「訴訟か訴えますよ!」
これはかつて私の仕事用アドレスに届いたメールの一部抜粋である。
詳細は省くが、私の言動が差出人の勘に触ったらしく、それで届いたのがこのメールだ。
その言動自体、到底訴訟を起こせる内容ではなかったのだが、さらにこの文言である。
ちなみに携帯アドレスから送ってきており「キャリアがお揃いだ」という感想を抱いた。
どう考えても恐れるに足りないのだが「訴訟」と言われて一瞬でもビビらなかったかというと嘘になる、何もしていないのに交番の前で競歩世界新を叩きだしてしまうのと同じだ。
「訴訟か訴え」というのも、良く見たら「殺害か殺す」と言ってるのと同じで怖い。
このように、ネット上での行いで訴訟か訴えが起こるというのは周知の事実であり「訴える」という言葉で相手をビビらせ、牽制する効果があるのも事実だ。
だが逆にあまりにもカジュアルに「訴訟」という言葉が飛び交い始めたため、一周回って「こいつ何もわかってないのにとりあえず訴訟って言ってるな、タラちゃんかよ」と、訴訟と言ったせいでさらに舐められるという現象も起こりつつある。
さらに「友人の弁護士に相談してみる」という文言も昔であれば抑止力だっただろうが、最近では「その友人は仕事として弁護士をやっているのに、友達という立場を利用してタダで相談するつもりか?」という、全く関係ない人間から別次元で詰められる事態になってしまっている
「訴訟」というのはSNSでto Loveるしたときの解決手段として有効だが、安易に口に出すと余計舐められ、さらに外野も敵に回りかねないということだ。
つまり、訴訟という言葉を使うなら自らも訴訟について勉強してからにしろ、ということである。
当然だが「私が地雷のカップリングの話をされて気分を害した」など、自分の意にそぐわない発言をされたと言う理由で相手を訴えることはできない。
ちなみに、「サッす」や「このカプで小説を書いてください、●●幼稚園に通ってる娘さん可愛いですね」などの殺害予告や脅迫、ストーカー行為は弁護士ではなく警察である。
SNS上のトラブルで訴訟を起こすとしたら主に「名誉棄損」「侮辱」「プライバシーの侵害」「肖像権の侵害」などが挙げられる。
この中で言うと「気分を害した」という理由で相手を「侮辱」で訴えれそうな気もするが、まず名誉棄損は「前科がある」「不倫してた」など、具体的実例を出して第三者の評判を落とす行為であり「侮辱」というのは「キモい」「幼稚園の運動会に侵入している部外者顔」など、具体的実例を出さずに第三者の評判を落とす行為を指す。
どちらにしても重要なのは「第三者」という点である。
つまり客観的、一般的に見て、名誉棄損や侮辱に当たらないことを「気分を害した」と言って訴訟をチラつかせると逆に「非常識」と思われる可能性があるということだる。
「クリスマスに4℃贈りそうだよね」と言われたら侮辱と感じるかもしれないが、一般的に考えるとそれは侮辱にならず、むしろそれを侮辱だと主張すればするほど4℃に訴えられるリスクが増す。
「正義は我にあり」だけで訴訟という言葉を出してはいけない「誰から見ても正義は我にあり」という確信を持ってから、訴訟か訴えをしよう。
次回は12月21日更新です。
今後の最新コンテンツが気になる方は、ぜひSouffle公式Twitterをフォロー!
コミックスを購入
2XXX年、人間は絶滅しかけ、どうぶつ達が政権を握るようになった日本。投票率0%で続投決定のムラヤマ総理大臣(ツシマヤマネコ)が国を統治する!! 日本の問題点をあぶり出して燃やす、社会風刺行政ギャグ!! 時事ネタひとコマ漫画「文化庁チンアナゴ長官」も同時収録!!