。
ラッキーコア:美味いものを持ってきてもらう
さそり座
花火は夏のうちに燃やしておくのがいい。秋を超えて、家のどこかに火薬のかたまりがあるのは、物騒だからな。感情というのは、花火みたいなものだ。それ自体にはいいも悪いもなく、火をつけるとパチパチいう。見方によっては、ほう、ていうくらいに美しい。花火を楽しむときは、防火の準備を怠ってはいけない。逆にいえば、万全の防火対策のもと、思う存分パチパチやっていいのが、感情の花火だ。そういうのは夢にみる。夢の中で、どうにも弁護しようがない、どうしようもない理由で、フンガーと怒っていたりする。目が覚めてから、なんかちょっと決まり悪かったりするが、いいんだ。花火だから。夢のなかで、今年の花火を全部パチパチさせて、あれあれまぁまぁ、て言うんだ。それはきれいで、哀しく、微笑ましい。ちょっとおっかない、打ち上げ花火みたいのもあるかもな。ドーンつーかパーンつって打ち上げれば、落下傘がふわーつって降りてくる。皆が煙の匂いを嗅いで、ぼう、としてるだろう。それでおしまいだ。今年の分はな。10/18に、金星がさそり座を去る。花火を残すな。
ラッキーコア:オフレコ
いて座
四角い紙を、山折り、谷折りしていくと、鶴とか舟とかになる。ORIGAMIつって海外でも人気だ。遅くとも5世紀頃にはめっちゃ和紙つくろうぜ、みたいな雰囲気で、なんか書いとこうぜってだけでなく、神様へのお供えも折り紙だし、料理やお菓子の皿とか、障子とか屏風とか、つまり家も紙でつくったんだ。たいていのことは紙折ってなんとかしてきたし、これからもそうするだろう。折り紙でつくる舟や飛行機も、実際に水に浮かぶし空も飛ぶ。人工衛星の太陽光パネルも、折り紙の原理でつくった凄いのがある。この後はたぶん、折り紙で量子コンピュータやタイムマシンもつくるだろう。裏と表、あっちとこっち、つまり次元を、折って重ねて畳み込むのが折り紙だから、何も不思議なことはない。あとヤバいのが、折り紙で作った量子コンピュータもタイムマシンも、ほどいて開くと、一枚の紙に戻る、てことだ。この事を覚えておけ。なんか難しそうなことをゴニョゴニョ言われたら、心の中で折り紙を折って、ほどいてみろ。この宇宙で起きていることは、それ以上でも以下でもない。10/21におまえの星・木星がふたご座で月と重なる。わからなくてもわかったつもりでいろ。
ラッキーコア:折り紙
やぎ座
どっしり重たくて甘い闇、それが羊羹だ。砂糖と小豆と寒天を混ぜといて、流し込む型のことを「舟」という。そして羊羹の数え方は棹(さお)だ。棹てのは「かたくてながいもの」で、もっと昔は卓のことでもあったらしい。これは明らかに、羊羹は宇宙船、タイムマシンであることの証拠だ。面白いのは、舟に流し込んだ甘い闇が、プルンプルンしてながいものになったやつが羊羹だ、てところだ。宇宙船というより、宇宙船の中で体験されている時空のほうを、おれたちは食べている。まぁ、そういうことでいいのかも知れないな。フェリーに乗るのは、目的地があるからだ。フェリーの甲板でビョエーみたいに風に吹かれて、へぇ島だ、波だ、大観音だと体験しながら、45分くらいで鬼ヶ島につく。甲板で感じた風や香りは、おみやげの羊羹になって、まぁおばあちゃんとかに渡すだろ。おれたちが宇宙船で、おれたちがタイムマシンで、おれたちが見たり聞いたり感じたことが、プルンプルンしてながくて甘い闇になり、どこかにいくんだ。なんだ、そういうことだったのか。10/24にやぎ座の冥王星とかに座の月が対面する。とにかく羊羹だ。いいのを調達しろ。
ラッキーコア:サウナ
みずがめ座
20世紀稀代の魔術師として知られるクロウリーおじさんてのがいて、なんかいろいろ大変だったんだが、それでも割と長生きした。最期は、多くはないけど献身的なお弟子さんたちに看取られて亡くなったんだが、最期の言葉は「わしは戸惑っておる…(I am perplexed.)」だったと云われている。まぁなんかでも、わかるよな。わかるってことはないんだ、てことが、なんとなくわかる。わかるってのは、つまり言葉で説明できる、てことだ。でも言葉てのは、なにかを説明するための記号だ。どんなに上手く言葉で説明できても、それはプラモがきれいにできました、みたいなことで、宇宙で起きている「なにか」そのものではない。一生かけてすごいプラモを完成させてもいいが、完成するかしないかと言えばまぁしないだろう。どこが「完成」なのか、誰にもわからないからだ。じゃもう言葉いいや、プラモもういいや、つって、ほげぇーつって「なにか」に突入していく時、「わかった」でも「わからない」でもない、「ほげぇー」て顔になるのは、そりゃそうだろうと思うし、そこで「ほげぇー顔」ができるのは、さすが、つか、正直つか、そうありたいものだ。10/19の23:00、おまえの星・天王星と月がおうし座で重なる。だからどうだってことはない。ほげぇーだ。
ラッキーコア:クロウリー
うお座
二種類の時計がある。みんなの時計と、自分の時計だ。しかしまぁ、みんなの時計というのも、よく見るとそれぞれが自分の時計を持ち寄って、あーでもないこーでもないと付き合わせている、そんなものだ。テレビとかネットとかは「これが皆の時計です」みたいに言いがちだが、やっぱりそんなこともない。グリニッジ標準時、とかいって、時間の基準は一応決まっているが、だからなんだ、て話だ。オーケストラで、ラの音を440hzにするか443hzにするかとかも、結構適当なんだぜ。集団が苦手、て犬は、こう考えてみろ。基準てのは結構いい加減だから、おまえは自分の時計、自分のラの音を、なるべく貫くんだ。そうすると、集団の基準が、ちょっとそっちにひっぱられる。なんなら、いいね!みたいになる。肋骨の真ん中あたりに音叉を想像しろ。どうしよっかな、て時に、音叉をチーンと鳴らして、黙るんだ。面白いことに、そこにいる全員の音叉に、それは影響する。何も言わず、音叉を鳴らして、あとは星座のことでも考えてろ。いろいろあって、飯食って風呂入って寝るだろう。寝たり起きたりするのが、おまえの時計だ。それでいい。10/21、おまえの星・木星が双子座で月と重なる。誰かとせーので、なにかやれ。
ラッキーコア:路上
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うかうか twitter @nknk6164
磐樹炙弦(TOKYORITUAL) twitter @TokyoRitualJp
次回は11月1日に更新予定!
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