『逃げることは戦略である』 ぱぷりこ 暗黒大陸みたいな場所にとどまらないために。
#5 逃げることにはメリットがたくさんある。
モラハラ彼氏やブラックな職場、毒親から「逃げてもいい」。そんなふうに言われても、実際逃げるには戦略が必要。「妖怪男子ウォッチ」のぱぷりこさんと一緒に考える、逃げ方ガイド!
連載第3回、第4回で、逃げたいのにうまく逃げられない理由を7つ述べました。
1 逃げるメリットを知らない
2 逃げるコストとリスクを過大に見積もっている
3 逃げることへの罪悪感がある
4 主語を間違えている
5 自分の「理想」をわかっていない
6 自分の「現状」をわかっていない
7「ギャップ」を埋める手段を知らない
これらの理由を、カテゴリごとにまとめてみます。
■他者からの圧力問題
・逃げることへの罪悪感がある
・主語を間違えている
■知識がない問題
・逃げるメリットを知らない
・逃げるコストとリスクを過大に見積もっている
・理想と現実の「ギャップ」を埋める手段を知らない
■自分について考えていない&知らない問題
・自分の「理想」をわかっていない
・自分の「現状」をわかっていない
・主語を間違えている
いくつか被っているものがありますが、だいたいこの3つのうちどれかに当てはまり、カテゴリはそれぞれ影響しあっています。
知識がないと、他者の呪いを信じてしまいやすい
まず、「知識がない」問題と「他者からの圧力」問題。「逃げると自分にとっていいことがある」「逃げてもどうにかなる」という知識がないと、他者からの「逃げたら終わり」「逃げたら戻れない」といった圧力をそのまま信じてしまいます。また、小さいころから「逃げてはいけない」と他者(親や親族、先生など)からすりこまれていると、最初から「逃げるとだめだ」と信じて、逃げるための知識を得ようとしなくなります。
たとえば、学校がつらくて逃げ出したくても「逃げちゃだめ」と親から言われれたり。毒親に苦しんでいるのに、「親は大事にしないと」「子供を大事にしない親なんていないよ」とキラキラうんこ美談をぶちこまれたりすると、本当は逃げる道があるにもかかわらず、「逃げる道がない」「我慢するしかない」と思いこんでしまいます。
知識がないから、他人の言う呪いを信じてしまい、他人の言う呪いを信じてしまうから、知識を得る機会を失ってしまう、という悪循環です。
自分の意志を自覚してないと、他者を主語にしてしまいやすい
そして、「自分について考えていない&知らない」問題と、「他者からの圧力」問題も関係しています。「私はこうしたい」「私は怒っている」など、自分の感情や意思の理解がじゅうぶんでないと、「あなたはこうすべき」「お前はこう思っているはず」「みんながこうしているから、従うべき」という他者の声に飲まれやすくなります。また、防御力も低くなります。「苦しいから逃げたい」といったとしても、「じゃああなたはどうしたいの?ほら、すぐに答えられないでしょう。だったらこちらの言うことに従ったほうがいい」と丸め込まれてしまいます。それに、まんがいち逃げたとしても、自分が向かいたい先がわかっていないため迷子になってしまい、また「自分以外の誰か」の声に飲まれてしまう危険性があります(モラハラ人間から逃げたのに、また似たモラハラ人間につかまってしまう人などは、このパターンと言えるでしょう)。
「私」の意志や感情をはっきり自覚していないから、他人の言うことを「自分が考えていること」と勘違いしてしまい、主語を間違えたまま過ごし、「私」の意志や感情を深堀りする機会が見つからない、という悪循環です。
邪魔するブロッカーはこうやって解決する
この悪循環とお邪魔虫どもをぶったぎり、さくっとトンズラできる戦略を身につけるには、どうすればいいのでしょうか?
・他者からの圧力問題→ブロックする
・知識がない問題→知識を身につける
・自分について考えていない&知らない問題→自分について考える&知る
わーいシンプル〜。
この3つは、同時並行にやっていく必要があります。中でも大事なのが「自分について考える&知る」です。自分のやりたいことや逃げる先、逃げる戦略は、「自分」の中からしかうまれないからです。しかし、ここは時間がかかります。なので、知識を身につけ、他者の圧力を総スルー&ブロックして、「自分」を主語にして考えることが必要になります。
次回は11月22日更新です。
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