『ムーちゃん通信』赤沼美里 発達障害と自閉症がもっと身近になるコラム!
ムーちゃん通信#21「自閉症のある子のトイレトレーニング」
自閉症の子のトイトレ、タイミングが難しいですよね。いつから始めればいいのか、見極め方などをお伝えいたします。
準備ができているか見極めよう
自閉症スペクトラムのある子は、トイレトレーニングに通常よりも長い期間がかかる場合が多いといわれています。個人差はあるものの、以下のような理由が考えられます。
・赤ちゃんの頃からおむつの中に排尿・排便しており、特性のために慣れ親しんだ手順を変えづらいから
・おむつとは肌触りの異なる下着を嫌がる、失敗して下着が汚れるのを極端に嫌うから(感覚過敏)
・下着が汚れても気にならない(気づきにくい)から(感覚鈍麻)
・音やせまい個室など、トイレを怖がることがあるから
トイレトレーニングには根気と体力が必要です。負担を最小限に抑えられるように、トイレトレーニングを始められるかどうか事前に確認しましょう。
【チェックリスト:本人の行動】ひとつでも当てはまれば準備OK!
□おむつや衣服が濡れたり汚れたりしたことに気づいている、もしくは嫌がる
□浴室、トイレ、手洗い、衣服を脱ぎ着することに興味・関心がある
□他の人がトイレに行くことや手を洗うことに興味がある
□トイレットペーパーや水を流すことなど、トイレに関連するものに興味を示す
【チェックリスト:本人の身体的状況】ひとつでも当てはまればまだ早いかも!
□お昼寝のときに、おねしょをする
□2~3時間でおむつが濡れている
□便通が規則正しくなく、寝ているときに大便をもらす
先輩たちの経験談!
今回は特別支援学校に子どもを通わせるお母さんたちに、トイレトレーニングで工夫したことを聞きました。ぜひ参考にしてみてくださいね。
【工夫1】がんばりすぎない!
・1日に3枚パンツをぬらしたら、その日はおむつにする
【工夫2】時間がきたらトイレに誘導する
・出ても出なくても時間を決めてトイレに連れていく
【工夫3】絵カードを使う
・トイレの一連の動作を絵カードで伝える
【工夫4】支援方法を統一する
・家、学校、療育施設で声かけの語句、絵カードなど支援方法を統一する
【工夫5】好きなこととセットにする
・クイズ形式で教える、できたらご褒美など、本人の好きなことに結びつける
【工夫6】トイレに興味を持ちだしたら町のトイレを探索する
・ショッピングセンターなどのきれいなトイレを巡り、トイレに慣れてもらう
ムーちゃんからひとこと |
【参考文献】
・マリア・ウィーラー/著、谷晋二/監訳『自閉症、発達障害児のためのトイレットトレーニング』(2005年、二瓶社)
次回は11月23日更新です。
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