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コラム 2020.09.08

『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫 最近、SNSが殺伐としていないか?

#99 話題づくりのタイミング

あれって、1週間前だったっけ…?

ほがらかSNSライフ先日我らがツイッターは、大阪・関西万博のロゴマーク「いのちの輝きくん」の話題で持ちきりであった。

であった、と過去形なのは、発表から4日経った今、初日に比べ、ツイッター上で彼の姿を見ることが激減しており、これが掲載されるころには「随分昔の話題を持ってきたな」と言われてしまう恐れが十分にあるからだ。
これは、輝きくんに限ったことではなく、ツイッターの話題というのはとにかく腐りやすい。

ツイッターというのは、連日、何らか事件、事故、災害が起きるという、世界一治安の悪い場所である。
何故、これだけ大人数が正気でこんなところに住んでいるのか不思議なくらいだ。
毎日誰かの家が燃えているため、ツイッターの住人は三日前燃えた家の名前など憶えていられず「そういえばそんな家も燃えたなあ」という感覚なのだ。

よって、ツイッターで自分の集落燃えてしまったという人も、3日もすればかなり鎮火し、野次馬も別の火事場に行くので、下手に初日に火中に特攻したりせず、せめて3日経ってから動こう。

現在、何かを成功させるためには「SNSでバズる」ことにが重要になって来ており、特に宣伝費がないものだと、ネットで話題になるか否かで生死が決まると言っても過言ではない。
しかし、SNSでバズらせると一言で言っても簡単ではない。我々が目にするのはバズったものだけであり、その足元には、バズを狙ってバズらなかった夥しい数のいちのの燃えカスくんの死体が転がっているのである。

不発なだけならまだ良いが、勢い余って「ただの炎上」になっている物も少なくない。

「炎上マーケティング」などという言葉もあるが、焼き畑農業と同じで話題になったとしても、燃えた土地が深刻なダメージを負うことは避けられないし、最悪、作物すら得られずただの焼身自殺になっているパターンもある。

特にツイッターは、金塊よりもデカいウンコが流れてきた方が盛り上がる世界なので、炎上ではなくポジティブな方向に計画的にバズらせるというのはなかなか難しい。
よって企画書に「ネットでバズらせる」とだけ書いてあるのは、ベンチで監督が「ホームランを打て」とサインを出しているのと変わらない。

それを考えると、大阪・関西万博の広報はデキると言われているが、バズらせるのも難しいが「バズらせるタイミング」というのも難しい。

前述の通り、ツイッターの話題というのは超スピードで腐るため、肝心の万博が開催されるころにはすっかり忘れられている恐れもある。
また、話題になったものほど、ブームが去ると「古い」「ダサい」「今更」と言われがちになるのだ。
逆にバズったせいで、商品が発売するころには、家に置くのも憚られるようなダサアイテムになっているという危険性もある。

幸い大阪・関西万博の開催は2025年と大分先であるが、これが一ヵ月後とかだったら危なかったかもしれない。
5年もあれば、タピオカのように今度はいのちの輝きくんをミルクティーに入れてみるなど、一周回って再度バズらせることも可能であろう。

そこまで計算に入れているなら、万博の広報はやはりデキると言える。
このように、広報がどれだけネットマーケティングに精通しているかで明暗が分かれる世の中になってきたように思える。

ちなみに漫画家も担当がSNS広報が上手いか下手かというのは割と重要である。

わかったか、もっとしっかりしろ。

次回は9月15日更新です。

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『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫

『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫

OL兼マンガ家から専業作家になったカレー沢薫さんが気づいたのは、「SNSにしか居場所がない」という事実。インターネットという大事な居場所を地獄にしないために、カレー沢薫さんが提案する、SNSとのほがらかな付き合い方とは?

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