ここ数年でAIがずいぶんと身近なものとなった。
飲食店などでAIが接客をしていることも珍しくはなく、その結果クレーム件数が減少したという。
これはAIの方が永遠に「研修中」の札がとれないそこらのバイトよりよほど優秀なため、クレーム沙汰自体が減っているというのもあるだろう。
またはファミレスで五目あんかけそばをぶっかけられてうずらの卵が股間に着地したとしても、相手がおキャット様配膳ロボであれば怒り以前に「俺の方が取りに行くべきだった」という反省が生まれるし、別段猫が好きでない人でも「ロボに怒っても仕方がない」という寛大な気持ちが生まれるのかもしれない。
だが逆に言えば人間だったら許せねえし怒るかもしれない、ということでもある。
つまり人間は「相手を見て行動を変えている」ということだ。
過去に「誰でもいい」と言って元力士を襲った真性の無差別通り魔がいたそうだが、大体は誰でも良かったと言いつつ、弱い者を狙っていたりする。
クレームも、店員がKISSのコスプレをしている屈強な男性ならかなり言いづらいが、逆に言いやすい風貌ゆえに注意を受けやすいという人もいるだろう。
他にも、道を聞かれやすい人や、職質を受けやすい人など、見た目や雰囲気により何らかの標的にされやすい人というのは存在する。
そして「SNS上で絡まれやすい人」もおそらく存在するのだ。
某漫画家の方は年に1回のペースで別々の方から「私の脳内を勝手に漫画にしないでください」的なメッセージをいただくという。
本人はこの事象を「自分はエッセイをやっているので読んだ人がシンクロしてしまいがちだからではないか」と分析していたが、私も十数年エッセイをやっているが、未だかつて誰もシンクロしてきたことがないし、今までのネット人生でも様子がおかしい人に絡まれて困った経験がほとんどない。
しかし、現実であれば、小柄な女性など見た目が弱そうな人が標的になりやすいが、ネットでは見た目はわからないことが多い。一体どこでネット上で絡まれやすい人と絡まれにくい人は判断されているのか。
おそらく絡んでくる人は、それに対し「反応を返してくれそうな人」を見極めて絡んでいるのではないだろうか。
ロボに絡んだり駅の構内で自販機に体当たりしている人があまりいないのは、それをしたところで生きた反応が返ってこないからだろう。
それらの人々には、エッセイをはじめとする私の発信するものが全て「一方通行」であることがバレてしまっているため、あまり絡まれないのかもしれない。
やはり獲物を探す人間の「嗅覚」は凄まじいのである。
ちなみに現実世界での絡まれやすさは、金髪にしたり見た目を尖らせることでかなり軽減されるらしいので、やたら知らない人に絡まれるという人は、一度KISSのコスプレをお勧めする。
次回は1月9日更新です。
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