『ハードコア犬占い』 ハードコア流尾星(ながおぼし) うかうか先生の犬キャラが彩る、最強12星座犬占い!
ハードコア犬占い【2024年犬半期(1月〜6月)の運勢は?】
2024年明けましたね!うかうか先生のイラストが彩る、Twitterでも話題のハードコア12星座占い、年に2回の特別版が星座イラストもリニューアルして強力登場!
2024年犬半期、あなたの「ラッキーコア」「運勢」「未来」をまるっとお見通し!
ハードコア流尾星
★占い犬(うらないぬ)として修行の旅をしながら、迷える犬たちに助言を与えている。
すべての犬どもへ
新しいおはなしが始まるとき、まずはこれまでのおはなしが憶いだされる。そもそもなんだっけ、てことだ。過去を憶いだしながら、前は気づかなかった伏線や、実はこうでした、という意外な発見をする。なんなら、新しいおはなしの半分くらいは、前回までのおさらいだ。新しいおはなし自体が、過去に戻ったところから始まることもある。スターウォーズとかそうだろ。記憶のなかに入っていくと、そこに新しい世界、あたらしいおはなしが広がっている。過去と未来ってのは、実は一直線に並んでいるのではなく、過去のなかに未来が、未来のなかに過去が入っていて、とても複雑なんだ。
こういう複雑な時間の森を、おれたちは「既視感」を頼りに、進んでいく。いつもの通り道なのに、新しいお店ができている。最新のテクノなのに、なぜか懐かしい。そういうポイントが、おはなしの分岐点だ。知ってる感じや懐かしさに、新鮮な、見たことない感じが重なっていく。それを何度か繰り返すと、いつのまにかすっかり違ったおはなしになっている。そこでまた、「大きな懐かしさ」の波がくる。懐かしい野郎たちが「やぁ!」と現れて、しっぽを振る。繰り返しだ。
2024年1/21に、冥王星がみずがめ座に移る。前に冥王星がサインを移ったのは2008年だから、16年ぶりの、新エピソードの始まりだ。前のエピソードは「かたさ – Ka・Ta・Sa – 」というタイトルだったが、今回は「ワンネス… しっぽよさらば」だ。どんなおはなしだろうな! タイトルからは全く想像がつかないが、はじまり部分は決まってる。「おれたち、そもそもなんだっけ」だ。今なのか過去なのか未来なのかわからないシーンで、凄い勢いで憶いだすだろう。あのしっぽが実はメカだった…!? という秘密が明かされたりもするだろう。既視感の森に、入っていく。嗅いだことのない香りと、聴いたことのない音が、不思議な懐かしさを連れてくる。もっと懐かしいほうへ、確かこっち、そんな気がする、そんな風に、入っていけ。未来は常に、懐かしい。
ロボのコンビニ、揺らぐ量子場ディスコ、フリスビー型のUFOを、あいつが駆け抜けていく。おまえはあいつを知っているはずだ。あのしっぽ、忘れるわけがないからな。速度にのれ。記憶の重力場をぶんぶん回って、遠心力を高めるんだ。おまえにもしっぽがある。それがジャイロで、ソナーで、ワンネスのしっぽ、その半分だ。
1月は懐かしく過ごせ。知っていることをもう一度、考えるんだ。
2月は新しい友達と出会うだろう。まずは挨拶だ。カッコよくな。
3月は知らないはずのことを憶いだせ。気合いだ。
4月は騒がしくなるが、慌てるな。クールに聞き流せ。
5月頃はもう、次のエピソードの話をしろ。ある程度予想がつくはずだ。
6月は答え合わせだ。目をみて、黙って、しっぽを触れ。
占い監修:磐樹炙弦(ハードコア星占い@Twitter)
イラスト:うかうか
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2024年1月1日~1月15日の運勢は?
おひつじ座
新しい服を着ると、気持ちがいい。じゃ新しくない服を着てると気持ち悪いかというと、そうでもない。馴染み、てのがあるからな。下着を毎日替えながら、上着は着回しでなんとかする。変わるものと変わらないものが、おれたちの体の表面を通り過ぎている。なるほど。ということは体の内側は、どうなってるんだろう? 体の細胞はだいたい7年くらいで、全部入れ替わってるらしいぞ。つまり、今のおまえは7年前とは全く違う物質でできている、てことだ。すげーな! 物質としては全く違うのに、なんでおまえはおまえのままなんだろうな? 7年くらいで翼とか触手とか生えてこないように、常に「おまえっぽく」入れ替わり続ける、なんらかのルールがあるはずだ。それはルールだから、時々改定されたりする。おまえがそうしようと思ったり、みんなでせーの、つってそうしようとすると、ある程度はそうなるってことだ。それを数億年続けると、翼とか触手とかも生えたり引っ込んだりする。それが実際、この星で起きていることだ。お洒落ってのは、「それっぽさ」と「新しさ」の絶妙なバランスだ。いつも憶いだせ。ある程度、曖昧に。未来ってのは「なんとなく、こうだった気がする」方向で、ちょっと勘違いが混じってる、その辺りだ。正解とか間違いとかはない。おまえがトリケラトプスやAIだった頃も、今と大して変わらなかっただろ? おまえはつまり「忘れたくないこと」が服着て歩いている、そういう存在だ。下着を清潔に保ち、大胆なお洒落を楽しめ。46億何回目かのファッションショーを、おまえが始めるんだ。
1月2月はパリッとしろ。みんな新入りだ。
3月4月は挨拶周りだ。全員の顔を見て回れ。すぐ忘れてもいい。
5月はおまえがなんか言え。6月はじっとしてればいいだろう。
おうし座
すごい昔は、おれたちの目は上向きについてたんだ。何言ってんのかわかんないだろうが、実際それは本当で、脳を調べるとちゃんとその痕跡が残っている。昔のおれたちは、ずーと上ばっかり見てた、てことだな。何見てたんだろうな? おれたちが海の中にいた頃を考えると、まぁ明るいほうを見てたんだろうな。明るいほうと暗いほう、どっち見るかつったらまぁ明るいほうだし、見えるってのは明るい、てことだ。なんだかあっちが明るいねーつってじわじわしてると、どっかのタイミングでズボっと突き抜けて、水面に出る。超びっくりしただろうな! でもまぁなんでも慣れるもんだ。上向きの目は、太陽野郎やお月さんやお星様を眺めてた。ぼんやり明るくなったり暗くなったりしてるだけの水中よりは、だいぶ複雑で、綺麗だな、と思っただろう。それから色々あった。そして今、新しい1年が始まった。冬の花火大会に行きたいぜ。ぼうっと上のほう、星なのかヒトデなのかわからない綺麗なやつを眺める。家に帰ってお布団に入り、目を瞑ると瞼がプラネタリウムみたいになって、また星だかヒトデだかみたいなやつが見える。上、面白い! とはいえ、上ばかり向いてても変だし首も疲れるから、横も見よう。あいつがいる。ウヒャヒャ。実際、昔の上向きの目の痕跡は今も頭のてっぺんに向いているから、顔は横を向いててもいいんだ。この犬半期、おまえは常に上を感じ、なんでも上に乗せてみろ。星だかヒトデだかUFOだかみたいのが、いつでもおまえの頭上にいる。それを感じるんだ。
2月は横をみろ。水平だ。
3月は下だ。地面の下を感じるんだ。
456月は、いよいよ中だ。膨らんでみろ。
上は見なくていいのか、て? 上ってのはいつも感じられている。気にするな。
ふたご座
ぱっと何かが閃く。ピコーン!だ。その後、少し考える。今閃いたのは、一体何だったのだろう… 考えると、こういうことかな、とか、こうしてみよう、とか思える。これをよく見てみると、閃いているけどまだ考えていない状態と、もう閃いてないけど考えている状態がある、ということがわかる。「閃いた!」だけだと、それは何でもない。意味とかもない。おもしろい顔をした誰かが通り過ぎた、そんな感じだ。誰かが通り過ぎた後で、あいつ誰だっけ、とか、なんであんなおもしろい顔をしてたのだろう、とか考えると、あぁ、あいつか、なんかいいことがあったんだろう、とか理解できる。閃きも理解も、練習が必要だ。生まれながら両方得意だ、てやつはあまりいない。おまえが、閃いてばかりでよく憶えていないタイプなら、少し考える、てのを練習しろ。おまえが考えてばかりでそもそも何だっけ、てタイプなら、無意味な閃きでウヒャウヒャ笑う練習をしろ。閃きは思考を恐れ、思考は閃きを恐れたりもする。本当はそんなことないんだが、なんか自分が得意なほうで全部やっちゃおうとしがちなんだ。両方やれ。無意味なことを考えろ。考えたあげく、台無しにしろ。それら全部をメモにして、おまえ以外の誰かに託せ。誰かが閃いたら一緒に考え、考え込んでる誰かの前を、おもしろい顔をして通り過ぎろ。それから一番大切なのが、すべては今ここで起きている、てことだ。大昔のビッグバンとか、明日か明後日か来週にそうなってるはずのことは、一旦忘れろ。おもしろい顔をした最高なやつらの、おもしろサミットが始まるだろう。
1月2月は、遠くのおもしろそうなものを察知しろ。
3月はメモをして、4月は全部忘れろ。
5月6月は賢そうにしろ。メガネとか本とかだ。適当に言っても大丈夫だ。
かに座
高いところにいくと、口数が少なくなる。場合がある。必ずしもそうとは限らないが、そういう傾向、あるいは雰囲気がある、てことだ。ちょっとしたハイキングなら、最初のほうはワイワイ言いながら登っていくが、だんだん誰も喋らなくなる。展望台から景色を眺める時、なんとなく黙ってる。酸素が薄くなるからかな? それもあるかもな。跳ね返ってこない、てのはどうだ? 音ってのはなにかにぶつかって、跳ね返ってくる。山びことかそうだろ。高いところにいくと、周りにぶつかるものがないから、放たれた音や言葉はだいぶ遠くまで行って、ゆっくり戻ってくる。まぁなんていうか、高いところってのはゴチャゴチャしてなくて、スキッとしてるから、心もあんまりあれこれ言わなくなるんだろうな。そういえば飛行機の中って、結構静かだよな。エンジンの音は割とうるさいのに、皆基本的に静かにしている。あれも高いところにいるからだと思う。それって、地面から遠いってことでもあるよな。海の底からは、もっと遠い。おれたちはどこまで高く、どれくらい静かになれるんだろう。宇宙ステーションってめっちゃ静かなのかな。皆あまり喋らないとか。あんまり喧嘩とか、しないんじゃないか。宇宙ステーションで喧嘩したら、危ないしな。仲がいいとか悪いとかを超えた「しずけさ」の世界を、おまえも感じてみろよ。あれこれ言いたくなるのもわかるが、そういうのとはまた違うなにかもある、と想像してみるんだ。海の底のヒトデからオリオン座の端のベテルギウスまで、「しずけさ」に貫かれて、輝いている。もちろん、おまえもだ。
1月は高いところに、
2月はざわっとしたところにいろ。
3月は姿勢良く寝て、4月はわざと黙れ。
6月は、静かで高いところで、ぽつぽつと語り始めろ。いい感じだ。
しし座
鏡を見るのは、格闘だ。うわー、てなるし、うっとりもする。ある意味、いちばんヤバい体験だ。何にもないと言えば何にもないし、自分自身だけが、ドーンと写っている。宇宙と言えば宇宙で、はじまりとおわりだ。しかしまぁ、鏡に向かってムフー、ここに宇宙のはじまりとおわりがあって、それしかない! フガーとかなるのは、哲学とかやってる奴らに任せておけ。おまえは鼻毛や寝癖をチェックするくらいでいいんだ。自分自身を通り過ぎる感覚だ。実際、おまえはおまえを通り過ぎていく。たまたま生まれて、いつか死ぬだろ? その途中に鏡が置いてあるからといって、そこで立ち止まって身悶えする必要は、ない。鏡ってのは、罠に似てるな。なにかに、うまい具合に使える筈なんだが… そういえば、鼻毛や寝癖をチェックするのは、なんでだろうな。おまえがおまえを通り過ぎていくように、他の誰かもおまえを通り過ぎていて、お互いチラッと目配せする時、気まずい思いをしないために、鼻毛や寝癖をあらかじめ直しておくのだろう。つまり、ノイズを除去しているんだ。それ以上でも以下でもない。そういえば、鏡やツルッとしているし、おれたちが鼻毛を切って寝癖をペタッとする時、おれたちは自分自身をツルっとさせている。鏡の真似をしてるんだな。ということは、ツルッとしたおまえには、一体誰が写っているんだろうな? おまえが好きなやつを写せばいい。おまえは、おまえのことを好きなやつに、写っているだろう。ツルッとすれ違い、チラッと見る。互いに写りあってるから、おまえ、あいつ、おまえ、あいつ… と続く無限回廊が、一瞬、見える。細かいことは、気にするな。
以下の日付を憶えておけ。
1/21、2/28、3/17、4/12、5/19、6/6だ。
まぁどうせ忘れるが、憶えていたら、ツルッとしろ。
おとめ座
おまえはいつもと変わらないのに、周りがガラっと変わっている。そういうことは、実は割と頻繁に起きている。気がつかないだけだ。ある日、職場の同僚が全員ロボになっていて、翌日はまた犬に戻ってたりするが、よっぽど気をつけていないと気がつかないし、気がつかないからといって特に困ることもない。むしろ、いちいち気づいてるほうが大変だ。今日なんか変だな? とうっすら感じていても、敢えて知らないふりをしたりもする。明日になれば、また元に戻っているからだ。しかし、こういう場合を考えてみろ。今日はロボ、翌日は犬。犬。犬。ロボ。犬。犬。ロボ。犬。ロボ。ロボ。犬。ロボ。ロボ。ロボ。どうだ? いつのまにか職場のみんながロボなのは普通になる。カフェの店員もロボで、スパリゾートの仮眠室もロボでいっぱいで、なんなら、おまえもロボの時のほうが多くなる。慌てるな。別にそれで困らない。実際、おれたちはそうやっていつも「おれたち」をやってきた。今日もカフェでランチして、スパリゾートで仮眠しろ。犬でもロボでもない「おれたち」が、ずっとそこにあるのが感じられるだろう。ファッションも音楽も、流行はいつも変化している。46億年、変化しっぱなしだ。この犬半期、おまえはいつのまにかちょっと変わっている世界で、いつもどおりランチするだろう。今日はちょっとしょっぱいな、とか、微細な変化に感覚を開き、いちいち何かに書いといたり、あいつに報告したりしろ。それでいい。
1月はロボ風ファッションがクールだ。
2月はロボ語の詩を書いて、感動させろ。
3月は静かにして、4/21と5/19は超ロボだ。テクノ聴け。
6月は温泉でも浸かって、一旦犬に戻れ。
てんびん座
近くで見るときと、遠くから見るときでは、見え方が違う。一つだけ見るのと、いろいろ見るのでは、違うことが感じられる。一つのものを、近づいてじー、と見ると、だんだん「…なんだっけ?」みたいな気持ちになる。そこでちょっと後ずさって、目をパチパチさせたりコホンと咳払いしたりして、フム、ともう一度見る。周りの様子にも意識を向けて、全体像ってやつを捉えてみると、「あぁね」とか「へぇ」とか、新しい気持ちが風のように入ってくる。目を瞑ると、風には香りがついているのがわかる。この香り、いつかどこかで… なんだっけ。想い出をスキャンする。いろんな場所のいろんな出来事を、でたらめに憶いだすから、実験的な短編映画みたいになる。すると今度は音が聞こえてくる。セリフ、物音、そしてリズムとメロディとハーモニー。フンフンフーン、と口ずさみ、手足としっぽが動き出す。おまえはゆっくり回転しながら上昇し、見えなくなる。おまえのいない宇宙で、星とか渦とかいろんなものが、回転している。遠くでなにかが強く光り、辺りが全部まっ白になって、まっ暗になる。とてもいい気分だ。うっすらと目を開くと、一つのものがそこにある。そこに全ての香りと音と踊りと回転が詰まっているのが、今はわかる。いろんなことが起こるが、近くで見たり、遠くから見たり、目を瞑って踊ったりしろ。違ってたり、同じだったりして、落ち着いたいい気分になるだろう。それが大切だ。一つのものは、大きくて小さくて、いろいろあり、結局はおまえ自身の、踊りみたいなことなんだ。
1月2月は、ぐっと近づいてみろ。
3月4月は目を瞑って、じっとするんだ。
5月6月は、ぱぁっと大きく、遠くからだ。
6/6の新月を憶えておけ。
さそり座
そろそろ何か、新しく。理由はなくても、なんとなく。新しさと懐かしさは、意外と区別するのは難しいんだ。80年代の音楽やファッションは、誰かにとっては懐かしく、他の誰かには超新しい。かつて確かに起こったことでも、自分にとって初めての体験なら大冒険で、ある程度長い間生きてると「あぁ、これね」てことが多くなる。この犬半期でありそうなことは、16年前にもあったことだ。おまえが16歳未満なら、ドキドキの大冒険ってわけだ。ウヒャヒャ。おまえが16歳以上なら、あの時はどうだっけ、と憶いだしてみろ。完全に同じではないし、むしろ全然違ってるんだが、それでもなにか「あぁ、これね」ていう感じがわかるはずだ。本当に同じような感じってのは248年前のことだから、今この星にいるやつは全員、初めての犬半期だ。248年前っていうと、だいたいアメリカ建国くらいの頃だ。それ以来、アメリカや世界でいろいろあって、戦争やジャズや映画やネットが溢れ出し、今こんな感じだ。大変そうだな。まぁでも、おまえはいつでも、何度でも16歳だ。今回の16歳は、どんなだろうな。まぁ多分、理由なく、なんとなく、新しく、懐かしいだろう。それでいいんだ。WiFiをポニーテールにして、新しいアイスでボーリングしようぜ。もちろんスーツはバーチャルだ。UFOは古いやつを、ガタピシいわせて乗るのがカッコいい。存在ってのは要するにデートだ。相手がいないならいないで、銀河系SNSにメッセージを書き込んでみろ。おまえの好きなものと、デートでいきたい場所、したい事をな。光の速さで数年あるいは数百年かかっても、必ず誰かがリプライする。おれが今、おまえにこうしているようにな。ていうか近くに誰かいるだろう。全員、16歳だ。
1/21は16歳の誕生日だ。新しいアイスと古いUFOでキメろ。
2月はなんていうか、モテモテだ。適当に流せ。
3月は一旦落ち着け。
4月はおまえフェスティバル、5月6月はその余韻だ。
いて座
新しい言葉を覚えるのは、おもしろい。外国語とか、プログラミングとかもそうだな。知らない単語がでてきたら、すぐに検索して「へぇ」みたいなことを知る。便利な時代だ。検索したりウィキペディア読んだりするだけでも楽しいが、本当におもしろいのは、新しい言葉で考えたり、詩をつくったりすることなんだ。頭の中が、新しい、てことだ。なんでもかんでも翻訳すればいいってものじゃない。ある時点から翻訳するのをやめて、新しい言葉で考え、感じ、喋りだす。何を言ってるのかわからない、謎の自分が、新しく生まれる。この星全体でも、そういうことが度々起きている。数百年前の巻物とか、なんだこれ、ていうくらい読めなかったりするだろ。ちょっと時代が違えば、おれたちはお互いに、自分自身のことも、何を言ってるかわからない謎の存在だ。けど、鳥獣戯画とか見ると、まぁだいたい同じだな、てのもわかる。壁画とかピラミッドとかもそうだな。宇宙語を習いたい時、どうすればいい? 駅前留学宇宙語コースとかあればいいが、ない。それなら、自分で話し始めるのが近道だ。なぜなら、宇宙はおまえの中にもあるからだ。目を瞑り、体のまん中になにか銀河的なものが渦巻いているのを感じて、そこから喋り出せば、それが宇宙語だ。宇宙はでかいから、どんな言葉でも必ずどこかに、通じるやつがいるんだ。まずはハローハローくらいでいいだろう。しっぽの動きと組み合わせて、だいたいこんな感じかな、ていうので、意外と通じる。歌とかにすれば、結構ウケたりして、ちょっとしたインフルエンサーになれるかも知れない。まずは手近なところから始めてみろ。見た事ない感じで頭に布を巻き、あいつの目をみて不思議な音で「ハロー」と言うんだ。あいつはクスっと笑って、不思議な言葉で何か言うだろう。たぶん「ハロー」ていう意味だ。
1月2月はあかちゃん語の練習だ。バブバブしろ。
3月にはあれとかこれとかダーとか言い始める。
4月5月で突然、ペラペラ喋り出す。翻訳するな。
4/21を憶えておけ。
やぎ座
1/11のやぎ座新月から、6/22のやぎ座満月まで、おまえの犬半期は不思議なまとまり感がある。いろんな事が起きてるはずだが、好きすぎて何度も観た映画みたいに、始まりと終わりとその途中のことを、おまえはぼう、と眺めている。時間の流れが早くなったり遅くなったり、ゆらゆらしてピタっと止まったりする時、こういう感じが起こる。次になにがどうなるか、なんとなくわかるんだ。そして、別に大したことは起きない。いちばん大したことと言えば、宇宙が渦を巻いて回転していることであり、おまえはそれも感じている。高次元の光の存在からUber Eats でピザが届いたりするが、そんなことでおまえは驚いたりしない。映画観ようぜ。何度も観たけどな。ここがいいんだよね。さて、ピザも食って映画も終わったら、部屋の模様替えだ。始まりと終わりとその途中がなんとなくわかるなら、やることは模様替えくらいしかない。去年神社で貰ってきたお札とか、捨てようぜ。新しいカーテンを見に行こうか。小さいテレビを大きいのにしたり、大きいテレビをいっそ捨てたりしても、面白い。小さいサボテンの鉢でも窓際に置いとけば、宇宙の回転が毎日じわっと感じられる。部屋の模様替えは、重力分布を変えるから、宇宙全体の渦の回転にも影響を与える。ぐらっといって、またスンとなる。部屋も宇宙も新しい朝へと入っていく。退屈ってことは、決してない。もし退屈を感じてるなら、毎朝5分、じっとしてみろ。毎回、違う音が聴こえて、何か食べたいものを思いつくだろう。適当に服を着て、そのへんをほっつき歩いてみろ。大したことは起きていない道端で、ばったり誰かと会う。銀河の回転軸が、やっぱり少し、少しといってもなんせ銀河だからとてつもなく大きく、傾いているのがわかる。新しい角度でおもしろいポーズをとって、バランスをとれ。
1月ははじまりだ。そりゃそうだが、大きなはじまりだ。
2月は想い出マッサージ、一回答えあわせだ。
3月4月はやじろべえ体操だ。カッコよく。
5月6月は映画でも観てろ。何回でもいい。
みずがめ座
いいじゃないか。それでいいんだよ。答えってのはないし正解も間違いもない。あったとしてもずっと先のことで、誰にもわからない。今まで合ってたのか、これからも合ってるのか、ぶっちゃけ誰にもわからないし、根拠もないんだ。ということは、「だめじゃないか」と「いいじゃないか」なら、いつでも「いいじゃないか」と言ってればいい、てことだ。自信たっぷりに、堂々と「いいじゃないか」と言うと、たいていのやつは「あぁ、うん、いいですね」という。「いいのかな?」と思っても、まぁいいということでしばらく様子をみてみよう、てことになって、そのうち「やっぱいいですねこれ」となる。そんなもんだ。時々「いいのかな?」て考えるのは大切だ。もっとこうしてみようかな、とか工夫もできる。そして大きな答えはいつでも「いいじゃないか」だ。たぶん、神的なやつがいたとして、そいつもざっくり「いいじゃないか」と思ってるはずだ。この犬半期、おまえは0歳と16歳と248歳の誕生日を、同時に迎える。バブバブでキュートな老賢犬だ。みんながおまえの顔を覗き込み、笑っているか、キョトンとしてるか、何かいいこと言わないかと、ソワソワしている。言ってやれ。一言目は「バブー…」でいいだろう。それで1ヶ月くらいは持つ。次は「アイス食べたい」だ。ティーネイジャーはアイスでできているんだ。それで3ヶ月くらいは持つだろう。そろそろ皆がソワソワして、コホンと咳払いしながらチラッチラ、とおまえを見てきたら、おまえはどっしり椅子に座り、足を組んで、頭のてっぺんでまっすぐ北極星からぶら下がっているみたいな感じで、こう言うんだ。「いいじゃないか」。今わかりやすいように1ヶ月、3ヶ月と書いたが、この犬半期、それらを全部、同時にやれ。輝くぞ。
1月2月は、いいぞ。
3月は、うーん、やっぱりいいかもな。
4月から5月にかけて、なるほどこれは、すごくいい。
6月になったら、なにがそんなにいいのか、話し合え。
うお座
ほんとうに真っ暗な場所だと、ふだんは見えないくらいの、か細い光も感じられる。星とかそうだよな。目には感受性を調節する仕組みがあって、暗いところと明るいところでは、感じる光の量が違うんだ。おれたちの脳には、すごく昔に目だった器官の名残が残っている。それは星の光を感じる器官だ。渡り鳥とかは今もこの器官が機能しているらしい。おれたちのも、昔ほどじゃなくても、やっぱり機能していて、朝目が覚めて夜眠たくなる仕組みに関係しているんだ。それは暗いところで星の光を感じる器官だが、目を瞑ると、瞼の裏側にこの光がシパシパするのが観えたりする。このシパシパをずっと観てると、明るいのか暗いのか、目を瞑っているのか開けているのか、わからなくなってくる。面白いな。慣れてくると、目を開けたままでも、このシパシパが観えるようにもなる。意外とできるぞ。やってみろ。でもまぁ、今の時代このシパシパをとりたててどう、てことはないから、程々でいいんだ。それよりは、まん丸い眼球をクワっと見開いて、同じようにまん丸いあいつの眼球の奥底になにかがシパシパしてるのを、見つめるほうがいいだろう。目は異なる次元宇宙を行き来する港みたいなもので、その待ち合いロビーでもある。心地よく薄暗くて、静かな音楽が流れているロビーから、次の行き先を想像しろ。空が白み、星座がフェードアウトして、おまえは明るいほうに行きたくなる。チケットを確認し、荷物とあいつの手をとって、こっちかな、ていうほうに歩き出せ。だいたい合ってる。明るいところで星座は視えないが、それでもやっぱり、おまえの頭上でシパシパいってて、それがGPSみたいになってるんだ。どっちかな、と思ったら目を瞑って、このGPSを利用しろ。あとはたくさんのまん丸い目と、その中の星座が、おまえを導く。催眠術みたいにな。
1月は布団だ。布団から出て、布団に戻れ。
2/28までには、すっかり起きていろ。キョトンとするんだ。
3月はチケットと荷物の確認だ。
4月に出発、5月は一服、6月は観光だ。服を清潔にしてろ。
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磐樹炙弦(TOKYORITUAL) twitter @TokyoRitualJp
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