先日、カフェで旅行計画を立てている女子グループが、カフェに飾られている風景写真に興味を持ち、ここどこだろうとAIスマホで撮影してみたら秒で場所がわかるというCMを見た。
女子、カフェ、旅行計画、オシャレな風景写真、と極力異臭を消すファブリーズ要素満載なせいで違和感を感じづらくなっているが、これを「無敵の人」「SNSにアップされた女児の写真」などに置き換えるだけで一気にただ事じゃなくなってくる。
CMの写真は海外だったので、日光に行く予定(推定)だった女子グループが突然「ここに行こう」とはならないかもしれないが、女児がたまたま近くに住んでいそうとわかったら、行ってしまう者も現れてしまうのではないか。何せこういうタイプは時間だけはある。
少なくともカフェで旅行計画を立てる女子グループより、SNSにアップされた推しの写真からとりあえず場所特定を試みてしまう俺たちの方が多数派だろうし、そうあってほしい。
実際、SNSにアップされている写真の背景から場所が特定できたという報告はある。
牛久大仏前など、検索しなくてもわかる場所や飲食店など、元々住所が公開されている場所ならいいかもしれないが、それらの情報から「この近くに住んでいる」と特定されるだけでも危険である。
今後SNSに写真を投稿する時は今まで以上に注意が必要ということだ。人の顔だけでなく、背景にもモザイクをかけるべきだろう。
つまり全面モザイクであり、もはや写真をアップする意味すらないので、「自分で撮った写真は一切載せない」という手を使うのもありだ。
気軽に思い出写真をSNSに載せることもできなくなった窮屈な世の中、と思うかもしれないが、そもそも個人的な写真をネットに上げて不特定多数に見せること自体、ここ数十年で急に興った文化である。
それ以前は写真はアルバムに保管し、近しい人にしか見せなかったのだ。
それがネットとSNSの普及により、路上にアルバムを広げて放置するのが普通になった。
ほとんどの人間は他人の写真になど興味を示さないが、多くの人間が目にすることになれば、良からぬことを考える奴が一人ぐらい現れてもおかしくはない。
鍵がかかってない家でも、中に入って冷蔵庫を物色したら合法ではないのと同じで、どれだけ無防備な写真が置かれていても住所を特定してアクションを起こしていいわけはないのだが、そういう道理が通じない人のためにしなければならないのが「自衛」なのだ。
画像からの住所特定が簡単になった今、プライベートな写真の扱いはアルバム時代に戻る必要があるのかもしれない。
不特定多数に写真を晒すことができなかった当時、人々が満たせない承認欲求で爆発していたかというとそんなこともないので、そのうち慣れるだろう。
しかし、そうなると路上で見つけたフリーのおキャット様写真をネットに上げる人間もいなくなってしまうということだ。
そうなったらもはやネットやSNSの意義すらない。早急にAIスマホやSNS、法律は対策を講じるべきである。
次回は5月27日更新です。
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