君は何故Xをやっているのか。
壮大な説教の始まりのようにも聞こえるし、人によっては侮辱と感じるかもしれないが、純粋な問いだとしたら私は「宣伝のため」と答えるだろう。
実際は宣伝よりも1秒間に10回のエゴサや、おすすめ欄を「汚い日」と「すごく汚い日」に分ける水質調査に費やしている時間の方が圧倒的に長いのだが、私自身の投稿に宣伝が多いのは事実だ。
X川がすぐ氾濫し、台風明けの東京湾みたいな水質になるのは拡散力が強いからであり、炎上した時は最悪だが、バズればかなりの宣伝効果が見込めるので、宣伝のためにXをやっている者も多く、その情報を得るためにXをやっている者も多い。
しかし最近昔ほど投稿が拡散されなくなったという声も聞くし、最近私も投稿がバズった記憶がない。
単純にオワコンになっただけな気もするが、それを認めると人生というコンテンツを閉じることになるので、別の理由を考えるとすれば、「アルゴリズム」の変化の可能性がある。
SNSでいう「アルゴリズム」とは、投稿の表示されやすさであり、アルゴリズムに合った投稿をするほど、他人のタイムラインに出現する頻度が増え拡散されやすくなる、ということだ。
しかしアルゴリズムは世間に公開されているわけではない。ではどうやってアルゴリズムを読むかというと、投稿方法とインプレッション数の調査、もしくは「イーロンの調査」である。
イーロンはユーザー同士のコミュニケーションを推奨しているから、リプ欄でのやり取りから活発な投稿ほど表示されやすく、逆にいかにもこんなドブ川より外部サイトに行こうね、というURLつきの投稿は表示頻度が下がるなどが、イーロンの発言により分析されている。もはやXはイーロン攻略シミュレーションでもある。
確かに、宣伝を投稿するならたくさん表示されるにこしたことはないのだが、最近は漫画もSNSでのバズばかりを狙う風潮ではなくなってきている、という。
数が増え過ぎて、少しバズったぐらいでは効果がないというのもあるかもしれないが、個人的にはSNSでバズを狙い続けるのは疲れるからではないかと思う。
Xは拡散速度は速いが、下流に流れるのも早いので、次々にまたバズる漫画を描こうと思ったらあっという間に作家が消耗してしまう。
またSNSは数字がはっきり出るという点も問題であり、繊細な作家だと「前投稿したものより、いいねが7少ない」というだけで手首の傷が7、両手で計14個増えかねない。
しかし数あるマーケティングの中でも、SNSでのバズは比較的効果があるのも否めないため、SNSに漫画を投稿する手間を惜しみ過ぎてもダメなのだ。
少なくとも、単行本発売に合わせて書かされた700冊のサイン本より、SNSでの700リポストの方が効果があるような気がしてならない。
ともかくマーケティングは作家の仕事ではないので、作家に無理をさせ過ぎてはいけないし、無理をさせるならせめて効果のあることをさせてほしい。
次回は10月28日更新です。
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