『ムーちゃん通信』赤沼美里 発達障害と自閉症がもっと身近になるコラム!
ムーちゃん通信#18「応用行動分析学(ABA)ってなあに?」
ABAって知っていますか? 発達障害児だけではなく、子育て全般に役に立つ考え方です!!
行動を科学的に読み解く
応用行動分析学(ABA)とは、「その人はどうしてそのように振る舞うのか」を科学的に読み解いていく学問のことです。「え、そんな簡単なことなの」と思うかもしれません。でもこんなことを言ったことはありませんか。
・怒りっぽい性格をしているから、あの人はまた怒鳴っている
・だらしがないから、歯を磨かない
・発達障害があるから、授業中に立ち歩いている
一見正しく見えますが、実際の行動を見て「こういう人なんだな」と無意識にラベルづけをしてしまっています。ABAでは直感や主観でのラベルづけなしに、他の人も検証できる形で示しながら行動の理由を明らかにします。
行動に焦点を当てる
ABA療法は、ABAの考え方を使って気になる行動を減らし、適切な行動を増やしていく療育方法です。ABAで一番大切なことは、行動に焦点を当てること。行動のABCフレームと呼ばれる枠組みを活用し、行動をABCの三段階に分割します。これまでの研究から(C)の結果によって(B)が起こりやすくなったり、起こりにくくなったりすることが分かっており、(B)を変えるために(C)に着目します。
ABCフレームで見てみよう
それではABCフレームで実際の行動を見てみましょう。
問題が分からなくて、(B)泣き叫ぶ行動のあとで(C)宿題がなくなりました。そのため今後も難しい問題が出たときにも、泣き叫ぶ行動が続けられてしまいます。
【代わりになる行動を考えよう】
(1)同じ(C)をもたらす(B)がないか
(2)褒められる・注目される・楽しくなる結果(C)につながる行動がないか
【こんなことに注意!】
きちんとできていることに無反応だと、適切な行動(ここでは宿題を終わらせる行動)をしなくなることがあります。できていることがあれば、すかさず注目する・褒めることが大切です。
ムーちゃんからひとこと |
【参考文献】
・三田地真実・岡村章司/著、井上雅彦/監修『保護者と先生のための応用行動分析入門ハンドブック-子どもの行動を「ありのまま観る」ために』(2019年、金剛出版)
・shizu/著、平岩幹男/監修『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』(2013年、講談社)
次回は2月5日更新です。
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