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コラム 2021.08.31

『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫 最近、SNSが殺伐としていないか?

#149 ほがらかSNSライフ

『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫

最新話更新!

『ほがらかSNSライフ』フリートを殺し、その淀んだ血でフォローボタンを黒く染めたことで有名なツイッターだが、あれは単純にインスタの真似というより、黒く目立たせることによって、フォローボタンを押したくなるようにするためではないか、という説もあるようだ。

確かに、蚊も白い服より黒い服の人間に寄って行くという。
我々ツイッターユーザーも虫と大差ないので、ボタンを黒くされたらついつい偽お金くばりおじさんでもフォローしてしまうかもしれない。

また、私は未確認なのだが、誰かをフォローしようとすると、そのユーザーに似た相手が表示されフォローを促してくる機能がついたらしい。

何故欧米のツールはこうも「友達の友達はもはや友達」と信じて疑っていないのだろう。
確かに「あなた黒猫が好きということは白猫も好きなんじゃないですか?」と白おキャット様画像を差し出されたら「気が利くじゃねえか」と、胸元にジョイフルのドリンクバー券ぐらいはツッコんでやってもいい。
しかし、それは例外中の例外であり、福山雅治が好きなら、同い年の知らないおっさんを数人フォローしておきませんか、と言われたら「もっと丁寧に生きろ」と言わざるを得ない。

ともかく最近のツイッターさんは「フォロー」をさせたがっているようだ。
確かにSNSはコミュニケーションツールなのだから繋がってなんぼではある。

よって現在の、鍵付き裏アカにひきこもって何かの悪口やポエムしか投稿しないディスコミュニケーション野郎ばかりが増えていくという現状が遺憾であり、それを打破すべくフォロー推奨機能を取りつけているのかもしれない。

ちなみに先日ツイッターは世界一ユーザーが多いと言ったが、正確にはインスタの方が多いそうだ、謹んでお詫び申し上げる
しかし、日本ではインスタよりもツイッターの方がユーザーが多いらしい。
もしかしたら「陰湿な日本人にだけ妙にウケている」という現状こそがツイッターくんを焦らせ数々の奇行に走らせてしまっているのかもしれない。
だとしたら我々にも責任がある。
私も陰湿な日本人代表として謝りたいが、おそらくそういうエアリプにいちいち「私のこと?」とエアリプで反応してくるような自意識過剰さが余計「フォローして直接言え!」ツイッターの怒りに拍車をかけているのかもしれない。

しかし陰湿な日本人としては「こいつとも気が合うかもしれないよ」とフォローを推奨されるより「このアカウントは知り合いの恐れ、もしくは同族嫌悪でそのうちブロックすることになるから今のうちに先行一括ブロックしておけ」という機能の方が嬉しいのである。

フォローに次ぐフォローで友達の友達と全員繋がっていき、人類みな穴兄弟みたいなツールのつもりの作られたツイッターにとっては、プロフィールに「フォローはリアル知人の方のみ」みたいな謎の文言が書かれているアカウントがあると言うこと自体が不可解なのかもしれない。

しかし、めんつゆが、めんのつゆではなく「これで煮とけばなんとかなる汁」として重宝されているように、想定とは違う使われ方でも、使う人が多ければ商品として成功は成功である。

ただ、妙齢女性のために作られたボディソープが「おっさんがJKになれるボディーソープ」として有名になってしまったように、作り手にとって「遺憾」としか言いようがない売れ方をしてしまう場合もある。

おそらくツイッターにとって、我々陰湿な日本人に人気があるというのは「遺憾」であり、数々のいらないアップデートは「遺憾の意」の表れなのだろう。

次回は9月7日更新です。

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『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫

『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫

OL兼マンガ家から専業作家になったカレー沢薫さんが気づいたのは、「SNSにしか居場所がない」という事実。インターネットという大事な居場所を地獄にしないために、カレー沢薫さんが提案する、SNSとのほがらかな付き合い方とは?

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