これを書いているのが1月2日の早朝である。
すでに老人特有の早寝早起きが発症しているため大晦日に12時まで起きているなど不可能、いつも通り就寝し、いつも通り枕元に置いてあるスマホでXを開くところから2025年は開幕した。
去年1年だけでも恐ろしいほど荒廃し、パリ市長に「世界規模の下水道」とパリジェンヌの口から出たとは思えない雑言を吐き捨てられたXだが、わざわざそんな肥溜めの蓋を開けて覗いているお前が悪いとも言われ続けている。
確かに親を人質に「Xのおすすめ欄を62時間見ろ」と脅されているわけではない。そんな暇があるならイーロンの親族を人質、なんなら本人に直接銃口を向けてロゴを鳥に戻すところからはじめるべきだ。
しかしそこに、おキャット様がいるかぎり見る価値はあるし、ラオウ様も「くどい!どれだけ汚れようが構わぬ、最後に子猫の画像が流れてくればよい!」と断言してくれている。
しかし1月1日にXのおすすめ欄を見て、その通常営業ぶりに気分を害していることに関してはラオウ様も、「そりゃ元旦にX見てるうぬが悪いよ」と諭し顔だ。
だが、逆に言えば、新年早々嫌な目にあっている人間がそれだけいるということだ。
むしろ年末年始は、子どもが冬休みな上、親戚が集まりがちなため、中年世代にとっては最も嫌なことが起こりがちな期間と言っても過言ではない。
しかし、そんな実情と反比例して、世間では正月は一片の曇りもないめでたき日とされており、正月ぐらいは笑顔ですごそうという同調圧力で支配されているのだ。
そんな圧力から解放され、正月早々起こった嫌なことを吐き出してもいいのがXなのだ。そんな人たちに、「正月ぐらいXに愚痴を書くのはやめたら」などと言ったら、「じゃあ現実で暴れてくるわ」となり、窓の外が一瞬で核の炎に包まれかねない。
正月でもXが通常運転なのは悲観することではない。逆に正月でも急患を受け入れてくれている病院のような頼もしさだ。
むしろ新年早々、これだけ急患を出し、それを見てくれる病院どころか、具合が悪くなったことすら口に出せない日本の正月の方がよほど恐ろしい。
そもそもXは荒れていると言っても、荒れているのはXではなくそれを使う人間の心であり、Xがそれを取り締まっていないからさらに荒くれ者が集まるというだけなのだ。
しかしXとて正月に起こった嫌なことを書き込むだけの場ではなく、単純に「あけましておめでとう」と新年のあいさつを書き込む場としても使われている。
世の中には「あけましておめでとう」と言ったり言われたりする相手がXにしかいないという者もいる。
XはSNS界の福祉だ。そんなの必要ないのが一番だが、今のところ必要なのである。
次回は1月28日更新です。
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