ハードコア犬占い【6月1日～6月15日の運勢は？】

イラスト：うかうか

おひつじ座

カラス評議会が、今週の目標を話し合っている。斜に構えてないで、とにかくなんでも飛び込もう。アーアー。おまえさ、いつでも心配ばかりしてるよな。アー… 心配してもしなくても、太陽野郎は昇って沈む。どっちにしたって同じだから、気楽にやろうぜ、兄弟！アーアー！ おいみろよ、しっぽ野郎がニヤニヤしながら歩いてやがる。皇太子殿下のお出ましか、つーの。なんかいいことあったのかしら…アー！あいつ、スニーカーがおニューだぜ。呑気な野郎だ、まったくよぅ。ひとつからかってやるか。バササ！アー！アー！…おいなんだ、神妙な顔して、目ぇ瞑ってやがる。アー！アー！…おい、なんか誇らしげだな。なんでだよ…なんか勘違いしてんじゃねぇか。アーアーアー… おいおい、あいつ泣いてるぜ。笑いながら泣いてやがる。訳わかんねぇが、なんかいろいろあるのかもな。へへ、付き合ってやるか。アーアー！バササ！6/1に金星が出ていって、6/7にすごいのがある。泣いたり笑ったりしたら、6/12は新しくて、元気だ。カラス野郎に教えてやれ。

ラッキーコア：輝かしいガラス

おうし座

おれたち全員、なんだかよくわかってない。いかにもわかってそうな顔してるやつも含めて、結局のところ、誰もわかってないんだ。「時計塔のひみつ」ていう大きな本に、折り込みカラーページでとにかくでっかい歯車の解説が図解されているんだが、なんせでかすぎて、逆によくわからない。あーきてこうきてそうなって、ブラックホールとホワイトホールとワームホームがそう繋がってなるほどですね的にわかったような気になるが、折り込みページを畳むとすぐ、なんだっけ、てなる。とにかくでかくて綺麗なイラストと、インクの匂いしか憶いだせない。皆んなそうだ。それでいい。また見たくなった時に、折り込みページを広げろ。そうやって皆んなが、何度も広げたり畳んだりして、インクの匂いを嗅いで、また本棚にしまう。何かがわかるってのは、本当はそういうことなんだぜ。6/1に金星がおまえに戻ってくる。懐かしいページをめくれ。6/11満月に色と匂いを憶いだしたら、本棚の一番いいとこに、またしまうんだ。次の誰かがページをめくる。

ラッキーコア：本の匂い

ふたご座

太陽野郎に背中を向けて歩いてみると、影野郎が前の方にビヨーンとくる。それは確かにおまえのかたちだが、鏡でみるのとは、ちょっと違う。影野郎を眺めてると、踊りたくなるぜ。手をヒラヒラさせたり、全身をクネクネ動かすと、何て言うんだろうな、レディガガのバックダンサーみたいに、不思議な感じでキマるんだ。ちょっとスッとしてるしな。百聞は一見に如かず、だ。やってみろ。影野郎を見ながら、夢中になって踊っていると、客観的には昼間からずいぶんご機嫌な野郎だな、て感じになるが、気にするな。客観的なご機嫌野郎も、スッとしてヒラヒラクネクネしてる影野郎も、どっちも、おまえだ。慣れてくると、スーパー行って帰ってくる間に、それとなくさりげない秘密ショーを、ちょっとだけやれる。世界には、そんな秘密のショーがゴマンとあるぜ。6/9におまえの星・水星がかに座に入る。自分の影をみろ。6/11満月には、いい感じのクネクネ具合が見つかるだろう。

ラッキーコア：手の表情

かに座

そんなこと言ってると、シェークスピアボーイズが来るよ… やだー！分厚い本に挟まれて、目次に書かれちゃうんだよ。やーだ！そしたらどうするの。…ご飯の後にする。素敵！おりこうさんだね！最高。大好きムギュー。ウヘヘ。あまりご無体なことを言って、シェークスピアボーイズを怒らせないことだ。意味であり同時に粒でもある文脈の彼方に連れ去られて、帰ってきた犬はいない。目次の中の、どこにもみつからないだろう。ガソリンみたいな、ペヨーテみたいな匂いが染み込んだしおりに、二つの仮面、泣いてるのと笑ってるのが描かれている。どこに挟んでも、それっきりだ。なんなら、全てのページにそれぞれ異なるしおりが挟まってる。粒状なんだ。全てが。目次も、行も、句読点も。おれも、おまえも、飛行船も。ここが最語。That’s what I’m talking about. 6/11満月には、おまえの天使も水星も挟まっている。6/10には、木星がおまえに入ってくる。物語に介入しろ。

ラッキーコア：リア王

しし座

三軒茶屋のお嫁さんと姪っ子さんとからくり人形が、「ボーントゥビーワイルド」の振り付けを稽古している。ビヨーンといってガツンときたら、オットット、のポン。ドゥンドゥンもっかいドゥンしてトゥンク…アハハ！もう一回！ 常連の旦那方は、茶屋の長椅子で煙管をふかしたりして、無関心を装っている。なんで「ボーントゥビーワイルド」なのかな… 幾何学模様のアイちゃんが、ピカピカ光って曲を再生する。もう一回！ ねーここさー、一回溜めない？ キュ、ときてピタッつって、ゆっくりスイー、みたいな。いいかも。メリハリだね。アイちゃん、次動画撮って。ピコーン。旦那方は気が気でならない。何度も団子をおかわりし、お茶もガブガブ飲むからお腹タプタプだ。新しい振り付けは、いつお披露目なんだろう。旦那衆も既に、新しいコールとサイリウムさばきを、なんとなくイメージしている。「ボーントゥビーワイルド」で。6/7には振り付けが一旦固まる。お披露目は6/12だ。

ラッキーコア：ボーントゥビーワイルド

おとめ座

美しい船が停泊している。ロボは大きな鞄を持って、乗船を待っている。船には誰も乗っている気配がなく、乗船口にも誰もいない。桟橋とロボと美しい船が、じーと何かを待っていて、もう3億年くらい経った。静止した空に向かって突き出した舳先には、ギターの指板みたいな螺鈿細工が施されている。あれにギガを貯めて、月のない夜でもWiFiが繋がる。チケットはダウンロードしてあるが、プリントアウトも持っている。ロボは船に乗る時はいつも紙のチケットを使い、スタンプを押してもらったのを集めている。大きなカバンからスクラップブックを取り出して、最初のページから順番に眺める。クジャクがペヤーと羽を広げるホログラム。レンタカーの広告。日付と恒星座標だけが掠れたインクで押された、無愛想なやつ。どのチケットを見ても映像が再生されるが、ぼやけてしまったり、検索できなくなったのも多い。スォーン…とギガが揺れた気がしたので、ロボは急いでブックを鞄にしまい、古いアンテナを取り出す。これも内蔵の量子回路で事足りるのだが、この古い小さなアンテナをわざわざつける。船に乗る時は、いつも。6/9におまえの星・水星が、かに座に入る。乗船口に向かえ。

ラッキーコア：トートバッグ

てんびん座

太陽野郎は、ありがたい。とにかくビカビカしてるし、あったかいからな。もうちょっと暑くなると、ウェーて感じだが、その前に雨が降るだろ。種とか胞子とかが、地面ごと温められて、アツアツだ。そしたらニョキ、といく。ワラビていう山菜のさきっぽのくるっと巻いた感じとかに、太陽野郎のアツ感が詰まっていて、おれたちは太陽を食べることができる。慣れてくると、想像するだけで、満腹感を感じる。本当だ。やってみろ。太陽野郎も、種も胞子も、くるっと巻いたさきっぽも、おれもおまえも、本当は想像してるだけだからだ。全てが想像に過ぎないとしても、ビカビカであったかく、雨が降って、アツアツだ。そういうことが、想像の宇宙で、常に起きている。過去も未来も想像だろ？ 今あいつが何してるか、想像しようぜ。6/1におまえの星・金星がおうし座に入る。汗ばむくらい、夏を想像しろ。

ラッキーコア：山菜

さそり座

それから、それからね。なんでも、それから。かならず、それから。うれしいことも、かなしいことも、いつもそれから。いつでも、どこでも、なんでも、それから。それからのむこうは、からっぽのそら。いろんなくもが、とてちてた。ずぅ、とまえに、おはなしきいた。それから、どうなるんだっけ？ わすれた。それからね。ふむふむそれで？ おしまい。えー。そしたらね。あはは！あなたとわたし、とてちてた。こうしていまも、それっきり。じー、とみたら、ふふ、てなって、ねむたくなって、そしたらね。それからけっきょく、どうなった？ しらない。ねぇねぇところで、とてちてた？ なにそれうける、タンザニア。アフリカたいりく、あつかった。きょうりゅうのしろい、ほねのゆめ。それから？ それから… なんだっけ。どうもこうも、ありません。とにかくいつも、きっと、それから。6/7と6/12、おもいだしたら、そして、それから。

ラッキーコア：それから

いて座

浄瑠璃姫が、お手紙を書かれましてな。墨がなくなったので、蜜柑の汁で、いよいよ最後は涙で、透明な文字を夢中になって書き綴っておられた。誰に宛てて何を書いたのか、今となっては知る由もないが、たいそう超大作でな。最終的には牛車10台に積み込んで、満月が一番近くなる頃に、ひ〜や〜つって運ばれていった。月にお友達がいらっしゃる、とのことだったから、その人宛てだったのかも。今時メールやSNSでもよかろうに、珊瑚を漉いた上等な紙に、クジラのお香を焚きしめて、紐と蝋で封をして、そういうところはやっぱオシャレじゃな。ああいうのはいつか、出版されるかも。浄瑠璃姫全集・書簡編、みたいな。うわー読みてー！でもまぁ、姫様とお友達の、透明な文字の、貴いお手紙じゃ。何が書かれておっても、書かれてなくても、さいわいなことよ。まことありがたく、そしてオシャレじゃ。6/11いて座満月は、わしらも手紙を書いてみようかのう。フォフォフォ。

ラッキーコア：便箋

やぎ座

ホテルのラウンジとか、あと蕎麦屋とかでかかってる、オルゴールの名曲集みたいなの、いいよな。「誰も寝てはならぬ」とか、なんかグワーつって盛り上がる曲でも、オルゴールにすると、ほっとする。「誰も寝てはならぬ」てすごいタイトルだよな。無茶いうな、て感じだ。すごい昔のオペラハウスで皆ウヒョーつって、一番いいところの「寝るな！」ジャーン、てのが、オルゴールでポロン…となるのは、タイムマシンの原理だ。化石もそうかも。オペラ、そしてオルゴールなのに、不思議と蕎麦にも合う。ワサビは水の綺麗なところに生えるしな。激しさと静けさ、綺麗な涙と蕎麦つゆの、パズルのピースがカチっとハマってポロン…と鳴る。いつだって憶いだせるだろう。月が三つある波打ち際とか、二両編成のローカル線の、ワイヤレスイヤフォンの中とかに。まぁ、寝ないな。そういうのは。6/11満月は、いい感じのオルゴール探そうぜ。ジミヘンとかあったら、面白い。

ラッキーコア：いい感じのオルゴール

みずがめ座

風は運ぶ。ピグミー族のしりとり歌。キジバト。砂漠の砂。ムカシクジラの低くて大きないびき。なんだっけ、ていう匂い。唐突な眠気。誰も知らない数式。怖い顔と、やさしい顔。たくさんの手。忘却。？と!と、あとなにか…。風はなんでも運んでくる。正確には、運んでいる。いつも、どこかから、どこかへ。どこかってのは、わからない。いつも通り過ぎていくから。なにか、てのも、わからない。これはもしかしてあれかしら、と、なんとなく思うだけ。玉手箱。黒猫便。誰かのしっぽ。粉になったなにか。パラスという星が、今みずがめ座を通って、何かを運ぶ。どこからどこへ、何を運んでいるのか、毎回違うヒントが、ぽろぽろ溢れる。まぁ、なんでもいいってこと。あなたからあなたへ、今から今へ、てことだしね。6/7、6/9、6/12、風について。

ラッキーコア：風の利用

うお座

波打ち際を、カメみたいに歩く。レクリエーション室で、誰かがピアノを弾いている。どっしりと、ゆっくりと、時間をねるねるねるねにして、くるっと巻いて、パクッといって、一眠りしたら、短波放送。こちらラジオフリーアンドロメダ、日本語放送局で…すのk…だkども、mなさ…ザァ。ねぇこのピアノ、同じところばかり弾いてるね。校長先生かな？ ザァ… あの人でしょ、新しいカウンセラーの… 高いところにいるトンビがヒュールリルリルリ！と鳴く。お弁当を食べている、標本部の瑠璃さん。小さな貝をたくさん集めて、それがマジで！ていう量になって、最終的に甲羅の裏側にピンで留めて、それが通信衛星みたいに光っている。クジラが呑み込んだカメの甲羅の内側で、ずっと同じところを弾くピアノの、光。明日のレクリエーション、フォークダンスだって。ほげぇ！そういうの、もういいつーのな。なんかここ来てから、毎日フォークダンス踊ってない？ そうだっけ？ そうかも。いやわかんない。6/10に、おまえの星・木星がかに座に入る。レクリエーションはクジラとカメとカニのフォークダンスだ。踊りながら語れ。

ラッキーコア：フォークソング