現在このコラムを書籍化するにあたり、過去の原稿をちょっと読み返したのだが、やはり一番心に残っているのは、連載がはじまったばかりのころ「アヘ顔ダブルピース」と書いたら「読者にわかる言葉を使ってください」と言われたことだろうか、それ以外は特にない。
俺が読者にわかる言葉を使うより、読者が俺の言葉をわかれ、ということで今一度説明するとアヘピ(略称)とは、主にアダルトイラストに用いられる表情とポーズのことである。
黒目が限りなく上へすっ飛んでいるが、白目ではなく、口はだらしなく舌とよだれを垂らし、笑顔だとさらにポイントが高い。
そして当然だがポーズは「ダブルピース」だ、これなくしてアヘピは完成しない。
とりあえず今説明した顔とポーズを鏡の前でやってみてほしい、頭にパンツをかぶるなど、小物に凝っていただければなおグッドだ。
おそらく、地球上でもっともIQの低い生物が映っていると思うが、それが正しいアヘピであり、主に快楽堕ちしたキャラが見せる痴態表現として使われる。
今、ポカンとしている方、何言っているんだと嫌悪感を示している方も多いと思うが、これはSNSやネットに浸かり過ぎると、たまに起こしてしまう事故なのだ。
ツイッター上で大きな出来事が起こると、一日中TLがその話題で埋め尽くされるため「誰もが知っていること」と思いがちだが、市井の人は誰一人知らなかった、ということがたまにある。
つまりビッグニュースというのは、世間とツイッター両方賑わせているもの、ツイッター発でテレビのニュースまで行き、世間にまで知られるもの、そしてツイッターでは賑わうが世間一般までには届かないものに分かれるということだ。
鬼滅の刃は話題はネット外でも通じるが、100日後に死ぬワニの話題をリアルでしたら意外と誰も知らなかった、という感じだ。
つまりネットやツイッターで有名だからと言って誰もが知っているという感覚で話すと事故が起こりやすいということである。
実際私はアヘピが通じるものとして書いたし、その結果、意味が通じなくてポカンとされるだけでやめておけば良いのに、ますます何を言っているのかわからない説明をして引かれるというところにまで行ってしまった。
ツイッターで話題の話をしても良いが、その場合はいのちのかがやき君のこととか、相手が知らなくてもさほどダメージがないことに留めて置いて方が良い。
逆に言えば、ツイッター上でどれだけ己の心を揺るがす大事件を目にしたとしても、コロナや鬼滅レベルでなければ、ネットから離れた時点で「起こっていないのと同じ」になる場合もあるということだ。
これは自分が万が一ネット上で炎上してしまった時も言える、どれだけネットで悪い意味で有名人になったとしても、スマホを叩き割りパソコンを爆破した瞬間、誰も自分のことを知らないというケースの方は多い。
パソコンを消してもテレビが自分を映しているし、外に出れば見知らぬ人間が殴り掛かってくるというケースもあるかもしれないが、その場合は「それはそれでスゴイ」と思うしかない。
この連載が単行本になります。2021年2月売予定です!
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