最近のツイッターのアップデートは、インスタなどの真似をして意識高い系やリア充層を取り込もうと必死、と言われている。
しかし私はどちらかというと新規獲得ではなく「ツイッターくんさあ」や「必死www」とか言いながら、ツイッターから一歩も動こうとしない我々を何とか排除しようと必死なのでは、と思っていたのだが、今回それが確信に変わった。
ツイッター社の社員が「いいね」に並んで「dislike」ボタンの実装を模索しているという旨を発表したという。
「dislike」とは「嫌い」という意味である。
確かに「ガチャに10万つっこんで推しがでなかった」というようなつぶやきに「いいね」がつくと、どういうつもりなのか「詳しく…説明してください」と冷静さを欠こうとしている風の大地の主人公状態になってしまうので、もっと表現に幅があっても良いとは思っていたが、いきなり「嫌い」とは思いきりが良すぎる。
逆に言うと「いいね」というのは相手を褒めているのではなく「この俺様が気に入った」という意味だったということである。
確かにこの自分中心な感覚は極めてツイッター的と言える。
ならばこの嫌いボタンが「やっとツイッターらしい、俺たちの待ち望んだ機能」かというと、もちろんそんなことはない。
確かにツイッターには、他人を攻撃するためにツイッターをやっているようなモヒカンジープな方がいらっしゃるのは事実であり、そういう方にとって嫌いボタンはタップ1つで人間を攻撃できるという夢のツールかもしれない。
しかし、モヒカンジープがツイッターの多数派というわけではないのだ。
ツイッターは、元々独り言ツールな上、他人との交流がマストではないため、コミュニケーションツールでありながら、他のSNSよりもコミュ症の利用率が高いと思われる。
そしてコミュ症にとって、嫌いボタンは「指先1つで他人をダウンさせられる北斗神拳」ではなく、「指先1つで俺がダウンさせられる北斗神拳」なのである。
自分のことをケンシロウやラオウと思っているコミュ症というのはあまりいない、常に雑魚キャラの視点かつ実際打たれ弱いのだ。
そんな打たれ弱い人間は、そもそも魑魅魍魎が跋扈するツイッターには向いていないのではないかと思うかもしれないが、ツイッターはやり方次第で「安全圏」から魔界を見物できるツールでもあったのだ。
それが嫌いボタンの実装により「自分が傷つけられる可能性が1%でもある」とわかった瞬間、あれだけ居座っていたツイッター民が瞬時に撤退を決める可能性がある。
もし、ツイッター社が我々を立ち退かせるために本気を出してきたというなら「ツイッターはユーザーのことをわかっていない」というのは勘違いであり「良く分かっているけど手加減してやっていた」ということである。
特に「dislike(嫌い)」という言葉のチョイスが良い「ファック」とかだと、逆にツイッター民は喜んで使う恐れがあるが「嫌い」というのはストレートに心に刺さる。
今のところこの「嫌いボタン」実装は噂の域であり冗談の可能性もあるが、本気だとしたらツイッター社は「もうこの世界(ツイッター)はダメだから一回ぶっ壊そう」という、神の思想に到達したのかもしれない。
神の意志なら、我々はもう抗いようがない。
それよりも嫌いボタン含めて最近のアップデート全てを「ユーザーが喜ぶ」と思って作っている方が「神よりももっと邪悪なナニカ」すぎて怖いので、ぜひ神であってほしい。
次回は12月8日更新です。このコラムが1冊の本にまとまります!2021年2月発売予定です。
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