ネットでの宣伝が非常に重要である今、漫画家にとってSNSでコンスタントにつぶやいたり、漫画やイラストをアップすることは既に仕事の一環と言っても良い。
しかし気づいたら、原稿描かずにツイッターに載せる用の絵を描いていたりするのである。
これは漫画家だけではなく、目の前で燃えている天ぷら鍋を消火したりと、他にやるべきことがあるはずなのに、気づいたらツイッターをやっているという人は多いのではないだろうか。
火事に立ち向かうよりはツイッターの方が楽しいというのはわかるが、漫画原稿を描かずにツイッター用漫画を描くという行動は意味不明に見えるかもしれない。
しかし、同じ漫画でもはっきり言ってツイッターに載せる漫画の方が楽しいのである。
楽しい、というのは描くのが楽しいという意味ではない、漫画を描くことは等しく地獄であり、救いはない。
ただ、ツイッターに漫画を載せるとすぐ「反応」が貰えるのが楽しいのである。
漫画を描くこと自体が楽しいという人もいるかもしれないが、世の中には「腐女子が喜んでくれる」という動機のみで好きでもないBLを描いているという、前世で罠にかかっていたところを腐女子に助けてもらったのかな?という人もいるのだ。
反応が楽しみで描いている、という人も結構いるはずである。
しかし、マイナー月刊誌に掲載された漫画への反応など、正直なきに等しいのだ。
描き手に取って反応がない、というのはある意味、罵倒されるよりも辛い。
その点、ツイッターなら載せた3秒後にイイネがつき、リアルタイムでRTが増えていくのだ。
どちらに漫画を描いて載せるのが楽しいかなど、言うまでもない。
このように、早くそして現実よりも多く「反応」が貰えるというのは、SNS最大の魅力と言っても良い。
しかし、魅力故に虜になりやすく、前述の通り家が燃えていてもツイッターをやってしまったり、むしろ燃えている家を見て「これはバズる」と思ってしまったりと、SNSで反応をもらうことが生活の中心になってしまったりするのだ。
さらに反応をもらうのに慣れてしまうと、いつもより少しイイネが少ないだけで「無視されている」と感じるようになり、もっとデカい声を出そうとしてしまう。
つまり、反応をもらうためにバカッター的過激行動を取ってしまうのだ。
しかし、リアルでつぶやいた独り言に、知らない人が突然「イイネ!」と反応してくるだろうか、無視が普通である。
独り言にいちいち赤の他人までもが反応してくるSNSの方が異常であり、そのSNSでの反応を追い求めて、メンをへるというのはさらに異常である。
そして、そういう即物的な反応ばかり求めると「あいついつもツイッター見ている」「どこに行ってもインスタに載せる写真ばかりとっている」と、リアル自分への反応が悪くなってしまうのだ。
次回は7月7日更新です。
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